一人暮らしでの水道代の平均金額は?今すぐできる20の節約術も紹介!

水道の蛇口と電卓

生活費のなかで、水道・光熱費の割合は意外と大きいものです。とくに一人暮らしの場合はお金のやりくりを自分でしなければならず、水道代を節約したいと思っている方も多いのではないでしょうか。今回は、一人暮らしの水道代の平均額や、水道代が多くかかるお風呂・トイレ・キッチン・洗濯などの節約方法について解説していきますので、水道代を減らしたいと思っている方はぜひ参考にしてみてくださいね。

目次

一人暮らしでの水道代は「年平均26,064円」

まず、一人暮らしでの水道代について、以下の表にまとめてみました。季節ごと、わずかに費用が前後することがわかります。

【季節ごとの水道代の月平均(2020年度)】

上下水道料
1月~3月期2,076円
4月~6月期2,305円
7月~9月期2,071円
10月~12月期2,242円

※出典:e-Stat政府統計の総合窓口

1年間を通して、季節ごとにそれほどの差はありませんが、単身世帯がとくに水道を使用しているのは4月~6月で、その次は10月~12月という結果になりました。月の水道代の平均は2,172円であり、年平均では26,064円となっています。

検針票で3,500~4,000円の請求であれば適正金額

定期的に投函される水道の検針票ですが、あまりじっくり見たことがない人も多いのではないでしょうか。検針票には利用料金をはじめ、使用量や使用期間、口座振替予定日、次回検針予定日など多くの情報が載っています。

検針票の料金ですが、3,500~4,000円の請求であれば適正金額といえます。水道メーターの検針は2ヶ月に1回、2ヶ月分をまとめて請求されるため、一度に2ヶ月分の料金を支払うことになっています。請求額が3,500~4,000円なら月の使用料は1,750~2,000円となり、平均以下といえるでしょう。

水道代の算出方法

では、一人暮らしの水道代はどのように決まるのでしょうか。水道料金は水道事業体ごとでそれぞれ決められており、さらに水道代は「基本料金」「従量料金」「下水道料金」に分けられています。ここからはそれぞれの項目について、なんのための料金でどのような計算方法で算出するのかを解説します。

基本料金

基本料金とは、 使用水量の有無にかかわらず、水道メーターの口径に応じて負担する料金のことです。こちらはおもに、安全な水を多くの人に供給する体制を維持するために必要な費用をまかなうためのものです。具体的には、検針や料金収納にかかる費用やメーター設置費、水道施設の維持管理費などがありますが、日常生活のなかではあまり目にする機会がなく、なじみが薄い方も少なくありません。

また口径とは水道管の太さであり、排水管の水圧や排水器具の総数、吸水器具の所要水量から最大使用水量などを算出して決定されます。以前は13㎜の家庭が多かったのですが、家に蛇口がたくさんある現在は、口径20㎜が主流となっています。

東京23区の場合、下記のように料金が設定されているため、1つずつチェックしてみてください。

【基本料金(1ヶ月)】

メーター口径基本料金
13㎜860円
20㎜1,170円

※出典:東京都水道局

従量料金

従来料金とは、使用する水量に応じて負担する料金のことです。東京23区の場合、9段階の水量ランクに区分されていて、その水量ランクごと1㎥あたりの料金が設定されています。

東京23区の場合、具体的な料金は以下のとおりです。

【従来料金(1ヶ月)】

使用料メーター口径13㎜~25㎜の場合の料率
1㎥~5㎥0円
6㎥~10㎥1㎥につき22円
11㎥~20㎥1㎥につき128円
21㎥~30㎥1㎥につき163円
31㎥~50㎥1㎥につき202円
51㎥~100㎥1㎥につき213円
101㎥~200㎥1㎥につき298円
201㎥~1,000㎥1㎥につき372円
1,001㎥以上1㎥につき404円

※出典:東京都水道局

たとえばメーター口径20㎜で、1ヶ月25㎥利用したときの料金は下記のとおりです。

【1ヶ月25㎥の従量料金の計算】
・1㎥~5㎥までの分:5㎥×0円=0円
・6㎥~10㎥までの分:5㎥×22円=110円
・11㎥~20㎥までの分:10㎥×128=1,280円
・21㎥~25㎥までの分:5㎥×163円=815円
=合計:2,205円

