「ガーデニングを楽しみたいけど賃貸物件だから難しい」と、趣味のガーデニングを諦めている人も多いのではないでしょうか。しかし、決められたルールを正しく守っていれば、賃貸マンション・アパートでもガーデニングを楽しむことが可能です。今回は、賃貸物件でのベランダガーデニングの注意点や、賃貸物件でのガーデニング初心者におすすめの植物などを紹介していきますので、賃貸物件でガーデニングに挑戦してみたい人はぜひ参考にしてください。
目次
賃貸物件でガーデニングを始める前に「規約」を確認しよう
それぞれの部屋についているベランダは、入居者の専有部分ではなくマンション全体の共用部分なので、まずは賃貸物件の規約をチェックしましょう。賃貸物件によってそれぞれ異なりますが、いくつか禁止事項が定められているケースがあります。また、ベランダは地震や火災などの緊急事態に避難経路として使われるため、十分なスペースを空けておく必要があり、プランターや鉢植えなどを置くことを禁止している賃貸物件も少なくありません。
契約書に「土を使ったプランター・植木鉢の設置を禁じる」などの記載がされていると、思い通りのガーデニングを楽しむことができません。ベランダガーデニングを始める前に、住んでいるアパート・マンションにはどのような規約が定められているか確認しておきましょう。
賃貸物件でガーデニングをする際に注意すべきこと
賃貸物件でベランダガーデニングをする際は、以下の3つの点に気をつけなければいけません。
・大きい植物を置くことを避ける
・土や落ち葉をこまめに掃除する
・共用部分を使用しないようにする
これらを無視してしまうと大家さんや他の入居者とのトラブルに発展してしまう可能性があるため、必ず守るようにしましょう。
大きい植物を置くことを避ける
前述のとおり、共用部分であるベランダやバルコニーは緊急時に避難経路として使われます。大きい植物が置かれていると避難経路として十分に機能せず、もしものときに危険な事態に巻き込まれてしまうかもしれません。
仮にベランダでの禁止事項がない場合でも、避難ハッチの周辺や隣家との間仕切り部分には十分なスペースを空けておきましょう。避難経路を遮る場所に物を置くことは消防法で禁じられているため、知らずに置いてしまうと注意を受けるおそれがあります。
土や落ち葉をこまめに掃除する
ガーデニングでは、土や落ち葉で周囲を汚してしまうことは避けられません。「誰にも見られないから」と土や落ち葉を放置しておくと、排水口が詰まる原因になってしまいます。
排水口の詰まりを放置するとベランダに水があふれ、自分の部屋だけでなく隣家のベランダや下の部屋への水漏れなど深刻な被害をおよぼします。場合によっては近隣トラブルにも発展する可能性があるため、排水口が詰まらないよう掃除と点検をこまめに行わなければいけません。
ベランダを汚さないためには、プランターの受け皿の設置も効果的です。土や落ち葉が排水口に溜まるのを防げる他、水やりでベランダを汚す心配もありません。ただし、受け皿に土や落ち葉・水が溜まるとベランダが汚れてしまうため、受け皿の状態は頻繁にチェックしましょう。
共用部分を使用しないようにする
マンションの廊下やエントランスは、入居者全員でシェアする共用部分です。そのような場所に私物を置くことは禁じられており、無視すると規約違反として注意されてしまうので、トラブルを起こさないためにもマンションやアパートの共用部分を使ってのガーデニングは行わないようにしましょう。ベランダガーデニングができない人は、室内でのガーデニングがおすすめです。
賃貸物件でガーデニングをするのにおすすめの植物
ガーデニングで人気な植物の中でも、賃貸ガーデニングに向いている種類・向いていない種類があります。ここからは、賃貸物件でのガーデニングにおすすめしたい植物を6つ紹介します。
賃貸ガーデニングにおすすめの植物①アイビー
代表的な観葉植物としても知られるアイビーは、初心者にもおすすめの育てやすい植物のひとつです。季節問わず緑を楽しめるアイビーは日陰でも十分に育つため、ベランダだけでなく室内でも育てられます。
<アイビーの基本情報>
名称 | アイビー / セイヨウキヅタ |
科・属名 | ウコギ科・キヅタ属 |
原産地 | 北アフリカ、ヨーロッパ、アジア |
開花期 | 9〜12月 |
つる植物のアイビーは、壁や他の樹木に張り付いて成長する性質があり、インテリアとしてさまざまな楽しみ方ができます。寒さや暑さにも強いため、初めて植物を育てる方にもぴったりです。
また水やりは、土が乾いたタイミングでたっぷりと行いましょう。気温が5℃を下回る場合は、水やりを控えめにします。
<アイビーの特徴>
・一年中緑を楽しめる
