メゾネット物件は住みやすい?メリットやデメリット、おすすめできる人を解説します

おしゃれなメゾネット物件

テレビや雑誌などで、室内に階段のあるマンションを見かける機会がありますよね。
このような部屋は「メゾネット」と呼ばれており、集合住宅であっても一戸建てのような感覚で住むことができます。

さまざまなメリットがあるメゾネット物件に憧れる人も多いのですが、実際に住んでみるとどのような魅力を感じることができるのでしょうか。

今回は、メゾネット物件の5つの魅力と注意点について解説します。メリットと注意点を理解し、賃貸物件を探す際の参考にしてみてください。

メゾネットとは?

メゾネットとは、1つの住戸内に内階段があり、2階以上の階層を利用することができる集合住宅のことです。

一般的なマンションは、ワンフロアに水回りや寝室、リビングがあるフラットタイプで設計されています。一方、メゾネットは部屋に入ると上下階にフロアがわかれており、2階建ての一戸建て住宅のような雰囲気が感じられます。

また、似たような作りとしてロフト、テラスハウスがありますが、メゾネットはこの2つとも異なった特徴をもっています。

ロフト・テラスハウスとの違い

以下でメゾネットとロフト・テラスハウスの違いを説明していきます。

構造主な特徴
メゾネット・室内に階段がある
・上層階は居住スペース
・マンションなどの集合住宅で廊下などの共用部分がある
ロフト・室内にはしごがある
・上層階は収納スペース
・集合住宅や戸建てに設置可能
テラスハウス・室内に階段がある
・上層階は居住スペース
・戸建てが連なっており共用部分はない

ロフトとは、部屋の中に中二階を設けたスペースのことで、主に収納・寝室として利用することができます。

ロフトは、建築基準法で居室面積の2分の1未満、高さは1.4m以下と定められており、部屋ではなく「小屋裏物置等」と扱われます。2階部分も居住空間として床面積に算入されるメゾネットとは異なり、ロフトは原則として大きな窓やエアコンの設置ができず、床面積にも算入されません。

テラスハウスは、2階または3階建ての一戸建てが横に連なった連棟式住宅のことを指します。

玄関や居住空間はそれぞれ独立していますが、隣家と壁を共有している点が特徴で、昔の長屋のようなイメージです。

室内はメゾネットと似ており、2〜3階のフロアを利用することができますが、メゾネットはマンションなどの集合住宅なので、建物構造が異なります。

さまざまなタイプの形状・間取りの物件がある

メゾネット物件に多い間取りは、1階にトイレやお風呂、リビングがあり、2階に寝室やダイニングルームがあるタイプです。
また、1階は玄関と納戸だけで、2階にリビングや水回り、寝室などの生活スペースが揃っているタイプも珍しくありません。

その他にも、1階に生活スペースが揃っており、2階に部屋が1個備わっている間取りもある他、物件によっては1階に専用庭がつくこともあります。

メゾネットには、1住戸で2フロア利用するタイプと、2住戸で3フロアを分けるタイプの2つがあります。

1住戸で2フロアのタイプは上下に住戸を重ねるイメージで、1階と2階で1住戸、3階と4階で1住戸というようなスタイルです。2住戸で3フロアを分けるタイプは、1階と2階の半分で1住戸、2階のもう半分と3階で1住戸というようにわかれています。

なお、高層マンションの場合は最上階や1階部分など一部分だけがメゾネット物件になっているタイプも見られます。

メゾネット物件の5つのメリット

部屋が複数階にわかれているメゾネット物件には、どのようなメリットがあるのでしょうか。ここでは5つのメリットをご紹介します。

【メゾネット物件のメリット】
1.一戸建て住宅のような感覚で住める
2.足音やペットなどの騒音が気になりにくい
3.開放的で採光性に優れた物件が多い
4.プライベート空間を作りやすい
5.上下階で使い方・インテリアの系統を分けやすい

