外にいるかのような気分が味わえるハーフバルコニー。戸建てやルーフバルコニー付きのマンションに住めば、外の空気を感じながら読書や食事をすることもでき、何気ない日常に彩りが加わります。今回は、ルーフバルコニーの活用例やメリット、注意点について解説していきますので、ルーフバルコニー付きの住まいに興味がある方は参考にしてみてください。
目次
ルーフバルコニーとは?
ルーフバルコニーとは、下の階の屋根を使った室外スペース、あるいはその部分を利用して作られたバルコニーのことを指します。通常のバルコニーよりも面積が広く、開放的なスペースが特徴で、別名ルーフテラスとも呼ばれています。スペースの広さと日当たりの良さから、洗濯物を干したり食事をしたりプレイスペースにしたりと、さまざまな楽しみ方ができる点がメリットです。
ルーフバルコニーと似たものに、ベランダとバルコニーがありますが、この3つはそれぞれどのような点に違いがあるのでしょうか。
ルーフバルコニー・ベランダ・バルコニーの違い
まずは、一般的に混同されることも多いルーフバルコニー・ベランダ・バルコニーの違いを見ていきましょう。
■ルーフバルコニー
・階下の屋根の上にある
・屋根がついてない
・面積が広い
■ベランダ
・建物の外に張り出した空間
・屋根がついている
・手すりがある
・階数や広さにかかわらない
■バルコニー
・建物の外に張り出した空間
・屋根がついていない
・手すりがある
・2階以上についている
ルーフバルコニーは、階下の屋根の上をスペースとして使うため、一般的なバルコニーやベランダと比べて面積が広いのが特徴です。
ベランダは、2階以上にあり戸外に張り出したスペース部分のことを指します。戸建てや集合住宅、階数や広さにかかわらず、屋根がついているのはベランダとして扱われます。
バルコニーは、戸建て住宅で良く見られ、屋根がないのが特徴です。ルーフバルコニーもバルコニーも屋根がなく、手すりがついている点も共通していますが、2つの違いはバルコニーの場所にあります。ルーフバルコニーは下階の屋根の上、バルコニーは2階以上の建物の外にあるものを指します。
ルーフバルコニー付き物件のメリット
ルーフバルコニー付き物件に住むと、以下のようなメリットが得られます。
①開放感を味わえる
②趣味や作業のスペースとして利用できる
③外からの覗き見を防止できる
④家族との交流がより深まる
⑤日当たりが良い
それぞれのメリットをひとつずつ見ていきましょう。
ルーフバルコニー付きのメリット①:開放感を味わえる
ルーフバルコニーは、先述のとおり下の階の屋根を使っているため、スペースが広い点が大きなポイントです。開放感のある空間で外の空気を感じながら、のんびりとした時間を過ごせます。
マンションなどの集合住宅の場合、作りによっては空が見えないこともありますが、ルーフバルコニーに行けば頭上に空が広がります。朝焼けを眺めながら1日を始め、夜に星を見て1日を終えるといった生活も可能です。
また、場所によってはルーフバルコニーから花火が見えることもあります。マンションにいながら夏の風物詩を楽しめるのも、ルーフバルコニーのメリットのひとつです。
ルーフバルコニー付きのメリット②:趣味や作業のスペースとして利用できる
ルーフバルコニーは広さがあるので、ストレッチやヨガなどの運動を思いっきり楽しめます。机やイスを設置すれば、読書や手芸など趣味の時間を過ごしたり、リモートワークをルーフバルコニーで行ったりすることも可能です。
また、子どもの遊び場としても利用でき、公園などに出かけなくても子どもを遊ばせることができます。家の外に出なくても屋外で遊んでいるような感覚になり、子どものストレス解消につながります。
ルーフバルコニー付きのメリット③:外からの覗き見を防止できる
広いルーフバルコニーは部屋までの距離があるため、部屋の中が見えにくく覗き見防止の効果があります。また、マンションなどの最上階にあることも多く、洗濯物が見えづらいなどの点でも防犯面に優れています。
