アパートの1階は危険?注意点やメリット、確認ポイントを押さえよう!

賃貸アパートの1階の部屋からでてくる男性の様子

賃貸物件探しの際、「アパートの1階は危ないって本当?」「高層階の方がいい?」など不安や疑問が出てくるかもしれません。今回は、このような疑問や不安を解決できるよう、アパートの1階の部屋に関するメリットや注意点について解説します。

また、アパートの1階に住むのに向いている人・向いていない人の特徴も紹介していきますので、入居すべきか悩んでいる人はぜひ参考にしてみてください。

アパートの1階に住むのは避けた方がいい?

以下のポイントを重視する人は、アパートの1階に住むのは避けた方が無難です。

<アパートの1階を避けた方がいい人>
・騒がしい環境が苦手
・防犯性の高い部屋を希望している
・日当たりや風通しを重視している
・虫が苦手

次項からは、上記の各ポイントをもとにしたデメリット・注意点の他、1階ならではのメリットについても解説します。

アパートの1階に住むデメリット・注意点

アパートの1階に住むデメリット・注意点として、主に以下のようなものが挙げられます。

・2階以上の部屋に比べて防犯性が低い
・日当たりに恵まれない可能性がある
・害虫が侵入しやすい
・騒音問題に悩まされる場合がある

賃貸物件探しの際、1階の部屋も選択肢に入れている場合は、事前にデメリットや注意点をよくチェックしておくことをおすすめします。

2階以上の部屋に比べて防犯性が低い

1階の部屋の場合、2階以上の部屋に比べて防犯性が低いという点に注意する必要があります。ベランダから侵入しやすく、また逃走経路の確保もしやすいため、2階以上の部屋に比べて空き巣などのターゲットにされやすい傾向にあります。

また、物件の造りによっては外から部屋の中が見える場合や、壁や塀などが障害物となり侵入者がいても人に気づかれにくい空間ができる場合もあります。道路や隣家との間に敷地・スペースがない賃貸物件の場合、特に注意しなければなりません。

もちろん、1階に住んでいるからといって必ずしも被害に遭うというわけではありません。物件の構造や周辺環境を内見時に入念に確認したり、入居後も防犯対策を講じていればリスクを抑えられるので、注意点を理解したうえで判断しましょう。

日当たりに恵まれない可能性がある

アパートの1階は日当たりに恵まれない可能性があります。物件の周囲に建物や樹木などがある場合、1階は日陰になりやすいです。洗濯物が乾きにくい、部屋の中に日光が入る時間帯が限られるといったリスクも理解しておきましょう。

さらに、周囲にある障害物(塀や樹木など)によって風も遮られる場合、部屋の中は湿気が溜まりやすくなります。定期的に換気をしたりエアコンの除湿機能を活用したりするなど、対策を講じることはできますが、風通しの良い部屋に比べれば手間がかかるかもしれません。

アパートの1階に住む際は、日の光や風を遮るものがないか、周辺環境も十分チェックしておきましょう。

害虫が侵入しやすい

1階は地面との距離が近く、害虫が侵入しやすいです。特にアパートの周囲に雑草や樹木などがある場合、虫の生活環境と近くなってしまうため、害虫の出現頻度が多くなります。以下に侵入しやすい害虫の例を挙げていくので、アパートの1階に住む場合は事前に対策方法を考えておきましょう。

<侵入しやすい害虫>
・ゴキブリ
・蚊
・ハエ
・ムカデ

害虫の侵入を防ぐ薬剤やグッズはホームセンター、スーパーなどでも販売されています。特に夏場は活動的になる害虫が多くなるので、薬剤やグッズを活用して対策しましょう。

騒音問題に悩まされる場合があるかも

アパートの1階は、上の階や外部からの騒音問題に悩まされる可能性があります。上の階に住む人の生活音が大きければ、在宅中は音が気になるかもしれません。

さらに1階は地上に近いので、自動車のエンジン音や通行人の話し声なども入ってきやすいです。内見の際は周囲の音や壁の厚さにも注意して確認しましょう。

防音グッズについてより詳しく知りたい方は、こちらの記事もあわせてチェックしてみてください。
「賃貸物件の防音対策を解説!アパート・マンションで有効なグッズも紹介」

