線路沿いの家を選ぶメリット・デメリットを詳しく解説!失敗しないための選び方も解説

線路を電車が走っている様子

線路沿いの家は、電車の騒音がうるさいというイメージがあるかもしれません。
しかし、選び方さえ間違えなければ駅から近く生活しやすい住宅や賃貸物件を見つけることができます。

もちろん、線路沿いならではのデメリットはあるものの、選び方のポイントを押さえたり防音対策などをしたりすることで、そのデメリットを回避することも可能です。

今回は、線路沿いの家を選ぶメリット・デメリット、失敗しない選び方を紹介していきますので、新しい住まいを探そうと考えている方は参考にしてみてください。

線路沿いの家を選ぶメリット

まずは、線路沿いの家を選ぶメリットをご紹介します。

駅から近い

線路沿いの賃貸物件には駅から近いというメリットがあります。

住宅街は駅から離れた地域に多く、住宅街にある賃貸物件を選ぶと駅からどうしても遠くなってしまうため、バスなどの公共交通機関を経由するほか、自転車を利用して最寄り駅まで行く方も少なくありません。

しかし線路沿いの住宅や賃貸物件であれば駅に近いため、電車を利用する機会が多い方にとっては大きなメリットになり得ます。

とくに雨の日などは、駅までの移動距離が短いことのありがたみを実感できるほか、駅周辺は人通りも多く、防犯面で安心できることもメリットです。

物件価格が安い

線路沿いの物件は「うるさい」というイメージで敬遠する人も多いため、物件価格が低めに設定されていることが多い点もメリットです。

駅近の賃貸物件は利便性が高く需要があるため、駅から離れている物件より相場が高くなりますが、線路沿いは需要が少ないため家賃も安く設定されやすいです。

住みたい地域の物件価格が高い場合、線路沿いであれば予算に叶った住まいが見つかるかもしれません。

希望する条件の物件が見つかりやすい

線路沿いの物件は競争率が低いので、希望条件にあう物件が見つかりやすいのもことがあります。

人気の立地では競争率が高く、理想に合う条件の物件を見つけたとしても、申し込みのタイミングによっては先に他の人の契約が決まってしまっていることがあります。
しかし競争率が低い立地であれば、物件は埋まりにくい傾向にあります。

賃貸物件に希望する条件は人によって異なりますが、「日当たりの良さ」や「駅近」など多くの人が選ぶ人気条件もあるため、希望条件にあう賃貸物件が見つからないときは、線路沿いの物件も選択肢として検討するのもひとつの手です。

日当たりが良い

線路沿い物件は、線路分の間隔が空くことから日当たりの良い物件が多くあります。また、線路があるところは周辺の建築物の数も少ないため、日照時間が長くなり日当たりが良くなるのです。

ただしこのメリットに関しては、建物に対して線路が北側ではないこと、線路側に窓があることなどの条件に当てはまっている必要があります。
もし線路側が壁だったり北側だったりすると、理想とする日当たりは得られないかもしれないので内見の際に確認しましょう。

線路沿いの家のデメリット

線路沿いの家には、メリットがある反面デメリットがあるのも事実です。

どのようなデメリットがあるのか理解しておかないと、入居してから後悔することになるかもしれないので、しっかりと確認しておきましょう。

騒音や振動が気になるかもしれない

沿線や立地にもよるので物件ごとに違いはあるものの、線路沿いの家は騒音や振動が気になる可能性があります。

都市部であれば夜遅い時間まで電車が動いているほか、深夜でも保線作業で騒音が響く可能性があるので、騒音や振動があると落ちついて生活ができないという方はとくに注意してください。

線路沿いであっても静かな環境を望む場合は、沿線の運行本数や始発・終電の時間を確認しましょう。また、保線作業の頻度や夜間の貨物輸送などがないかなどの細かいスケジュールは、運営会社に確認しておくと安心です。

鉄粉や塵が飛んでくることもある

電車が通ると鉄粉や塵が飛んでくることがあり、洗濯物を外で干しにくいというデメリットに悩むかもしれません。
洗濯物を外干しにしなくても、電車の通過時に舞い上がった塵や土埃がベランダ部分に蓄積することもあります。

鉄粉や塵で汚れた洗濯物は再度洗わなければならず、余計な手間がかかるため、電車が通る頻度が高い場合は洗濯物を部屋干しにしましょう。可能であれば、乾燥機付きの洗濯機に買い替えるのもおすすめです。

また、舞い上がった塵やホコリは部屋に入ってくることもあるので、気管支が弱い方や喘息の持病がある方は注意してください。

電車から家の中が見える可能性がある

電車の窓と同じ高さの部屋は、電車から家の中を見られてしまう可能性があります。

特に、各駅停車の電車などはそれほど速度も出ないので、カーテンを開けていると窓から部屋の中が丸見えになってしまうことがあります。運行時間中はなるべくカーテンを閉めておく必要があります。

