一人暮らしの水道光熱費はいくらかかる?手軽にできる節約術も解説

水道代を計算する様子

公共料金のなかでもとくに節約しやすいのが「水道光熱費」です。しかし、節約を実践しようとしても具体的な方法がわからなければやりようがありません。

今回は水道光熱費を節約したい人に向けて、手軽にできる節約術をご紹介します。また、一人暮らしの水道光熱費はいくらくらいなのか、その目安についても解説しているのでぜひ参考にしてみてください。

一人暮らしで毎月の水道光熱費は平均いくらかかる?

まずは一人暮らしでかかる毎月の水道光熱費は平均いくらくらいなのか見ていきましょう。各データは国が実施する家計調査をもとにしています。

電気代

電気代に関して、年代別の平均額を解説します。

【年代別で見る電気代の平均額】

年代平均額
34歳以下3,628円
35~59歳5,892円
60歳以上6,527円
65歳以上6,488円

出典:e-Stat 家計調査 

年齢を重ねるごとに電気代の平均額が高くなっています。総務省統計局の調査によれば、20歳以降は年齢を重ねるほど在宅時間が長くなる傾向にあります。在宅時間が長いほど、テレビや照明、エアコンなどを使う時間も長くなり、電気代も高額になってしまうようです。

水道代

水道代に関しても、年代別に平均額を見ていきましょう。

【年代別で見る水道代の平均額】

年代平均額
34歳以下1,617円
35~59歳2,248円
60歳以上2,334円
65歳以上2,322円

出典:e-Stat 家計調査

水道代に関しては、35歳以降になるとほとんど差がないようです。水をとくに多く使うのはお風呂場ですが、20代は湯船に入る人が比較的少ない傾向にあります。LINE株式会社の調査によると、30代以降の約半数は湯船に入るのに対し、20代は3割程度です。

ガス代

ガス代についても、年代別の平均額を解説していきます。

【年代別で見るガス代の平均額】

年代平均額
34歳以下2,344円
35~59歳3,188円
60歳以上3,182円
65歳以上3,212円

出典:e-Stat 家計調査

ガス代においても、35歳以降は大きな差がありません。日常生活において、ガスを使うのは主にお風呂場やキッチンなどが挙げられます。

食の研究会によると、年齢を重ねるにつれて自炊する人の割合は高くなるようです。60代になると男性は約60%、女性は75.7%の人が毎日自炊すると回答しています。年代別の入浴方法も含めて、年齢を重ねるごとに自宅でのガス使用頻度は高くなるといえます。

一人暮らし住宅の光熱費を変動させる要因は?

ここからは、一人暮らし住宅の光熱費が変動する要因を4つ解説します。

①居住している地域

光熱費は居住している地域によって異なり、都市部のほうが安い傾向にあります。理由は、都市部のほうが生活インフラ(ガス・水道・電気など)を効率的に供給できるためです。都市部は人口密度が高く、より多くの人へガスや電気などが供給できます。

各世帯の負担が少なくなるため、料金も安く設定される傾向にあります。一方、人口密度の低いエリアは世帯数が少ないため、各世帯の負担が大きいです。光熱費の料金は高く設定されがちなので、都市部よりも毎月の光熱費が高くなる傾向にあります。

②契約している会社

電気・ガスは契約している会社によって料金が異なります。電気とガスは小売販売が自由化されたことで、各社で独自の料金プランが打ち出されるようになりました。ファミリー世帯向け・単身世帯向けなど、契約会社やプランごとに特徴が異なるので、自分の希望に合わせて選び、毎月の光熱費を抑えるようにしましょう。

③生活スタイル

一人暮らしの場合、自分の生活スタイルで光熱費は大きく変動します。たとえば、在宅ワーク中心で自炊なども積極的におこなう人の場合、自宅での電気・ガス・水道の使用量が増えるため光熱費は高くなりがちです。

ただし、光熱費が高くなることは決してネガティブな面ばかりではありません。外食費や交通費などがかからないため、実質的な支出を抑えられるケースもあるでしょう。

④ガスの種類

ガスは大きく分けて2種類あり、それぞれ料金が異なります。

【ガスの種類と特徴】

ガスの種類平均料金
(一人暮らし)
特徴
都市ガス約3,200円・地中に埋まっているガス管から供給される
・地域や会社によって料金が異なる
・ガス管のとおっているエリアでのみ契約できる
プロパンガス約5,900円・ガスボンベが各家庭に配送される
・会社によって料金が異なる
・各会社の提供エリア内であれば、どこに住んでいても利用できる