下水道料金

下水道料金は、水道の使用水量を汚水排出量とみなして計算されます。これは水道料金と同時に徴収され、下水道のない地域では請求されません。

東京23区の場合、下記のように料金が設定されています。

【下水道料金(1ヶ月)】

使用料一般汚水の場合の料率
0㎥~8㎥560円
9㎥~20㎥1㎥につき110円
21㎥~30㎥1㎥につき140円
31㎥~50㎥1㎥につき170円
51㎥~100㎥1㎥につき200円
101㎥~200㎥1㎥につき230円
201㎥~500㎥1㎥につき270円
501㎥~1,000㎥1㎥につき310円
1,001㎥以上1㎥につき345円

※出典:東京都水道局

仮に1ヶ月25㎥利用した場合、下記のように計算できます。

【1ヶ月25㎥の下水道料金の計算】
・0㎥~8㎥までの分:560円
・9㎥~20㎥までの分:12㎥×110円=1,320円
・21㎥~25㎥までの分:5㎥×140円=700円
=合計:2,580円

一人暮らしで水を多く使うのはどこ?

東京都水道局による調査によると、家庭での水の使用割合は下記のとおりです。

【家庭での水の使われ方】

使用箇所・目的割合
風呂40%
トイレ21%
炊事18%
洗濯15%
洗面・そのほか6%

※出典:東京都水道局

ここからはお風呂やトイレ、キッチンや洗濯、洗面・そのほかと水の使用割合が多い順に、各節約術について解説していきます。

一人暮らしでの水道代の節約術【お風呂】

まずは、お風呂での水道代節約術を5つご紹介します。

①シャワーをこまめに止める

シャワーをこまめに止めることは節約につながります。頭や身体を洗うときなどに、シャワーのお湯を流しっぱなしの人も多いのではないでしょうか。

しかし、シャワーを1分間使用し続けると約12Lのお湯が流れます。資源エネルギー庁のデータによると、45℃のお湯を流す時間を1分短縮した場合、年間で水道代約1,140円の節約(4.38㎥の節水)になるとのことです。お湯を出す時間が減ればガス代の節約にもつながるので、頭や身体を洗っているときなど、シャワーを流す必要がない場面はこまめに水を止めるようにしましょう。

②節水シャワーヘッドを使う

節水シャワーヘッドとは、その名のとおりシャワー使用時の水道使用量を節約できるシャワーヘッドのことです。シャワーヘッドの穴を小さくしたり、穴の数を減らしたりといった仕組みで水の使用量の削減に貢献します。

今使っているシャワーヘッドを節水シャワーヘッドに変えれば、自然と水やお湯の使用量を減らすことが可能です。性能は商品によって異なりますが、30~50%ほどの節約が期待できます。

ただし、あまり節水効果にこだわりすぎると水量が少なく使用感が得られない場合もあるため注意が必要です。節水量や水圧などは製品によって異なりますので、十分に比較してから購入しましょう。

③入浴する回数を減らす

お風呂に入らなければ水を使う必要がないため、入浴する回数を減らすという方法も効果的です。

もちろん、毎日湯船につかってリラックスしたいと考えている方も少なくないでしょう。そのため、朝シャワーを浴びて、夜は湯船につかるなど、入浴の頻度が高い生活をしている人は入浴回数を見直してみるのもよいかもしれません。

入浴は1日に1回ほどで留めるよう、生活習慣を変えるる方法もおすすめです。

④湯船にお湯をためる頻度を減らす

湯船にお湯をためるには、1回で約200Lの水が必要です。水道代は「1L=約0.24円」のため、200Lでは約48円かかります。30日間毎日湯船にお湯をためると1,440円、1年間だと17,520円必要です。

湯船につかる回数を2日に1回ほどに減らせば、そのぶん水道代を節約することが可能です。ただしシャワーの使用時間の長さによっては、湯船にお湯をためるより節水にならないケースもあるため注意しましょう。

先ほども軽く触れましたが、1分間シャワーを流しっぱなしにすると、約12Lの水を使います。つまり15分間使い続けると180L、20分間で240L使うことになるのです。

湯船の水量が200Lのため、20分間シャワーを使うことで湯船にためるのと同じくらいの水道代となってしまうおそれがあります。シャワーで済ますなら、あまり時間をかけすぎないようにしましょう。また、入浴するためだけにお湯をためて、そのまま捨ててしまうのももったいないので、洗濯などで水を再利用することも検討してみてください。