上記のメリットについて、ひとつずつ見ていきましょう。

一戸建て住宅のような感覚で住める

マンションでありながら、一戸建て住宅のような感覚で住めるのがメゾネット物件の魅力です。

一般的なマンションと同じようにエントランスや廊下は共用しつつも、部屋に入るとフロアが上下にわかれているので、一戸建てに住んでいるような感覚を覚えます。

特に一戸建てで育った人にとっては住みやすい造りで、居心地の良さを感じる方も少なくありません。

足音やペットなどの騒音が気になりにくい

メゾネットタイプは、マンションに比べて足音やペットの鳴き声などの音などが気になりにくいです。

住戸内の上階で子どもを遊ばせても、1フロア間に挟むため下の住戸にはさほど響きません。下の住戸への騒音が気になりがちな、小さな子どものいるファミリーやペットを飼っている人には大きなメリットです。

ただし、隣室と接している作りの場合、テレビの音量や大声での会話などに関しては一般的なフラットタイプのマンションと同様に気を遣わなければなりません。

開放的で採光性に優れた物件が多い

吹き抜けがあるタイプのメゾネット物件であれば、開放感があり風通しも良くなります。
また、1階と2階の両方にベランダや窓を設けることも可能なため、採光性に優れており部屋が明るく、やわらかい雰囲気になります。

一人暮らし向けのメゾネット物件の場合、部屋自体は狭くても、明るく開放感があるため圧迫感がありません。

プライベート空間を作りやすい

フラットタイプのマンションでは、寝室やリビング、水回りなどがひとつの階層にあるため、間取りによっては、来客時に人に見せたくないプライベート空間も見られてしまうおそれがあります。
1Kや1Rといった一人暮らし向け物件の場合、玄関を開けたときにベッドまで見えてしまう場合もありますよね。

複数階に部屋があるメゾネットタイプであれば、たとえば1階をリビング、2階を寝室にすればプライベートな部屋を見られずに済みます。

また、夫婦や友人同士など複数人で住む際にも、メゾネットタイプであればプライベート空間を分けやすいです。お互いの存在を感じながらも適度な距離が保つことができるため、一緒に暮らしていても一人の空間が必要、という方にもおすすめです。

夫婦やパートナー、家族で生活時間が異なっても、シャワーやテレビの音が気になりにくいのもポイントです。

上下階で使い方・インテリアを自由に変えられる

フラットタイプに比べて空間を分けやすいメゾネットタイプの住戸は、在宅ワークを行う仕事部屋とプライベート空間を上下階で分けるなど、工夫次第でライフスタイルに合った使い方ができます。

また、上下階でインテリアのテイストや雰囲気を変えることも可能です。
たとえば1階のリビングは和モダン、2階の寝室は北欧家具で揃えた温かみのある空間にするなど、夫婦で好きなテイストが異なる場合でもお互いの意見を取り入れられます。

上下階で異なるインテリアのテイストが楽しめるのは、メゾネット物件だからこその特権です。

メゾネット物件の5つのデメリット

メゾネット物件には魅力的なメリットがある一方、メゾネット物件ならではのデメリットもあります。

【メゾネット物件のデメリット】
1.階段の昇り降りが面倒に感じる場合もある
2.専有部分が狭く感じるかもしれない
3.吹き抜け部分は冷暖房の効率が悪い
4.掃除がしにくい場合がある
5.階段で事故が起きる可能性がある

入居前に、上記のデメリットも把握しておきましょう。

階段の昇り降りが面倒に感じる場合もある

メゾネット物件のデメリットの代表例は、上下階の移動が面倒な点です。

メゾネットタイプはトイレが上下階どちらかにしかないことが多く、移動がおっくうに感じることも珍しくありません。
リビングとキッチンが異なるフロアにある場合、お茶や食事を運ぶのに何度も上下階を移動しなければならず、ストレスに感じることもあります。

また、水回りなどの設置場所によっては、家事動線が不便な場合もあります。

たとえば1階に洗濯機がある場合、重い洗濯物をもって2階に移動し、洗濯かごを再び1階へ戻す必要があるため家事をするのも一苦労です。
洗濯機の近くに干す場所を作るなど、できるだけ上下の移動がないように工夫しましょう。

専有部分が狭く感じるかもしれない

フラットタイプとメゾネットタイプでは、同じくらいの専有面積であった場合、内階段があるメゾネットタイプの方が居住スペースが狭くなります。

メゾネットタイプはおしゃれで開放感のある空間がメリットである一方、居住スペースが狭く感じやすい点は入居前に理解しておきましょう。

吹き抜け部分は冷暖房の効率が悪い

吹き抜けタイプのメゾネットは、上下階を適度な室温にするのが難しいです。

暖かい空気は上へ、そして冷たい空気は下に溜まる性質があります。そのため夏は上階が暑くなり、冬は下階が寒くなってしまいます。

適温を維持するために各部屋にエアコンを設置する他、サーキュレーターを活用するなどの対策はできますが、フラットタイプに比べ光熱費が高くなりやすい点には注意が必要です。