出典:大阪ガス

プロパンガスはガス自体の料金だけでなく、ガスボンベの配送料も加算されるため、月額料金の平均額はプロパンガスのほうが高くなります。光熱費を抑えようと考えている人は、都市ガスの賃貸物件に住むことをおすすめします。

一人暮らしで少しでも光熱費を抑えるためにできること

光熱費を抑えるためにできることはたくさんあります。ここからは電気・ガス・水道、それぞれの節約術を見ていきましょう。

電気代を抑える方法

まずは電気代を抑える方法を6つ解説します。

①電気をつけっぱなしにしない

電気のつけっぱなしは電気代が高くなる要因の1つなので、外出時などは必ず消しましょう。具体的な電気代について、以下で蛍光灯をつけっぱなしにした場合を想定して解説します。

<想定する条件>
・消費電力:40W(ワット)
・使用時間24時間
・電力量料金:27円

<具体的な電気代>
・(40W×24時間)÷1000=0.96kWh(消費電力量)
・0.96kWh(消費電力量)×27円(電力量料金)=25.92円(24時間あたりの電気料金)

上記はあくまでも例ですが、蛍光灯をつけっぱなしにすると、1日あたり約26円、1ヶ月では約780円の電気代がかかります。より消費電力の大きい蛍光灯を複数本使っていると、1日だけでも数百円の電気代が発生します。電気代を少しでも抑えたい人は、電気のつけっぱなしを控えましょう。

②電源プラグをこまめに抜く

家電製品の電源プラグをコンセントに挿しっぱなしにしていることでも電気代がかかるため、電気代節約のためにはこまめに抜くことが大切です。とくに、以下の家電は待機電力を消費するため注意しなければなりません。

<注意すべき家電>
・テレビ
・エアコン
・ガス温水器
・電話機
・BD・DVDレコーダー

ただし、テレビやBD・DVDレコーダーの場合、視聴予約・録画予約などを設定している状態で電源プラグを抜くと、設定がオフになる可能性があります。電源が戻った際、再設定しなければならないので注意しましょう。

また、電源プラグを抜いたり挿したりするのが面倒な人は、スイッチ式の節電タップがおすすめです。節電タップは電源プラグを抜かず、スイッチで電力供給のオン・オフが切り替えられます。家電ごとに個別でオン・オフを切り替えられるタイプも販売されているため、こまめに節約したい人は利用してみてください。

③待機電力を削減する

待機電力とは、リモコンによる操作を待つ状態、時刻などの表示、起動時間の短縮などのために、その製品を使用していないときにも消費される電力です。家電製品は稼働していないときでも待機電力を消費しているものもあるので、電気代節約のために少しでも削減していきましょう。前述のとおり、待機電力を抑えるには各家電の電力供給を切る必要があります。

【家電製品ごとの待機電力と電気代の例】

家電の種類待機中の消費電力電気代(年間)
テレビ0.5W4.93円
エアコン0.8W7.88円
BD・DVDレコーダー4.9W48.29円
パソコン2.3W22.6円

出典:ENECHANGE株式会社

上記はあくまでも一例で、消費電力・電気代は家電のモデルによってそれぞれ異なります。また、テレビやBD・DVDレコーダーなどは、省エネ機能が搭載された機種も販売されています。これらを使うことで待機電力を抑えられるので、無駄な電気代を節約したい人は検討してみましょう。

④家電を清掃・メンテナンスする

家電を定期的に清掃・メンテナンスすることで、無駄な電気代を抑えられます。たとえば、エアコンや洗濯乾燥機などにあるフィルターの清掃・メンテナンスです。

フィルターが目詰まりを起こすと、家電が本来持つ能力を発揮できないほか、通常以上の出力で稼働してしまいます。これにより消費電力量が多くなり、その分電気代もかかります。ほかの家電においても、定期的に清掃・メンテナンスをおこない、無駄な電力を消費しないようにしましょう。

