引越し挨拶の正しいマナーは?タイミングや仕方、おすすめ手土産などを徹底解説!

引越し挨拶の正しいマナーは?タイミングや仕方、おすすめ手土産などを徹底解説!

特に都市部において、近隣に住んでいる人との関係が希薄になっている場合が多く、引越しの挨拶をしないという方も少なくありません。しかし、きちんと挨拶をしておくことでトラブルを防げたり、困ったときに助け合ったりできるようになります。

気持ちよく新生活をスタートさせるためにも、きちんと引越しの挨拶を済ませておくのがおすすめです。今回は引越し挨拶のタイミングや仕方、おすすめの手土産などを紹介していきますので、引越しを考えている方はぜひ参考にしてください。

引越しの挨拶はすべき?

引越しはなにかと忙しいものですが、近所への挨拶はなるべくしたほうがよいと言われています。近所にどんな人が住んでいるのかがわかるのはもちろん、顔見知りになっておくことで、その地域ならではのルールなどを教えてもらえるようになるでしょう。

また、隣近所に住む人が独身なのかファミリー世帯なのかを知ることで生活スタイルもある程度わかるようになり、騒音などのトラブル防止にも役立ちます。挨拶をされて嫌な気持ちになる人はほとんどいません。引越し時に好印象を与えておくと、良好な人間関係を作るきっかけにもなるので、基本的には時間を作って挨拶まわりをすることをおすすめします。

ただし女性の一人暮らしの場合、挨拶をするのは控えたほうがよいという意見もあります。女性の一人暮らしであることが近所の人にわかってしまうと防犯面でのリスクが高まり、ストーカーや盗撮、盗聴などの被害に遭うことも少なくないからです。

女性の一人暮らしで引越し挨拶をしたいという場合は、知人の男性についてきてもらうなどの対策を取りましょう。男性と一緒であれば、女性の一人暮らしとは思われにくいので安心です。

引越し挨拶の適切なタイミングと時間帯

引越しの挨拶は、なるべく引越しの前日までに済ませておくのがベストです。引越しでは、トラックを玄関前に駐車したり、荷物の搬入で大きな音が発生したりするなど、近所の方に迷惑をかけてしまうおそれがあります。事前に挨拶をして引越しの日取りを伝えておくことで、トラックの駐車などで起こるトラブルや音の迷惑もある程度大めにみてもらえるメリットがあります。

ただし遠方への引越しの場合などは、やむを得ず当日以降になってしまう場合もあります。臨機応変に対応しましょう。

また、適切な挨拶のタイミングは旧居と新居で変わるので、以下のタイミングを参考にしてください。

旧居:引越し当日の1週間前から引越し前日
新居:引越しの前日から引越し後1週間以内(遠方への引越しの場合は当日でも良い)


時間帯に関しては、当然ですが早朝や夜中は避けてください。また、相手がファミリー世帯の場合は子どもの送り迎えやご飯の準備などがあるので、平日であれば昼間の10時から16時がベストです。平日に挨拶ができない場合は、土曜や日曜の10時~16時の時間帯にうかがうようにしましょう。

どうしても昼間の時間帯に行けない場合には、夕食の時間にかぶる可能性はありますが、19時から20時の間で訪問するのもよいでしょう。もちろん、基本的に夜間の訪問はマナー違反なので、「夜分に申し訳ありません」と伝えつつ、手短に挨拶を済ませてください。

一方、NGな時間帯は朝7時~8時と夜9時以降です。とくに朝は、身支度や掃除、朝食などで忙しい時間帯です。また、仕事の都合によってはまだ寝ている人もいるかもしれません。

夜9時以降は、就寝の準備をしていたり、お風呂に入ったりする人が多く、迷惑に感じる人もいるのでNGです。また、夜間に訪問されるのは怖いと感じる方も少なくありません。相手の都合を考えながら、なるべく迷惑にならない時間帯に挨拶を済ませましょう。

引越しの挨拶まわりをすべき範囲・エリア

範囲やエリアに決まりはありませんが、今後関わっていく可能性がある人にはできるだけ挨拶をしておきましょう。ここからは、マンション・アパートといった集合住宅と一軒家のケースに分けて解説していきます。