悪いことばかりではない!アパートの1階に住むメリット

アパートの1階にはさまざまなデメリットがある一方、魅力的なメリットもあります。

・2階以上の部屋に比べて家賃が安い
・階下を気にせずのびのびと生活できる
・移動時間を短縮できる
・専用庭や広いベランダ付きの場合がある

ここからは、上記4つのメリットについて解説していきますので、入居を決めるか悩んでいる方は参考にしてみてください。

2階以上の部屋に比べて家賃が安い

前述したとおり、1階にはさまざまなデメリット・注意点があるため、2階以上の部屋に比べて家賃が安い傾向にあります。

日当たりの良さ、防犯性の高さなど好条件が揃う賃貸物件は需要が高く、すぐに入居者が決まりやすいです。

一方、ネガティブな要素が含まれる1階の場合、空室対策の一環として家賃が下げられていることもあります。生活環境にこだわりのない人は、家賃が抑えられる1階の部屋も選択肢に入れてみましょう。

階下を気にせずのびのびと生活できる

1階の賃貸物件であれば、階下への騒音を気にせず生活することができます。アパートなどの集合住宅では、足音や椅子を引く音などの生活音が原因で、階下の住人と騒音トラブルになることもあります。

1階の場合は左右の部屋の住人へ配慮していれば、こうしたトラブルに巻き込まれる心配がありません。生活上のストレスを1つなくすことができるので、のびのびと生活したい人は1階の賃貸物件も検討してみましょう。

移動時間を短縮できる

1階の場合、外出時にアパートから出るまでの移動時間を短縮できます。上の階に住んでいる場合、階段やエレベーターを使う必要があり、多くの住人がエレベーターを使う時間帯には時間をロスする可能性もあります。

一方、1階の賃貸物件は上記のような問題はなく、スムーズに外出できるのがメリットです。ゴミ出しやコンビニへのちょっとした買い物の際も、移動にかかる負担や時間が少なく済みます。

専用庭や広いベランダ付きの場合がある

1階の賃貸物件は、専用庭や広いベランダがついていることもあります。1階の住人だけが使用可能な専用スペースであり、ガーデニングまたは収納スペースとして活用できます。

ただし、何でも自由に使っていいというわけではありません。専用庭やベランダは共有部分であり緊急時に避難経路として使うこともあるため、管理規約に基づいた使い方に限られます。また、すべての賃貸物件の1階に専用庭や広いベランダがあるわけではないので、そういった物件を希望する場合は、仲介する不動産会社へ事前に伝えておきましょう。

アパートの1階に住んでも問題ない人

ここではアパートの1階に住んでも問題ない人の特徴について解説します。これらは2階の部屋で快適に生活できるかどうかを判断するポイントでもあるので、自分が当てはまっているかどうかチェックしてみましょう。

子どもがいる家庭

子どもがいる家庭の場合、防犯や虫よけ対策などを十分に施しておけば、1階は暮らしやすい環境です。先述したように、1階の賃貸物件は専用庭がついている場合があり、そのような物件であれば子どもを遊ばせることもできます。

さらに下階の住人もいないため、子どもが室内を走り回ることで起きる騒音問題を気にする必要がありません。生活上のストレスが軽減され、のびのびと暮らしやすい環境です。

家賃を抑えたい人

家賃を抑えたい人には、アパートの1階がおすすめできます。前述のとおり、同じアパートやマンション内でも、1階の部屋は2階以上の部屋に比べ家賃が安い傾向にあります。生活環境へのこだわりがなく、少しでも家賃を抑えて生活したい人はアパートの1階も検討してみましょう。

出入りのしやすさを重視している人

出入りのしやすさを重視している人は、アパートの1階も選択肢に入れてみてください。1階であれば、階段やエレベーターなどを使うことなく玄関を開けてすぐに外出できます。「バタバタした朝は少しでも時間を短縮したい」「階段の上り下りがつらい」といった人に、アパートの1階はおすすめです。

アパートの1階を選ぶ際に確認すべきポイント

最後にアパートの1階を選ぶ際に確認すべきポイントをご紹介します。暮らしやすさや安全性などに繋がるポイントなので、賃貸契約前に確認しておきましょう。

確認ポイント①:防犯設備が整っているか

防犯設備の有無は安全な暮らしへ直結するため、事前に確認すべきポイントです。防犯設備の種類や効果・役割について例を挙げていくので、契約時の参考にしてみてください。

【防犯設備の例】

防犯設備効果・役割
監視カメラ・侵入を抑止する
・トラブル発生時に証拠として警察へ映像を提出できる
モニター付きインターホン・ドアを開けなくても、モニター越しに訪問者をチェックできる
警備会社のシステム・警報装置による警戒やトラブル発生時の対処などを任せられる
セキュリティ性能の高いドアキー・ピッキングによる侵入を防げる
オートロック・居住者以外のマンションの立ち入りを防げる