⑤LED製品、最新家電に買い替える

自宅内の家電をLED製品や最新家電に買い替えることで電気代は抑えられます。最新家電には省エネ機能が搭載されたものが多く、消費電力を抑える家電も増えてきました。

資源エネルギー庁の「省エネ性能カタログ2018冬」によると、テレビ(32型)は2010~2017年にかけて消費電力が約38%減少しています。LED製品においては、白熱電球と比較すると80%以上の消費電力が抑えられます。導入費はかかりますが、長い目で見ると節約になることも多くあるのです。ほかの家電においても消費電力は減少しているので、電気代が高いと感じている人は買い替えの時期かもしれません。

出典:経済産業省 資源エネルギー庁

⑥電力会社や料金プランを見直す

電力会社や料金プランを見直すことで、電気代を抑えられる可能性があります。電力の小売販売自由化によって、各電力会社は独自の料金プランを提供できるようになりました。あらためて見直すことで、今の契約会社・プランよりも電気代が安くなるかもしれません。

見直す際は以下のポイントを押さえておきましょう。

<電力会社・料金プランを見直す際のポイント>
・生活スタイルに合っているか確認
・契約アンペアは適切か確認
・複数社で料金を比較する

料金プランによっては、夜の時間帯だけ電気代が安くなるタイプもあります。複数の電力会社や料金プランを比較し、自分の生活スタイルに合わせることで、今後の電気代も抑えられるでしょう。

また、契約アンペア(電流量)は基本料金に直結します。一人暮らしの場合、20~30Aほどあればとくに問題ありません。

注意点として、賃貸物件の場合はオーナーや管理会社が電力会社を決めているケース(高圧一括受電契約)があります。この場合、自分で電力会社を変更できないので事前に確認しておいてください。

ガス代を抑える方法

続いて、ガス代を抑える方法を5つご紹介します。

①設定温度を低くする

お風呂やシャワーなどの設定温度を低くすることでガス代は抑えられます。お風呂・シャワーの給湯器は、設定温度を高くすればするほどより多くのエネルギーが必要になります。温度設定を下げて、エネルギーの無駄を省くことでガス代を抑えるようにしましょう。

<設定温度を低くする際のポイント>
・季節に応じて温度を変える
・用途に合わせて温度を変える

夏のシャワーはぬるめに、冬の浴槽は少し熱くするなど、季節に合わせて設定温度をこまめに変えることがポイントです。さらに、洗い物やお茶を飲むなど用途別に温度を調節して、余計にガスを使いすぎないことも大切です。

②ガスコンロの使用時間を短くする

ガス代を抑えるには、ガスコンロの使用時間を短くすることも大切です。

<使用時間を短くする際のポイント>
・電子レンジを活用する
・強火の時間を短くする

加熱調理が必要な場合、電子レンジを活用するのも1つの方法です。少量の食材を加熱するのであれば、より短時間で調理が済む場合もあります。

また、小さな鍋・フライパンなどで強火を使うと、鍋底から火が漏れてしまいます。無駄にガスを使ってしまうことになるため、強火は調節しながら使うことが大切です。

③湯船にためるお湯を減らす

湯船にためるお湯を減らすことで、短時間でお湯を沸かせるようになります。具体的にどのくらい節約できるのか、ガス代の計算式と一緒に見ていきましょう。

<ガス代の計算式>
ガス代=(上げる温度×お湯の量×熱効率)÷発熱量×従量単価

<湯船のお湯を沸かす条件>
・温度:20℃から40℃
・お湯の量:150ℓ or 250ℓ
・熱効率:90%
・発熱量:10,000kcal(1㎡あたり)
・従量単価:150円(1㎡あたり)

【お湯の量に応じたガス代の比較】

お湯の量ガス代(1回お湯を沸かす場合)
150ℓ40.5円
250ℓ67.5円

この条件の場合、お湯の量を50ℓ少なくすると、1回あたりのガス代が27円安くなります。従量単価によっても料金は大きく変化するので、現在契約しているプランを見ながら、自宅のガス代を計算してみてください。

