家具家電付き賃貸物件のデメリットは?おすすめの人やメリットも徹底解説!

家具家電付き賃貸物件の内装の様子

単身赴任や大学生活など、初めからある程度住む期間が決まっている場合に悩むのが、家具家電の購入です。たとえ家具家電を購入しても、家族のもとに戻る際には不要となることも多く、処分する必要があります。そういった場合、家具家電付き賃貸物件を選ぶことがひとつの方法としてあります。しかし、家具家電付き賃貸物件に住んだことがない人にとっては、どのようなメリット・デメリットがあるかを知ってから入居したいですよね。

そこで今回は、家具家電付き賃貸物件のメリット・デメリットを紹介しながら、どんな人におすすめかについても解説します。

家具家電付き賃貸物件とは

家具家電付きの賃貸物件とは、生活に必要な家具家電があらかじめ備わっている物件のことです。備わっている家具家電は物件によって異なりますが、一般的には以下のような家具家電が揃っています。

・テーブル
・イス
・ソファー
・ベッド
・カーテン
・照明
・テレビ
・洗濯機
・冷蔵庫
・電子レンジ
・エアコン

家具家電付き賃貸物件は、単身者用のワンルームや1Kに多く見られます。学年によってキャンパスが変わったり、卒業後に実家に戻ったりする予定の学生や、単身赴任や転勤が多い社会人に向いています。入居したその日から日常生活を送れるため、引越しまでの準備期間が短い人にもおすすめです。

ただし家具家電付き賃貸物件は、同じ条件の立地や間取りでも、家賃相場が2〜3割ほど高めに設定されている傾向があります。また、契約形態は一般的な賃貸物件と変わらないため、敷金や礼金などの初期費用は必要です。

家具家電付き賃貸物件のデメリット

すぐに新生活が始められる家具家電付き賃貸物件には、以下6つの点に注意が必要です。

1.通常の賃貸物件よりも料金設定が高い
2.自分好みのインテリアで揃えることができない
3.不要な家具や家電がある場合がある
4.中古家電の場合が多い
5.インターネット回線が選べない場合も多い
6.故障した際の責任問題がやや複雑である

詳細の解説もしていくので、契約する前にポイントを確認しておきましょう。

①通常の賃貸物件よりも家賃の料金設定が高い

先述のとおり、家具家電が揃っているぶん、通常の賃貸物件よりも家賃が高めに設定されがちです。家賃相場はおよそ2〜3割ほど高く、たとえば家賃6万円で借りられるような物件の場合、同じような広さ・条件で家具家電付き賃貸物件なら7〜8万円ほどかかります。

②自分好みのインテリアで揃えることができない

家具家電付き賃貸物件は、すでに必要なものが揃っている状態のため、自分好みのインテリアにしたいと考えている方には向きません。シンプルな白で統一したいのにシックな黒で揃えられていたり、家具家電に全体的な統一感がなくちぐはぐに感じる場合もあったりします。部屋に統一感を出したい人やインテリアにこだわりがある人には、家具家電付き賃貸物件は不向きといえます。

また、設置されている家具家電のサイズが生活に合わないことも少なくありません。冷蔵庫が小さかったり、テレビが小さくて見にくかったりすると日々のストレスになるため、家具家電のサイズは契約前に確認が必要です。

③不要な家具や家電がある場合がある

使い勝手が悪い、そもそも使わない家具家電がある場合もめずらしくありません。テーブルが小さかったり、テレビが必要なかったりと、不要な家具家電は部屋のスペースを取ってしまいます。

不要な家具家電がある場合は、大家さんや管理会社に撤去してもらえるか相談するのがベターですが、なかには保管料を支払う必要があったり拒否されたりする可能性もあり、その場合は自分の部屋で保管しなければなりません。不要な家具家電が出た場合の対応方法なども事前に確認するようにしましょう。

中古家電の場合が多い

賃貸物件に用意されている家具家電は、退去者が出るたびに交換するものではなく、以前の入居者が使っていた中古家具・家電を使用するケースが一般的です。そのため、カーテンやエアコンからたばこのにおいがしたり、洗濯機がカビ臭かったりする場合もあります。

また、家具家電そのものに不備はなくとも、中古では気持ち的な問題で使いたくないと思う方もいるかもしれません。人が使用したものに抵抗がある人には、家具家電付き賃貸物件は向いていないため注意しましょう。