⑤湯船にためるお湯の量を少なくする

いつもは200Lのお湯をためているところを160Lまで減らせば40Lの節水が可能です。自動お湯張り機能がついているお風呂の場合は、「湯量」や「水位」の設定を確認し、無理のない範囲で少なめに設定し直してみましょう。

一人暮らしでの水道代の節約術【トイレ】

次にトイレでの水道代節約術を2つご紹介します。

①大小を使い分ける

トイレのレバーには「大」と「小」がありますが、1回あたりで流す水量は最大2Lも違います。1Lにかかる水道代が約0.24円のため、レバーの大小を使い分けることで約0.48円節約することが可能です。1回あたりの料金は大したことありませんが、トイレを使用するたびに毎回「大」を使い続けていたら出費がかさんでしまうおそれがあります。

水道の使用頻度は気をつけていたけど、トイレのレバーは今まで気にしていなかったという方も多いのではないでしょうか。あまり気をつけていなかったという方は十分に意識して、大小の使い分けをしていきましょう。

②温水便座の利用頻度を減らす

洗浄機能がついている温水便座の場合、利用するたびに水道代がかかることになるので、節水のためにも温水洗浄便座の利用頻度を減らすことも節約方法の1つです。利用を控えることで、水道代を減らすとともに電気代の節約にもつながります。

一人暮らしでの水道代の節約術【キッチン】

続いて、キッチンでの節約術を6つご紹介します。

①食洗器を利用する

食洗器は少ない水を循環させて食器を洗うため、手洗いと比較して節水効果が期待できます。経済産業省の調査では、手洗いの場合、年間の水道使用量が47.45㎥となりますが、食洗器の場合は年間の水道使用量が10.80㎥になるといった結果もあり、1年間で34.2㎥もの差となっています。

食器洗いは手間がかかるうえに、洗剤で手が荒れることも少なくありません。面倒な食器洗いの手間から解放されるうえに節水効果もある食洗器は、おすすめの節約術といえます。

②汚れの少ないものから洗う

汚れの少ないものから洗うのも節水に効果的です。まずはコップやグラスなど、汚れが少なく割れやすいものを先に洗うようにしましょう。お皿を洗う際は油汚れがないお皿から先に洗い、そのあとで油汚れのついたお皿を洗います。

食器洗いの基本は、汚れを広げないことです。洗う工程では、汚れの少ない順から洗うことにより落ちにくい汚れをほかの食器へ広げてしまうのを防ぐことができます。同様の理由で、洗い場に置くまでの工程で食器を重ねるのもやめておきましょう。

汚れをふき取ってから洗う

べっとりとお皿についた油汚れはペーパーでふき取ってから洗うようにしましょう。面倒ではありますが、慣れればそれほど手間ではないはずです。落ちにくい油汚れのついた食器も洗いやすくなります。

また、ご飯粒がついているお茶碗は、ご飯粒が固くなる前に水につけておきましょう。

お皿の汚れについて意識し、ひと手間はさむことで、食器洗いで使う労力や汚れを洗い流す水の量が少なくなります。

③スポンジで洗ってから最後にまとめて流す

食器を洗うときに水を流したままだと余計な水道代がかかります。前述のとおり、1分間水道を流しっぱなしにした場合12Lほど水が流れてしまいます。まずはスポンジで食器を洗い、最後にまとめて水で流すように意識してみてください。

④お湯になるまでに出てくる水をほかの用途に活用する

寒い季節に食器洗いをする際、蛇口からお湯を出したいと思っても、水がお湯になるまで少し時間がかかります。このとき、単に水を出しっぱなしにするのは水の無駄遣いです。たとえば、キッチンまわりの掃除に使ったり植物の水やりに使ったりするなど、出てくる水を有効に活用するようにしましょう。

⑤下ゆでに電子レンジを使う

野菜などを下ゆでするときはお鍋に水を入れてコンロにかける必要があり、水をたくさん使用します。そのため、野菜の下ゆでには電子レンジを使用するようにしましょう。

下ゆでの代わりに電子レンジを使用すれば短時間で火がとおります。水道代を抑えることができるうえに、ガス代の節約にもなります。

一人暮らしでの水道代の節約術【洗濯】

次に、洗濯での節約術を3つご紹介していきます。

①お風呂の残り湯を再利用する

洗濯にお風呂の残り湯を再利用することで、水道代の節約につながります。水の量は洗濯機の種類や洗濯物の量で異なりますが、たとえば1日1回の洗濯で90Lの水を使う場合、1回あたり約21.6円の水道代が必要となります。。毎日洗濯をおこなうと仮定すると、お風呂の残り湯を利用することで、年間7,884円もの節約ができます。

