未成年者でも賃貸物件をで契約できる?契約ができるケースや注意点などを解説

引越したばかりの新居でパソコン作業をする女性

進学や就職、家庭の事情など、未成年者が一人暮らしをする理由は多岐にわたります。

しかし、実際に一人暮らしを始めようと考えた際、「未成年者って賃貸契約ができるの?」と不安に思う人も多いのではないでしょうか。

今回は、未成年者が賃貸物件の契約をする場合に満たすべき条件や、事前に押さえておきたい注意点などについて解説していきます。
大学進学や就職を機に一人暮らしを検討している未成年の方はもちろん、保護者の方もぜひ参考にしてください。

未成年者でも賃貸物件で契約できる?

たとえ未成年者であっても、賃貸物件の契約は可能です。

しかし、未成年者が賃貸物件を契約する場合、通常の賃貸借契約と同じ条件ではできません。契約を結ぶにあたって、未成年者は法律で手厚く守られている立場にあるため、親権者の同意が必要になります。

また、収入面でも未成年契約はハードルが高いです。

未成年者はアルバイト以外で収入を得るのが難しく、社会的信用もほとんどありません。そのため、家賃が払えなくなった場合に肩代わりしてくれる親権者の同意書の提出が求められます。

未成年者でも賃貸物件契約ができるケース

未成年者でも賃貸借契約が結べるケースは、以下の2パターンが挙げられます。

・未成年者だが結婚しているケース
・未成年者だが親権者の同意を得ているケース

2つのケースについて、それぞれ詳しく見ていきましょう。

未成年者だが結婚しているケース

法律により、未成年者であっても結婚していれば成人としてみなされます。そのため、結婚していれば親権者の同意なしに賃貸契約を結ぶことができます。

なお、仮に離婚していてもそのあとは成人として扱われるため、離婚歴があったとしても特に問題はありません。

未成年者だが親権者の同意を得ているケース

結婚していない未成年者が賃貸借契約を結ぶには、親権者同意書へのサインが必要です。法律により、未成年契約はすべて取り消しできることが定められています。そのため、親権者の同意がある場合に限り賃貸物件の契約を認めています。

親権者とは、子どもの監護や財産管理の権限をもつ人のことです。通常は両親が親権者となっており、離婚している場合は親のどちらかが親権者にあたります。

親権者がいない未成年者の場合は、未成年後見人が親権者の役割を果たします。未成年後見人とは、親権者が死亡などで存在しない場合に未成年者の代理人となる人のことであり、未成年後見人がもつ権利や義務は親権者とほとんど変わりません。

また、たとえ連帯保証人不要の物件でも、未成年者の賃貸契約の場合は親権者の同意が欠かせません。

未成年者でも賃貸物件の入居審査が通りやすくなるポイント

未成年者でも上記の条件を満たしていれば契約を結ぶことができますが、成人と比べると収入が不安定なため、入居審査に通りにくいことが懸念されます。

賃貸物件の入居審査をクリアするために、ここからは入居審査の際に意識したい2つのポイントを紹介していきます。

契約者名を親権者にする

親権者が契約者となることで、入居審査が通る確率が高くなります。
しかしこの場合、家賃の支払い義務は親権者が負うことになり、親権者から未成年者に毎月家賃を請求する必要があります。

収入証明書を提出する

未成年者がすでに社会人として働いている場合は、安定した収入があることを証明できれば入居審査に通りやすくなります。

収入の証明として有効なのが、所得証明書や源泉徴収票などといった収入を証明する公的な書類である「収入証明書」です。
以下に代表的な収入証明書の入手方法を紹介します。

■所得証明書(課税証明書など)
所得を証明したい年の1月1日時点で住所を置いていた市区町村役場で手続きをすることで、発行が可能です。必要書類については各市区町村のホームページなどで事前に確認しておきましょう。

■源泉徴収票、給与支払い証明書
会社員の方は勤務先に申請して発行してもらうことができます。必要書類は特にありません。

■確定申告書の写し
自営業やフリーランスの方は税務署に提出した確定申告書のコピーを収入証明として利用できます。
また、毎月の給与明細書については提出先によって収入証明書と認められる場合と認められない場合があるため注意が必要です。

未成年者が賃貸物件で一人暮らしをする注意点

条件が揃えば未成年者でも一人暮らしは可能ですが、未成年者だからこそ注意すべきポイントもあります。ここからは、未成年者が気をつけたい一人暮らしの注意点を3つ紹介していきます。

安心して暮らせる環境の物件を選ぶ

特に女性の一人暮らしの場合、空き巣や痴漢など、犯罪に巻き込まれてしまうリスクが高くなります。さまざまな不安を払拭するためにも、防犯上安心できる賃貸物件を選ぶのは重要なポイントです。

オートロックや防犯カメラがついている賃貸物件は、セキュリティ性に優れています。また、管理人が常駐しているマンションや、同じ建物内に大家さんが住んでいる物件もおすすめです。

なお、学生の場合はセキュリティ面が充実している学生マンションも検討してみてください。

物件を契約する前に、実際に住む街の治安や物件の周辺環境などもチェックし、最寄り駅や学校、会社からの通勤・通学路は安全かどうかを確認しておきましょう。
特に帰宅時間が遅くなる場合は、夜道が暗くないかなどもチェックしておきたいポイントです。

入居するための必要な書類を用意する

未成年者の賃貸契約には、契約書の他にも親権者同意書や連帯保証人関連の書類など、必要な書類がたくさんあります。契約時に漏れがないよう、不安な場合は事前に不動産会社の担当者に確認しておくことをおすすめします。

通常の賃貸借契約同様、通帳や身分証明書、印鑑証明や住民票なども必要です。特に印鑑証明や住民票は前もって役所で発行して取得する必要があるため、余裕をもって準備しておきましょう。

入居後も親へ近況報告する

一人暮らしとはいっても親権者の同意のもとで暮らしているため、不安にさせないよう、定期的に近況を報告しましょう。

今まで一緒に暮らしていた我が子が家を出て、遠方の地で一人暮らしする状況に不安を覚える方も少なくありません。電話やメール、LINEなどを使って近況を報告することで、両親を安心させることができます。

また、家族から離れて一人暮らしをすることで、親のありがたみを感じる方も少なくありません。恥ずかしい気持ちを覚える方も多いのですが、今までの感謝の意味も込めて連絡を取ってみてください。

未成年者で賃貸物件契約する場合は、親の同意が必ず必要!

未成年者でも賃貸物件を契約することは可能ですが、未婚の場合は不動産屋に親権者同意書を提出する必要があります。親の同意が得られない人は、結婚していない限り賃貸物件の契約ができないので注意しましょう。

通常よりも審査が通りにくい未成年者の賃貸契約は、親の名義で契約する、あるいは収入を証明する書類を提出することで審査に通りやすくなります。

また、契約に必要な書類はたくさんあり、契約時までに用意できないと二度手間になってしまうおそれもあります。事前にリストなどを作って、漏れがないように準備を進めましょう。

ふどサーチ編集部