インターネット回線が選べない場合も多い

インターネットが完備された家具家電付き賃貸物件は、自分で回線を選べないため、回線にこだわりがある人であれば注意が必要です。回線が遅い賃貸物件の場合、ゲームや動画視聴が趣味の人は大きなストレスを抱える可能性があります。その場合、快適なインターネット環境のために、自分でポケットWi-Fiなどを別途契約する必要があるかもしれません。

故障した際の責任問題がやや複雑である

契約書で家具家電が「付帯設備」となっている場合、故意で壊したもの以外については、もし故障があっても費用の負担先が大家さんとなります。しかし、「設備外」や「貸与」とされている場合、入居者が修理や交換費用を支払う必要があるため注意が必要です。家具家電付き賃貸物件は、物件ごとに責任の所在が異なることもあり複雑なため、契約前に確認をしてトラブルを避けましょう。

なお、前の住人が残した家具家電(残置物)が故障した場合にも、大家さんに頼ることはできません。必要な場合は自分で購入しなければいけないため、残置物の扱いについても十分注意しましょう。

デメリットだけではない!家具家電付き賃貸物件のメリット

ここまで6つの注意点について説明しましたが、家具家電付き賃貸物件には以下のようなメリットがあります。

1.家具家電を購入する手間が省ける
2.引越し代が浮く
3.家具家電を処分する費用が浮く

ひとつずつ見ていきましょう。

家具家電を購入する手間が省ける

進学や就職で初めて一人暮らしをする場合、家具家電を購入する費用や手間が抑えられます。通常、家具家電を揃える場合はまとまった金額が必要です。

また、自分で家具家電を揃える場合、新生活に向けたさまざまな準備で忙しい合間に、家電量販店を訪れたりインターネットで購入したりしなければなりません。引越しに合わせて搬入・搬出のスケジュールを組む必要もあり、場合によっては引越し当日に必要な家具家電が届かないこともあります。

一方、家具家電付き賃貸物件はこれらの手間が必要ないため、入居までの準備期間が短くてもすぐに生活が始められる点がメリットです。

引越し代が浮く

家具家電を一式運ぼうとすると、トラックや人員が必要となるため引越し代がかかります。特に、2〜4月は引越しの繁忙期でもあり、通常より高い費用がかかることもめずらしくありません。

家具家電付き賃貸物件であれば、必要最低限の荷物を運ぶだけで済み、引越し費用が抑えられます。自分の身の回りにある荷物だけなら、引越し業者に頼んでも最小限の金額で抑えられるほか、引越し先によっては自分で荷物を運ぶこともできます。引越し代が浮けば、そのぶんを日々の生活費に回すことも可能です。

家具家電を処分する費用も浮く

家具や家電をたくさん持っている場合、退去で不要となった家具や家電の取り扱いに困るかもしれません。家具は粗大ごみとして出すための手間がかかるほか、リサイクル券の購入も必要です。また、退去日に合わせてスケジュールを調整しなければならず、日程が合わなければ処分できない場合もあります。

しかし家具家電付き賃貸物件の場合、処分の必要がないため費用もかからず、さらに段取りを組む手間も不要です。忙しい社会人の方も、余計な時間を取られることなくスムーズな退去が可能です。

家具家電付き賃貸物件がおすすめの人

家具家電付きの賃貸物件には、魅力的なメリットがある一方、押さえておくべきデメリットがあります。これらを踏まえて、家具家電付き賃貸物件がおすすめなのは次のような人です。

・初期費用を抑えたい人
・家具家電などインテリアにこだわりがない人
・家具家電を購入する手間を省きたい人
・住む期間が短い、または決まっている人

家具家電付き賃貸物件は、生活に必要なものが一通り揃っているため、自分で家具家電を購入する必要がありません。引越し費用も、場合によっては引越し業者を利用せずに自分で運べるため、引越しにかかる初期費用を抑えたい人におすすめです。

一方、すでに用意されている家具家電は自分の好きなメーカーではなく、機能面で満足できないこともありえます。インテリアも同様で、カーテンや壁紙など、あまり好みのものではないかもしれません。しかし、インテリアに対して特にこだわりがない人にとっては、「初めから家具家電が揃っていて便利な部屋」であるため、家具家電付き賃貸物件でも問題ありません。