環境にもよりますが、1階は防犯面でのリスクが上がる可能性もあるので、上記のような防犯設備の有無を大家さんや不動産仲介業者などへ確認しましょう。

確認ポイント②:管理人が常駐しているか

管理人が常駐しているアパートであれば、トラブル発生時はすぐにサポートしてもらえます。常駐している場合、アパート内の一室に管理人が住んでいることがほとんどです。

そのため、住民同士のトラブルや苦情、不審者の侵入などがあった際は、相談・サポートなどの対応をしてもらいやすい環境です。日中はもちろん、管理人が起きていれば夜間にも対応してもらえるかもしれません。

また、管理人常駐のアパートは防犯性の強化という役割もあります。アパート周囲の清掃やチェックなどは管理人が行っているため、人に顔を見られたくない侵入者への抑止力として効果を発揮します。

安心できる生活環境を手に入れられるよう、管理人常駐の賃貸物件かどうかを事前に確認しておくのも1つの方法です。

確認ポイント③:窓に格子やシャッターがついているか

防犯性能の高い賃貸物件を探している場合は、窓に格子やシャッターがついているかを確認してください。窓に鍵がかけられている場合、侵入者は窓を破壊して侵入を試みます。しかし、格子やシャッターがあれば、窓を破壊したとしても侵入は難しく、撤退する可能性があります。

また、隣家や道路との距離が近い場合、格子やシャッターはプライバシー保護・騒音対策としても効果的です。隣家との距離が近ければ、自宅内が覗かれやすくなります。交通量の多い道路に面している場合、騒音なども気になるでしょう。

しかし、格子があれば自宅内を覗かれにくくなる他、シャッターによって騒音を防ぐことも可能です。防犯以外にも役立てられるので、賃貸物件を探す際はこれらの設備にも注目しましょう。

確認ポイント④:駅から家までの道のりや距離はどうか

生活のしやすさはもちろん、防犯の面から見ても駅から家までの道のりは近い方がおすすめです。帰宅が遅くなる人の場合、駅から家までは夜道を歩かなければなりません。物件周辺の環境だけでなく、駅からの距離についても留意して賃貸物件を探してみてください。

また、駅から自宅までの道のりに外灯や人通りが多いかどうかも、内見時に確認しておきましょう。特に女性の場合、徒歩5分以内が理想的とされていますが、仮に駅から家までが近い場合でも人通りのない暗い夜道は危険です。

なお、警察のHPには犯罪が起きた場所を示すマップが掲載されているので、このような情報も参考にしながら賃貸物件を探してみてください。

参考:警視庁「事件事故発生マップ」

確認ポイント⑤:防犯性の高い鍵であるか

侵入盗などの犯罪を防ぐために、防犯性の高い鍵かどうかもチェックしておきましょう。鍵は種類によって防犯性能が異なるため、ピッキングされやすいか、合い鍵を作りやすいかなどを確認することが大切です。

特に防犯性の高い鍵として、「ディンプルキー」という鍵があります。ディンプルキーは内部構造が複雑で、合い鍵も簡単には作れません。ピッキングを防ぐ効果もあり、侵入盗などの犯罪から守ってくれます。

入居前に不動産会社に鍵の種類についても確認して、防犯性能がどの程度なのか把握しておきましょう。

アパートの1階に隠れているデメリットをチェックしておこう

アパートの1階には以下のようなデメリット・注意点があるので、入居前は自分のライフスタイルに合っているかをチェックすることが大切です。

<1階のデメリット・注意点>
・2階以上の部屋に比べて防犯性が低い
・日当たりに恵まれない可能性がある
・害虫が侵入しやすい
・騒音問題に悩まされる場合がある

ただし、見方によっては1階の賃貸物件にもいくつかメリットがあるので、こちらについても把握しておいてください。

<1階のメリット>
・2階以上の部屋に比べて家賃が安い
・階下を気にせずのびのびと生活できる
・移動時間が短縮できる
・専用庭や広いベランダ付きの場合がある

これらのメリットとデメリットを把握したうえで、双方の視点から自分に合っているかを確認しつつ、入居すべきかどうか判断してみてください。

ふどサーチ編集部