・初心者におすすめ
・ベランダ、室内どちらでも育てられる
賃貸ガーデニングにおすすめの植物②ワイヤープランツ
小さい葉っぱが可愛らしいワイヤープランツは、名前のとおり細いワイヤーのような茎が特徴です。アイビーと同じく、一年中緑を楽しむことができます。
<ワイヤープランツの基本情報>
名称 | ワイヤープランツ |
科・属名 | タデ科・ミューレンベッキア属 |
原産地 | オーストラリア、ニュージーランド |
開花期 | 7〜8月 |
ワイヤープランツは、少々暗い場所でも問題なく育てられるのが特徴です。ベランダはもちろん、室内での栽培も可能ですが、エアコンの風や直射日光などに注意する必要があります。
<ワイヤープランツの特徴>
・一年中緑を楽しめる
・寒さに強い
・直射日光、エアコンの風に要注意
賃貸ガーデニングにおすすめの植物③多肉植物
ぷっくりとした見た目が特徴の多肉植物は、さまざまな種類の植物の総称です。一種だけを育てることはもちろん、複数の種類を寄せ植えして楽しむこともできます。
<多肉植物の基本情報>
名称 | サボテン、アロエ、セダムなど |
科・属名 | サボテン科、スベリヒユ科、アロエ属、セダム属など |
原産地 | アフリカ、メキシコ、マダガスカルなど |
開花期 | 種類によって異なる |
乾燥に強い多肉植物は、水やりの回数が少なく育てやすい植物のひとつです。サイズが小さいものも多いため、部屋のインテリアとしても適しています。多肉植物には1万以上もの種類があるので、好みの形や色・サイズなどを探してみてください。
<多肉植物の特徴>
・1万以上の種類がある
・水やりの回数が少ない
・インテリアとしても楽しめる
賃貸ガーデニングにおすすめの植物④ハーブ
独特な香りをもつハーブは、料理や虫除け、入浴剤などさまざまな用途として使われている香草の総称です。紅茶でおなじみのカモミールやラベンダーもハーブの一種です。
<ハーブの基本情報>
名称 | バジル、ルッコラ、クレソンなど |
科・属名 | シソ科、アブラナ科、セリ科など |
原産地 | ヨーロッパ、東南アジア、東アジアなど |
開花期 | 種類によって異なる |
自宅でハーブを育てると、料理へのアレンジの幅が広がります。バジル・ルッコラ・クレソンなどは他のハーブよりも育てやすく、とくにバジル・クレソンは土を使わない水耕栽培で育てることもできます。
<ハーブの特徴>
・1万以上の種類がある
・さまざまな用途がある
・水耕栽培できるものもある
賃貸ガーデニングにおすすめの植物⑤パンジー
カラフルな花が特徴的なパンジーは、ベランダで育てると空間が華やぎます。パンジーは冬の間も開花するため、ベランダガーデニングで花を育てたい人にはとくにおすすめの植物です。
<パンジーの基本情報>
名称 | パンジー(ビオラ) |
科・属名 | スミレ科・スミレ属 |
原産地 | 北ヨーロッパ、西アジア |
開花期 | 11〜4月 |
パンジーには、色や花の咲き方によってさまざまな種類があります。とくに色は単色だけでなく2色咲き・3色咲きなど多種多様なため、好みのパンジーを探してみるのもおすすめです。他の花に比べると世話も容易で、初心者の人もとくに問題なく育てられます。
<パンジーの特徴>
・冬にも花を咲かす
・さまざまな色、咲き方がある
・花の中では比較的育てやすい
賃貸ガーデニングにおすすめの植物⑥ミニトマト
ベランダガーデニングで栽培可能な野菜にもチャレンジしてみましょう。とくにおすすめなのが、初心者でも育てやすいミニトマトです。
<ミニトマトの基本情報>
名称 | ミニトマト / プチトマト |
科・属名 | ナス科・トマト属(トマト種) |
原産地 | アンデス地方 |
開花期 | 春〜初夏 |
ミニトマトはプランターでも育てられるため、ベランダガーデニングにも適している野菜です。日当たりと風通しの良い場所を好むため、室内よりもベランダやバルコニーの方が向いています。しかし、気温が5℃を下回ると生育が止まってしまうので、冬場は日当たりの良い室内で育てることが求められます。
なお、ミニトマトの他にオクラ・ピーマン・シソなどの野菜も育てることが可能です。栽培に適した環境は野菜ごとで異なるため、野菜の特性を押さえてから育てるようにしましょう。
<ミニトマトの特徴>
・初めての家庭菜園におすすめ
・日当たり、風通しの良い環境を好む
・寒さに弱い
賃貸物件でもガーデニングを楽しもう!
賃貸物件でも、規約で禁止されていなければガーデニングを楽しむことは可能です。ベランダでガーデニングを行う場合、今回ご紹介した3つの注意点を守ることが重要です。正しい方法を学び、楽しいガーデニングライフを送りましょう。