また、家具家電は購入費用がかかるほか、搬入までの日程調整に手間もかかります。単身赴任が決まり、新たに家具家電を購入しようと考えても、短い期間しか使わないなら購入に躊躇してしまいますよね。

そんなとき家具家電付き賃貸物件であれば、購入にかかる費用や手間を省けるため、家具家電の準備についてさほど悩まずに済みます。余計な労力をかけず、新しい生活を始めることができるのです。ただし、事情が変わり長い期間住むことになれば、家具家電付き賃貸物件は割高になることもあるので注意しなければなりません。

家具家電付き賃貸物件への引越し流れ・手順

ここからは、家具家電付き賃貸物件への入居が決まった場合の引越しの流れについて解説していきます。

①引越し業者への依頼
引越し業者へ依頼する際には家具家電がないため、比較的コンパクトなプランの利用で済む場合があります。単身赴任や学生向けに単身プランなどを用意している引越し業者もあるため、チェックしてみましょう。
また、引越し先までの距離によっては自分の車で引越すことも可能です。ただし、荷物の量が多い場合、軽トラックの手配が必要になるかもしれないのであらかじめ確認しておきましょう。

②荷造り
引越し日が決まったら荷造りを始めましょう。荷造りに必要な段ボールなどを用意し、引越し日までに間に合うよう梱包作業を進めていきます。また緩衝材を購入しておけば、扱いにくい割れ物なども安全に運べます。

③電気・ガスなどの契約手続き
電気・ガス・水道のほか、必要であればインターネット回線の契約手続きを行います。もし忘れてしまうと、引越し後に各種ライフラインが使えないため注意してください。
また、契約の手続きはインターネットから行えますが、ガスの開栓には立ち会いが必要です。新生活がスタートする4月は混雑するため、早めに予約をしましょう。

④転居届・転出届の提出
引越しの準備だけでなく、転居届または転出届を最寄りの役所に提出しましょう。同じ市町村区内に引越す場合には「転居届」、異なる市町村区への引越しは「転出届」の手続きをします。また、異なる市町村区への引越しの場合は、引越し先で「転入届」を提出する必要もあるため注意してください。
家具家電付き賃貸物件への引越しは、家具家電の購入や、搬入・搬出の手間がかからないため、入居までの準備工程が通常の引越しよりも少なくて済みます。余裕を持って作業できるぶん、各種手続きを忘れてしまうこともあるので、油断せず早めに済ませておくようにしましょう。

家具家電のレンタルサービスを活用するのもひとつの手

単身赴任などで短期間だけ住むことが決まっている場合は、家具家電付き賃貸物件の他に、家具家電をレンタルする方法もあります。卒業後は実家に戻る予定があったり、単身赴任でいずれ家族のもとに帰ったりする場合は、新しく家具家電を購入しても不要になるケースがほとんどです。さらに、家具家電付き賃貸物件は家賃が高い傾向にあるため収入とのバランスが取りにくく、生活が圧迫されることも少なくありません。

家具家電をレンタルすれば、賃貸物件の幅が広がり、家賃の予算上限内で希望の部屋が見つかる可能性があります。また、自分で好きなデザインの家具家電を選べるので、部屋のインテリアにこだわりがある人にもおすすめです。必要な家具家電だけを揃えられるため、余計なストレスを抱えることなく暮らせます。

レンタルサービスの中には、冷蔵庫、電子レンジ、テレビなどがセットになったものもあります。希望するエリアに家具家電付き賃貸物件が少ない場合や、家具家電付き賃貸物件では家賃が予算外の場合、家具家電のレンタルサービスを利用することも検討してみましょう。

家具家電付き賃貸物件は魅力的なメリットがたくさん!

家具家電付き賃貸物件は、引越しにかかる初期費用や手間が抑えられ、さらに家具家電の処分も必要なく、入居と退去がスムーズにできます。そのため住む期間が決まっており、退去後に家具家電が不要な人におすすめです。

家具家電付き賃貸物件は魅力的なメリットが多いぶん、注意しなければならないデメリットもあります。入居後に後悔しないよう、今回ご紹介したポイントを踏まえながら理想の住まいを見つけてみてください。

ふどサーチ編集部