ただし車窓より高い位置にある階であれば、電車から家の中が見えてしまう可能性を気にせずに暮らすことができます。気に入った物件が見つかった際には、部屋の窓が車窓より高い位置にあるのかを確認してください。

踏切渋滞が発生しやすい

踏切が近い物件の場合、踏切渋滞のリスクを考えておく必要があります。

運行数が多い路線の場合、踏切の開閉スパンが短かったり、踏切が上がっている時間が短かったりするせいで渋滞が起こりやすいため、通勤・通学で車を使っている方は渋滞を考慮して移動時間を計算しなければなりません。

交通手段が徒歩や自転車であれば渋滞していても影響はありませんが、「開かずの踏切」が経路上にあると、踏切待ちで時間を取られてしまいます。物件の近くに踏切がある場合には、事前に交通量や開閉間隔などをチェックしておきましょう。

子どもやペットが線路に入らないように気を配る必要がある

ファミリー世帯、あるいはペットを飼う予定がある方は、子どもやペットが線路に入らないように気を配る必要があります。

都心の路線であれば、ほとんどの線路が侵入できないように柵を設置していますが、郊外の路線の場合、場所によっては柵が設置されていないところもあります。目を離した隙に、小さな子どもやペットが線路内に入ってしまう可能性があり、注意が必要です。

子どもやペットが線路内に侵入したという事例は少ないものの、物件を内見する際には柵がある線路かどうかも確認してください。

線路沿いの家を選ぶ際に意識したいポイント

線路沿いの家のデメリットを見てしまうと、いくらメリットがあるとしても契約に不安を覚えてしまうかもしれません。線路沿いの賃貸物件でも不安なく暮らせるよう、ここからは線路沿いの家を選ぶ際に意識したいポイントを5つ紹介していきます。

二重サッシになっている物件を選ぶ

線路沿いの賃貸物件を選ぶ際には、二重サッシになっているかをチェックしましょう。

二重サッシは一重サッシよりも防音性能が高く、外の気になる騒音を防ぐ効果があります。

二重サッシの物件であれば、電車の通過本数や線路から部屋までの距離によってはほとんど騒音が気にならないこともあるので、デメリットのひとつである「騒音」のリスクを回避できます。

鉄筋コンクリート造の物件を選ぶ

騒音は二重サッシで防げますが、線路沿い物件の場合は電車が通過する際の振動がうるさいというデメリットもあるので、鉄筋コンクリート造の物件を選びましょう。

木造や鉄骨造は音や振動が伝わりやすい構造になっており、電車が走る線路沿いは振動がダイレクトに伝わってしまいます。

鉄筋コンクリート造は、木造や鉄骨造よりも振動の影響を受けにくいので、電車による振動もそれほど気になりません。また、コンクリートは音を遮断する性質があるので防音効果も期待できます。

始発・終電の時間、電車の本数を確認する

気になる物件が見つかったら、始発・終電の時間と電車の本数を確認しましょう。

一般的に、電車はそれぞれの路線によって始発・終電の時間、電車の本数が異なります。始発時間が早く終電時間が遅ければ睡眠に支障をきたすおそれがあり、本数が多いと気になって生活しにくいかもしれません。

始発・終電の時間や電車の本数は鉄道会社のホームページの時刻表で確認できるので、事前にチェックしておきましょう。

防音カーテンなどで騒音対策をする

鉄筋コンクリート造で二重サッシの設備が整っていても、完全に騒音を防げるとは限らないので、どうしても騒音が気になる方は線路側が壁になっている物件を選びましょう。

ただし、線路沿いの物件は道路側や線路側にベランダや窓を設置している間取りになっていることが多く、線路側が壁になっている物件が見つかりづらいかもしれません。

もしそのような物件が見つからない場合は、防音カーテンなどの防音グッズを使って、騒音を防ぐようにしましょう。

家具を線路側に配置する

前述のとおり、線路側が壁になっている物件であれば騒音を防ぐ効果に期待できます。

しかし、在宅ワーク等家で作業することが多い方は、それだけでは防音対策として不安に思うかもしれません。

線路側の壁に本棚やタンスなど背の高い家具を設置すると、騒音や振動を遮ってくれるため、より防音効果がアップします。なるべく防音効果を高めたい方は家具の配置も工夫してみてください。

線路沿いの家は騒音・振動で悩まされる場合があるので慎重に選ぼう

線路沿いの家は、駅から近い・物件価格が低いなど魅力的なメリットがある反面、騒音や振動で悩まされる可能性もゼロではありません。

家は毎日生活をする場所であり、リラックスしたい場所でもあります。理想に叶う物件であっても生活に支障が出る、リラックスできないなどの問題が発生すると、住み続けることが苦痛になる場合もあります。

線路沿いの家を検討する場合は今回ご紹介したポイントを参考にして、メリット・デメリットを理解したうえで自分に合った住まいを見つけてください。

ふどサーチ編集部