物件によっては断熱性能や冷暖房の効率を考えて設計されているものもあるので、事前に不動産会社に確認してみてはいかがでしょうか。

掃除がしにくい場合がある

メゾネットタイプの住戸には階段があるため、掃除の際には掃除機をもって上下階を往復しなければなりません。
ロボット掃除機もどちらか一方の階でしか利用できず、また階段を掃除する際はバランスを崩して転倒しないように注意する必要があります。

さらに、階段があると、天井付近にある照明の掃除も難しい可能性があります。内見の際に、照明の掃除や交換の方法について確認しておくようにしましょう。

階段で事故が起きやすい

小さい子どもがいる家庭では、子どもが階段から転げ落ちる可能性もあるため、ベビーゲートを設置するなど細心の注意を払う必要があります。

また、子どもだけでなく大人も事故を起こす可能性はあり、朝の忙しい時間や重い荷物を運ぶとき、起きた直後などは特に注意が必要なタイミングです。

入居前に手すりやフットライトの有無を確認したり、入居後も日頃から階段の利用に注意を払う必要があります。

メゾネット物件がおすすめな人

メゾネット物件は、一般的なフラットタイプの賃貸物件と異なる特徴があるため、人によって向き・不向きがわかれます。

ではいったい、どのような人がメゾネット物件に向いているのでしょうか。メゾネット物件がおすすめなのは以下のような人です。

【メゾネット物件がおすすめな人】
1.音の問題を解決したい人
2.プライベート空間を確保したい人
3.おしゃれな空間を楽しみたい人

それぞれについて詳しく見ていきましょう。

音の問題を解決したい人

メゾネット物件は複数階にわかれているので、上下階の生活音に悩んでいる人に向いています。集合住宅では、子どもやペットが走り回る音が下の住戸に響かないかが気になるものです。

メゾネット物件の場合、上階で子どもを遊ばせれば足音によるクレームを回避しやすくなるため、特に小さいお子さんがいる家庭や、犬や猫などのペットを飼っている方におすすめです。

プライベート空間を確保したい人

上下階に居室があるメゾネットは、来客が多い人にもおすすめです。

下階をリビング、上階を寝室にすれば、プライベート空間を見られることがありません。趣味の教室を開こうと考えている方や、友人を自宅に招く機会が多い人にも向いています。

また、仕事と生活の空間を分けたい人にもおすすめです。

近年は在宅で仕事をする人が増えており、特に一人暮らしのワンルームや1Kでは寝室・リビング・仕事場が同じ空間にあるため、仕事モードへの切り替えが難しいと悩んでいる人も多いのではないでしょうか。
仕事部屋と生活スペースをフロアで分けることができるメゾネット物件であれば、フロアの移動によって気持ちを切り替えやすくなります。

そして、同居人と生活スタイルが異なる人にもメゾネットタイプはおすすめです。
夜遅く帰宅した場合でも、フラットタイプのマンションやアパートと比べ、テレビやお風呂の音で同居人を起こしてしまう心配も少なくなります。

おしゃれな空間を楽しみたい人

メゾネットマンションは室内に階段がある構造が珍しく、物件数も多くないので特別感があります。

また、メゾネット物件はおしゃれなデザイナーズマンションであることも多く、さらにインテリアにこだわればオリジナルの空間に仕上がります。

メゾネット物件はおしゃれで機能的だがデメリットもあるので注意しよう

メゾネット物件は、おしゃれな空間を楽しめる、上下階で空間がわかれているなど、一般的なフラットタイプのマンションでは得られないメリットがたくさんあります。
また、下階への騒音が軽減されるため子供がいるファミリーやペットを飼っている人にも向いています。

一方で、階段の 昇り降りがあることによって、移動の手間や事故が起きる可能性がある点には注意が必要です。

メゾネット物件は機能的で魅力あふれる集合住宅です。自分のライフスタイルを考え、デメリットを理解したうえで、理想にあった物件を探しましょう。

ふどサーチ編集部