ルーフバルコニー付きのメリット④:家族との交流がより深まる
家族の交流の場としてルーフバルコニーを活用している方も少なくありません。ランチや夕食など、いつもの食事をルーフバルコニーで取れば会話も弾みやすくなります。
室内のリビングでは、ゲームや動画視聴に没頭することが多いため、家族みんなで話す機会が少ないと悩むご家庭も多いのではないでしょうか。ルーフバルコニーでは、テレビなどがないためお互い会話に集中でき、家族とのコミュニケーションが取りやすくなります。
ルーフバルコニー付きのメリット⑤:日当たりが良い
日差しを遮るものがないため、日当たりの良さは魅力的なポイントです。日光浴をしたり太陽の下でヨガをしたりと、まるで公園にいるような気分を味わえます。また、晴れた日は洗濯物も乾きやすく、布団を干すのにも向いています。
ルーフバルコニー付きにするデメリット・注意点
魅力的なポイントが多いルーフバルコニーですが、一方で以下の5つの点に注意が必要です。
①天気に左右される
②こまめなメンテナンスが必要
③維持費が発生する場合がある
④マンション規約を必ず確認する
⑤においや音に気をつける
それぞれ詳しく説明していきます。
ルーフバルコニー付きの注意点①:天気に左右される
ルーフバルコニーは屋根がないため、天気に左右されやすいです。突然の雨により、洗濯物はもちろん、食事用に設置したイスやテーブルが濡れることも考えられます。また、十分な防水加工がされていなかったり、排水口が詰まったりすると雨漏りをするおそれもあります。
また、ルーフバルコニーは高層階にあることが多いため、風の影響を受けやすいのも注意が必要なポイントです。たとえ晴れていても、風が強いと食事や作業が思うようにできないことがあります。梅雨や台風の多い時期は、ルーフバルコニーを使う機会が減ってしまうかもしれません。
ルーフバルコニー付きの注意点②:こまめなメンテナンスが必要
屋根のないルーフバルコニーは雨風にさらされるため、メンテナンスをこまめにする必要があります。特に、排水口にごみが溜まると下階への雨漏りの原因となるため、定期的に掃除をしなければいけません。
また、おしゃれなルーフバルコニーにするために、ウッドデッキの設置を検討している人もいるかもしれません。ウッドデッキの配置によっては、排水口を塞いだり、床の状態が確認できなかったりするため、雨漏りの兆候を見逃してしまうおそれがあります。雨漏りの修理には手間や費用がかかってしまうので、ウッドデッキを設置する場合はこれらの箇所を定期的にチェックしましょう。
ルーフバルコニー付きの注意点③:維持費が発生する場合がある
新築物件にルーフバルコニーを付ける場合、10〜20年間隔で防水工事をする必要があります。また、経年劣化でリフォームが必要になることも少なくありません。維持費がかかる点には注意が必要です。
賃貸物件の場合は、大家さん側がリフォームや防水工事の費用を支払います。しかし、工事による人の出入りにストレスを感じるかもしれないので、事前に工事の時期や時間帯など確認しておきましょう。
ルーフバルコニー付きの注意点④:マンション規約を必ず確認する
ルーフバルコニー付きマンションの場合は、マンションの規約を必ず確認しましょう。ルーフバルコニーは、バルコニーなどと同様に共用部分であり、すぐに動かせないような大きなものを置くことができない他、リフォームや大がかりなDIYなどもできません。
また、ルーフバルコニーは緊急時の避難場所や避難経路としての役割があり、避難経路を遮る物を置くことは消防法で禁止されています。プランターやテーブルを置く場合は十分に注意してください。
なお、物件によっては、ルーフバルコニーの使用に別途使用料がかかることがあります。ルーフバルコニー付きマンションに入居する場合には、使用料の有無についても確認しておきましょう。
ルーフバルコニー付きの注意点➄:においや音に気をつける