マンション・アパートの場合

マンション・アパートで挨拶をしておいたほうがよいといわれている範囲は以下の3つになります。

・両隣の部屋
・真下の部屋
・真上の部屋

両隣の部屋の住人は見かけることも多いので、早めに挨拶しておきましょう。真下の部屋の人とは顔を合わせる機会は少ないかもしれませんが、生活音で迷惑をかけることがあるかもしれないので、今後のトラブル予防のためにも挨拶をしておくのがベストです。真上の部屋の方も関わりは少ないものの、「生活音に気をつけよう」と配慮してもらえるかもしれないので、挨拶を済ませておくことをおすすめします。

一軒家の場合

一軒家の場合、以下の3つになります。

・両隣の家
・真向かいの家とその両隣の家
・真後ろの家

一軒家の場合は、自治会などの活動で顔を合わせる機会も多く、長いお付き合いになるのが一般的なので、きちんと挨拶をしておくことが重要です。また、一軒家への引越しはトラックで道を塞いだり、引越し作業が長引いたりすることもあるので、きちんと引越し日時を伝えておきましょう。

無礼な引越し挨拶にならないように例文で確認しよう

引越しの挨拶はとくに難しいものではありませんが、失礼な挨拶にならないようにすることが重要です。普段敬語を使い慣れていなかったり、自己紹介に慣れていなかったりするとうっかり無礼な言葉遣いになってしまうこともあるので、以下の例文でしっかり確認しておきましょう。

引越し挨拶のセリフ例文(新居でおこなう場合)

<前日までに挨拶をする場合の例文>
お忙しいところ申し訳ございません。○月○日に引越して参ります○○(名前)と申します。引越しではなにかとお騒がせをしてしまうかもしれませんが、どうぞよろしくお願いいたします。

<引越し当日(後日)に挨拶をする場合の例文>
お忙しいところ申し訳ございません。本日(先日)○○(住所・部屋番号)に引越して参りました○○(名前)と申します。引越し当日は荷物の搬入などでお騒がせしてしまい申し訳ございませんでした。今後とも、どうぞよろしくお願いいたします。

<小さい子どもがいる場合>

子どもが○人おりますので、なにかとご迷惑をおかけするかもしれませんが、よろしくお願いいたします。

こちらはあくまでも基本の例文なので、どこから引越しをしてきたのかなど、若干のアレンジを加えてもよいでしょう。ただし、長い話になってしまうと逆に迷惑になるおそれがあるため、挨拶の目的だけを簡潔に伝えられるようにしておくのがベストです。

また、話の内容も大事ですが、声のトーンや服装も重要です。相手がしっかり聞き取れるようにはきはきと明るく話す、清潔感のある服装で伺うという点にも注意しましょう。

引越し挨拶のセリフ例文(旧居でおこなう場合)

<旧居での挨拶の例文>
お世話になっております。○○(住所・部屋番号)に住んでおります○○(名前)です。このたび、○月○日に引越しをすることになり、ご挨拶に参りました。これまで、いろいろとお世話になりありがとうございました。引越し当日はご迷惑をおかけしてしまうかもしれませんが、よろしくお願いいたします。

旧居での挨拶の場合、お世話になった度合いや親しさによって若干のアレンジを加えても問題ありません。ただし、どのような間柄であっても、引越し日時と同時に迷惑をかけたことのお詫び、そしてお世話になった感謝をしっかり伝えるようにしましょう。

引越し挨拶のセリフ例文(手土産ありの場合)

手土産がある場合は、上記のセリフ例文に下記の例文を加えましょう。

<手土産を渡すときの例文>
こちら、心ばかりの品ですが、どうぞお受け取りください。

<食べ物を渡すときの例文>
こちら、お口に合うかわかりませんが、皆さんでお召し上がりください。

粗品を渡す場合、日本人は謙虚になりがちです。また、世間で広く知られている「つまらないもの」という言葉は「つまらないものを相手に送る」という意味になり、逆に失礼にあたる可能性もあるので気をつけましょう。

引越し挨拶先の相手が不在だったら「挨拶状」を書こう

何度か訪れても、挨拶先の相手が不在だった場合は、手紙もしくは挨拶状を書きましょう。人によってはうっかり忘れてしまったり、引越してから日にちが立ちすぎたりしてタイミングを逃してしまうこともあるでしょう。