④使い終わったらガスの運転を停止する

お湯を使い終わった際は、ガスの運転を停止して無駄使いを無くしましょう。給湯器は水が流れている間に稼働するため、水を出していない間は停止します。

しかし、お湯を使う予定がないときに蛇口をひねってお湯が出てきた場合、無駄に給湯器を使用してしまっているということになります。些細なことかもしれませんが、お湯を使う予定がないときは運転を停止して、無駄使いを防ぐことも大切です。

⑤ガス会社を見直す

ガス会社を見直して、生活スタイルに合ったプランを契約すると、毎月のガス代が抑えられるかもしれません。ガス会社は電気と同じように、会社によってそれぞれ料金プランが異なります。ただし賃貸物件の場合、プロパンガスからの変更は基本的にできないため、まずは今使っているガスの種類を確認してみましょう。

<ガス会社選びのポイント>
・料金が適正かどうか
・セットプランの有無

ガス料金はエリアによっても差があるので、適正価格かどうかは複数のガス会社を比較して確認することが大切です。さらに、ガス会社によっては電気やインターネットとのセット契約により、料金が割引されるところもあります。電気の見直しも検討している人は、セットプランの有無も事前に確認しておきましょう。

水道代を抑える方法

最後に、水道代を抑える方法を4つご紹介します。

①水を流しっぱなしにしない

キッチンや風呂場などにおいて、水の流しっぱなしはNGです。とくにキッチンの場合、洗い物をする際に水を流しっぱなしにしてしまうことがあるかもしれません。

水道料金はエリアによっても異なりますが、1ℓあたり約0.1~0.2円です。以下に、1分間流しっぱなしにした場合の水道料金の目安について解説します。

<条件別の水道料金目安(1分間あたり)>
・ちょろちょろと出す:0.3~0.6円
・蛇口をひとひねりする:0.6~1.2円
・蛇口を全開にする:2~4円

毎日のように流しっぱなしにしていると、数百円(1ヶ月あたり)程度の水道料金が余計にかかってしまうおそれがあります。無駄遣いにならないよう、使わないときはこまめに蛇口を閉めておきましょう。

②トイレの水洗「大」「小」を使い分ける

トイレの水洗「大」「小」を使い分けるだけでも水道料金は抑えられます。大・小では流れる水量が異なるため、使い分けることで水道代が変動します。

【トイレの大・小の水量と水道料金】

 
項目
水量約5ℓ約3.4ℓ
水道料金1円0.68円
1日あたりの水道料金3.04円

※水道料金は1ℓあたり0.2円
※1日あたりの水道料金は、大1回、小3回として計算

上記はあくまでも目安ですが、大と小では1回あたり0.32円の差があります。常に大を使い続けた場合、料金の差はより大きくなるため、水道料金を抑えたい人はなるべく小を使うようにしましょう。

③節水シャワーヘッドに替える

節水シャワーヘッドを使うことで、30~50%程度の水を節約できるといわれています。節水シャワーヘッドとは、水の出る穴を小さくし、水量を抑えつつも水圧を上げたシャワーヘッドのことです。水圧が上がることで、水量が少なくなっても従来とほとんど変わらない感覚でシャワーが浴びられます。

節水シャワーヘッドはメーカーやモデルごとに種類がさまざまで、節水能力にも差があります。最大80%節水できるタイプも販売されているため、気になる人はぜひチェックしてみてください。

④食洗器を使う

食洗器を使うと、無駄に水を出す心配がなくなります。手洗いの場合、水を出しっぱなしにしてしまう可能性があり、余計な水道代が発生するかもしれません。

しかし、食洗器であれば、必要な量の水を使って食器を自動で洗ってくれます。水を無駄にすることがなく、食器洗いの手間まで省けます。

食洗器は一人暮らし向けのコンパクトなタイプも販売されているため、節水を意識している人は検討してみましょう。

一人暮らしの光熱費は自分に合った方法で節約しよう

一人暮らしで光熱費を節約する際は、毎月の費用がどのくらい発生しているのかをチェックして、自分に合った節約方法を実践することが大切です。実際に節約をはじめる際は、光熱費が変動する要因についても知っておきましょう。

<光熱費が変動する要因>
・居住している地域
・契約している会社
・生活スタイル
・ガスの種類

電気代・ガス代・水道代、各種光熱費の節約方法を見直して、自分のできそうな方法から実践してみましょう。

ふどサーチ編集部