お風呂のお湯を再利用することに抵抗がある方もいるかもしれませんが、お風呂の水に残った皮脂や汗は水溶性の汚れであり、水に溶けて流れるため残り湯で洗濯してもきれいに仕上がります。また、残り湯を使うのは「洗い」だけにして、水道水で「すすぎ」をおこなえば雑菌やにおいが残る心配もありません。

②まとめ洗いをする

一人暮らしの場合、1日の洗濯物が少ない人も多いのではないでしょうか。少量の洗濯物ならば、毎日洗わずにまとめ洗いをするのがおすすめです。可能であれば、洗濯機に衣類が8割たまるくらいまで待ってから洗うようにしましょう。

少量の場合、手間ではありますが洗面器にお湯を張り洗濯板を使って手洗いする方法もあります。こちらは洗濯機を使わないため、電気代も浮いてお得です。ただし時間の節約にはなりませんので、無理のない範囲でおこないましょう。

③水の量を調節する

多くの全自動洗濯機には自動水量調節がついていますが、自分で水量を決めることも可能です。水の量を少なく設定することで、水道代の節約につながります。ただし、水量が少なすぎると十分に洗えなかったり、洗濯物同士の摩擦で衣類が傷んでしまったりする場合もあるので注意が必要です。

一人暮らしでの水道代の節約術【洗面所・そのほか】

最後に、洗面所・そのほかでの節約術を4つご紹介します。

①水を出しっぱなしにしない

歯磨きしているときなど無意識に水を出しっぱなしにしている方もいるかもしれませんが、もったいないので注意してください。水道代の節約のほか、大事な資源を守ることにもつながります。

②節水コマを利用する

蛇口には「コマ」という部品がついており、水道の配管のなかで水の流れを止める役割をもっています。蛇口のハンドルをまわすことによりコマが開き、止まっていた水の流れが解放されて水が出る仕組みです。

節水コマとは水の流出水量を調節して節水ができるコマのことで、通常のコマより流水量を少なくして、水の使用量を減らします。蛇口の角度によって異なるものの、最大で50%の節水効果が得られます。また、スパナなどの工具があれば、自分でも簡単に取り替えられる点がメリットです。

水道局で無料配布されていることもあるので、気になる方は住んでいる地域の水道局に連絡を入れてみましょう。なお、ホームセンターなどでも100円くらいで購入できます。

③節水泡沫器を利用する

節水泡沫器とは、蛇口の先端に取り付けて水に空気を混入させる部品のことです。吐水が泡沫状になり、水撥ねを抑えるとともに節水効果も期待できます。

取り付けることで必然的に使用する水量が減るため、長期的な節水も可能です。取り付けも簡単で、単純に蛇口にねじこむだけであり、苦労することもほとんどありません。水が泡沫になるので洗い物のすすぎがしやすく、500円前後で買うことができます。

④口座振替で支払う

水道料金の支払いには、口座振替割引という制度があるので、現金払いではなく口座振替をおすすめします。たとえば東京都水道局の場合、口座振替で支払うことで請求額から月50円の割引となり、年間で600円ほど節約できます。

また、自動的に口座から引き落とされるため、支払い忘れがないというメリットも大きいです。ただし、口座振替の手続きには1~2ヶ月ほどかかる場合があり、その間は払込用紙による現金払いとなるため注意しましょう。

水道代の節約術を身につけて、一人暮らしの固定費を削減しよう

一人暮らしの場合でも、水道代は月2,000~2,500円ほどかかります。水は日常生活のなかでたくさん使用するものであり、出費がかさんでしまうケースもありますが、生活習慣を変えるだけで節約できることも少なくありません。

一人暮らしにおける水道代の節約ポイントは以下のとおりです。

・お風呂は1日1回を基本にし、シャワーを長い間浴び続けない
・トイレのレバーの大小を使い分ける
・食器を洗う際は汚れをふき取ってから洗ったり、汚れの少ないものから洗ったりするなど、洗い方を工夫する
・洗濯はお風呂の残り湯を使い、まとめ洗いをする
・水を出しっぱなしにしない
・節水コマや節水泡沫器など節水グッズを有効活用する

家計にとって大きな割合を占める水道代をできる限り節約して、月々の固定費の削減を目指しましょう。

ふどサーチ編集部