手紙を書くのが苦手であれば、簡単な挨拶状だけでもよいのでポストに入れておくことをおすすめします。以下に挨拶状の例文をご紹介しますので、自分のケースを考えながらアレンジして使ってみてください。

挨拶状の例文(新居でおこなう場合)

<相手が不在だったときの挨拶状の例文>
○月○日に○○(住所・部屋番号)に引越して参りました○○(名前)と申します。何度かおうかがいしたのですが、ご不在のため手紙で失礼いたします。
引越しの際にはご迷惑をおかけしてしまい申し訳ございませんでした。新しい地でわからないことも多く、いろいろと教えていただくこともあるかと思いますが、これからどうぞよろしくお願い申し上げます。

普通は封筒に相手の名前を書きますが、お互いに顔を見たことがない関係でもあるため、書かなくても大きな問題にはなりません。しかし、宛名のない封筒は怪しまれてしまうので、「引越しのご挨拶」という一文を入れておくようにしましょう。

挨拶状の例文(旧居でおこなう場合)

<旧居での挨拶状の例文>
いつもお世話になっております。○○(住所・部屋番号)に住んでいる○○という者です。このたび、○月○日に○○(引越し先の地名)へ引越すこととなりました。
これまで、大変お世話になりましたこと、心より感謝申し上げます。引越しの当日には、荷物の運び出しなどでご迷惑をおかけすることもあるかもしれませんが、何卒よろしくお願いします。

引越しをすれば疎遠になるかもしれませんが、今までお世話になった旨と引越しで迷惑をかけることへのお詫びをしておくことはとても大切なことです。とくに親しくなった方には、挨拶状だけでなく粗品も置いておくのがベストです。

挨拶状の例文(手土産ありの場合)

手土産がある場合は、上記の例文に加えて、手土産についても軽く触れておくようにしましょう。

<手土産がある場合の挨拶状の例文>
ささやかではございますが、お使いいただけますと幸いです。

<手土産が食べ物のときの挨拶状の例文>
お口に合うかわかりませんが、ぜひ皆さんでお召し上がりください。

引越し挨拶におすすめの品物・手土産

引越しの挨拶をするとき、手土産選びに悩む方も多いのではないでしょうか。 使わないような品では迷惑になってしまいますが、あまりに高額な品物では相手も遠慮してしまいます。ここでは、お店で1000円前後で購入することができる、挨拶ギフトとしておすすめの品物を紹介します。

お菓子・食品

お菓子や食品は幅広い年代の方に好まれるものであり、挨拶品として重宝されています。とくに、日持ちがして数も調整しやすいクッキーやおせんべいなどは人気となっています。

もちろん、心がこもっていればどのようなお菓子・食品でも問題ありませんが、賞味期限が短いものや、独特の味がするものはなるべく選ばないようにしましょう。また、蕎麦などはアレルギーの問題もあるので、特殊なものは避けて、できるだけスタンダードなものを選んでください。

タオル

タオルは基本的にどんな方も使うものなので、挨拶ギフトとして最適です。ただし、色やデザインの好みは人によって違うため、派手な柄があしらわれているデザインのものは避けたほうが無難です。色はシンプルな白やグレー、デザインは無地のものであれば使いやすいでしょう。

洗剤類

洗剤類も挨拶ギフトとして根強い人気があります。ただし、香りの好みが分かれるものでもあるので、独特のにおいがある洗剤を選ぶのはNGです。また、オーガニックなどこだわりをもっている人も多いので、無添加の台所用洗剤や衣類用洗剤にするのがベストです。

引越し挨拶のマナーを守って気持ち良く新生活を始めよう

引越しの挨拶は大変かもしれませんが、顔を合わせたり挨拶状を出したりしておくことで、近所の人とのつながりができます。周囲の人に助けてもらいたいと思ったとき、つながりができていれば、いざというときに助けてもらえるようになるでしょう。引越し時の挨拶は自分と地域をつなぐ大切な一歩ともいえますので、挨拶のマナーを守って良好なご近所付き合いをはじめてみてください。

ふどサーチ編集部