ルーフバルコニーでのBBQやパーティーは、非日常的で楽しいものですが、においや騒音には注意が必要です。開けた空間なのでにおいや音が周囲に漏れやすく、近所から苦情が届く可能性があります。開放的な空間でつい楽しくなってしまいますが、大音量で音楽をかけたり、大声で騒いだりするのはトラブルの原因となるため、周囲へ配慮しながら楽しみましょう。
ルーフバルコニーの活用例
広くて開放的なルーフバルコニーがあるのにもかかわらず、それを十分に活用できなければもったいないですよね。ルーフバルコニーにはどのような使い方があるのでしょうか。
①ガーデニング
②イスや机の設置(グランピング)
③イスや机の設置(くつろぐスペース)
④アウトドア
⑤洗濯物を干す
上記5つの活用方法について詳しく解説していきます。
ルーフバルコニー活用例①:ガーデニング
ルーフバルコニーは、日当たりも良くスペースも広いためガーデニングに最適です。四季折々の花を楽しんだり、家庭菜園で野菜を育てたりできます。これからガーデニングや家庭菜園を始めたい人は、ルーフバルコニーをきっかけに趣味の幅を広げてみてはいかがでしょうか。
なお、ベランダでのガーデニングについては、「賃貸でガーデニングをする前に確認すべきこととは?初心者におすすめの植物も紹介」の記事で詳しくご紹介しているので参考にしてみてください。
ルーフバルコニー活用例②:イスや机の設置(グランピング)
イスや机を設置し、グランピングとして活用できます。グランピングは「グラマラス」と「キャンプ」を組み合わせた言葉で、ダイナミックな自然を感じながらも快適な施設の中でキャンプをする新しいアウトドアのスタイルです。
気軽に外出ができず、ずっと室内にいるのはストレスが溜まるものです。ルーフバルコニーにイスや机を置き、食事や読書などをルーフバルコニーで行えば、自宅でも気軽にグランピングを楽しめます。また、室内に入ればいつもの生活に戻ることもでき、ちょっとした旅行気分を味わえます。
ルーフバルコニー活用例③:イスや机の設置(くつろぐスペース)
リモートワーク中の気分転換や、休日にくつろぐスペースとして活用できます。日中はティータイムを楽しみ、夜は星空や夜景を見ながらくつろぐのもおすすめです。
ルーフバルコニー活用例④:アウトドア
BBQをしたりテントを張ったりして、自宅にいながらアウトドア気分を味わえます。ただし、マンションでは火の使用が禁止されている場合があるので、マンション規約は必ず確認しましょう。
ルーフバルコニー活用例➄:洗濯物を干す
レジャー感覚で使う人が多いため見落とされがちですが、もちろん洗濯物を干す場所としても活用できます。日当たりの良さと十分なスペースを活かし、布団やシーツなど室内で干すには場所を取るような大きなものも、ルーフバルコニーなら気にせずに干せます。また、日当たりが良く乾きやすいため、溜まった洗濯物も一気に干せて便利です。
一戸建て物件にルーフバルコニーを設置する場合、費用はいくらかかる?
一戸建てにルーフバルコニーを設置する場合は、一般的な広さの10〜20坪でおよそ100〜300万円が相場です。主な内訳と費用の大まかな目安を見てみましょう。
内訳 | 費用 |
---|---|
設置費用 | 約20万円(㎡) |
防水工事 | 4,000〜7,000円(㎡) |
階段設置費用 | 外階段:30〜50万円内 階段:70〜150万円 |
合計金額 | 約200万円(10坪) |
費用は面積や防水の種類、階段設置の有無や場所によって変わるので、事前に見積もりを取って予算に合うかどうかをチェックしてみてください。
ルーフバルコニーで充実した生活を!
ルーフバルコニーは、家にいながら開放的な気分が味わえる第2の室外リビングです。ガーデニングをして趣味の時間を楽しんだり、イスをおいてくつろいだりと、自分だけの時間を楽しむことができます。また、家族団欒のスペースとしても活用できるので、ルーフバルコニーのある生活を一度検討してみてはいかがでしょうか。