浴室乾燥機、いる?いらない?必要性やメリット・注意点、実際の声を紹介!

乾燥中の洗濯物の様子

多くのタワーマンションではベランダに洗濯物を干せないため、浴室乾燥機などを活用して衣類を乾かす必要があります。一般的なマンションでも浴室乾燥機がついた物件はありますが、「便利そうだけど使い方がわからない」「本当に必要?」と思う人もいらっしゃるかもしれません。

そこで今回は、浴室乾燥機の必要性や注意点について、実際に浴室乾燥機付き物件に住んだ人の声を紹介しながら解説していきます。

そもそも浴室乾燥機とは?

浴室乾燥機とは、浴室の乾燥と換気をする空調設備で、以下のような機能があります。

■浴室の乾燥、換気
■暖房
■涼風

浴室の換気だけでなく、洗濯物を干して乾燥させることもできます。また暖房機能で浴室内を暖めることも可能で、冬場に起こりがちなヒートショックの予防にも効果的です。
そして涼風で浴室内を涼しくすることもできるため、夏場の入浴もより快適になります。

浴室乾燥機付き賃貸物件を契約するメリット

浴室乾燥機付きの賃貸物件を契約すると、以下の3つのメリットを得られます。

1.雨の日でも洗濯物を乾かせる
2.快適な入浴時間が過ごせる
3.居室に洗濯物を干さなくて済む

ひとつずつ見ていきましょう。

洗濯物が乾きやすい

浴室乾燥機があれば、雨や雪など天候を気にせずに洗濯物を干せます。雨が多い梅雨の時期や花粉の飛散量が多い時期は外干しをするのが難しく、室内干しをするにしてもなかなか乾きづらいものです。

外干しができない日であっても、浴室乾燥機を利用すれば、室内干しよりも短い時間で洗濯物を乾かすことができます。また、「せっかく洗濯物を干したのに急に雨が降ってきた」というトラブルに悩むこともありません。

天候や時間帯を気にせず、好きなときに洗濯物を干せるため、日々の洗濯もストレスなくできます。

快適な入浴時間が過ごせる

浴室乾燥機に涼風・暖房機能が備わっている場合、入浴時間を快適に過ごせることもメリットです。夏場は涼風機能で湯あたりなどを防ぎ、冬場は入浴前に浴室暖房をかつようすることでヒートショック対策に効果的です。

ヒートショックとは、脱衣場と浴室の温度差により血圧が上下し、心筋梗塞や脳梗塞を引き起こすことで、場合によっては命を落とすこともあります。

また、賃貸物件は浴室に窓がないことも多く、湿気がこもりがちです。換気扇を回しても、赤カビ・黒カビなどが発生することも珍しくありません。

浴室乾燥機は浴室の水気を乾かし、カビの発生を抑える役割があるため、カビ対策にも有効とされています。

居室に洗濯物を干さなくて済む

3つ目のメリットは、浴室を部屋干しのスペースとして有効活用できる点です。単身向けの賃貸物件の場合、居住スペースが狭く室内干しをする場所に困ることがあります。

たとえば、ワンルームや1Kの部屋で居室に洗濯物を干す場合、洗濯物が視界に入ったり実際にぶつかったりするなど、洗濯物が邪魔になることも少なくありません。オンライン会議等で洗濯物が画面に映りこむ可能性もあります。

浴室乾燥機がある賃貸物件では、洗濯物を浴室に干すため、居室に洗濯物を干さずに済みスペースを確保することが可能です。

浴室乾燥機付き賃貸物件を契約するデメリット

便利な浴室乾燥機付き賃貸物件にも、4つの注意点があります。

1.光熱費(電気代やガス代)がかかる
2.フィルター掃除を行う必要がある
3.干せる衣類の量が限られている
4.浴室乾燥機付きの賃貸物件が少なく、家賃が高い傾向がある

それぞれひとつずつ見ていきましょう。

光熱費(電気代やガス代)がかかる

浴室乾燥機は電気やガスなどで動くため、当然電気代やガス代がかかります。

電気代の目安としては、1回あたり約120~170円程度ですが、洗濯をするたびに浴室乾燥機を使用した場合、毎月の光熱費が上がる点には注意が必要です。(参考:TOTO株式会社

フィルター掃除を行う必要がある

2つ目は、フィルターを定期的に掃除する必要がある点です。

浴室乾燥機内部のフィルターはホコリが溜まりやすく、メンテナンスをしない状態では衛生面や運転効率の面で悪影響を及ぼします。フィルター掃除に時間や手間がかかり、面倒に感じるのはデメリットのひとつです。

干せる衣類の量が限られている

3つ目の注意点は、ベランダに比べると衣類を干せるスペースが限られる点です。

家族が多かったり、一人暮らしでも大量の洗濯物があったりすると、一度にすべての洗濯物を干すのは難しい場合があります。

また、洗濯物同士の間隔が狭いと、浴室乾燥機を使用していても生乾きになる場合があります。さらに、一度に干せない場合は数回に分けて洗濯したり、干せない分を別の場所に干す必要があり、かえって手間と時間がかかってしまうのです。

浴室乾燥機付きの賃貸物件が少なく、家賃が高い傾向がある

4つ目は、そもそも浴室乾燥機付きの賃貸物件の数が少ない点です。

浴室乾燥機がついている物件の割合は、地方・都内問わずさほど多くはありません。ここでは、渋谷区のワンルーム〜1LDKの賃貸物件を例に、浴室乾燥機付き物件の数を見てみましょう。

検索条件物件数9.5万円以下の物件数
条件指定なし2724件1174件
浴室乾燥機あり1,392件329件

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上記の表を見ると、浴室乾燥機ありの物件に絞った場合、物件数が大きく減ることがわかります。

さらに、渋谷区のワンルーム〜1LDK家賃相場である9.5万円以下の物件に絞ると、その数はさらに激減します。便利な機能であるため、家賃相場が高く、部屋探しが難しいケースもあります。

浴室乾燥機付き賃貸物件がおすすめの人

浴室乾燥機付き賃貸物件は、天気や花粉、PM2.5などを気にせずに干せる点がメリットです。室内干しよりも乾きやすく、居室で洗濯物を干すスペースを確保する必要もなくなります。
一方で、使用回数が多いと光熱費が上がるなどの注意点があります。

これらのメリットと注意点をふまえ、浴室乾燥機付き賃貸物件がおすすめなのは以下のような人です。

・洗濯物を外干ししたくない人
・天気を気にせず洗濯をしたい人
・部屋のインテリアにこだわる人

部屋のインテリアにこだわっている人や、防犯対策のために洗濯物を外干ししたくない人の場合、浴室乾燥機のメリットを十分に活かせます。

また、仕事等で忙しく休日にしか洗濯ができない人にも、天候に左右されずに洗濯物を干せる浴室乾燥機付き賃貸物件はおすすめです。

浴室乾燥機がいらないと思った人の意見

実際に浴室乾燥機付き賃貸物件に住んでみたものの、浴室乾燥機が必要ないと感じる方も少なくありません。その理由は以下の2つです。

1.とにかく光熱費が高い
2.ブレーカーが落ちるから家電製品と同時に使用できない

それぞれ見ていきましょう。

とにかく光熱費が高い

浴室乾燥機を使うほど、光熱費が上がってしまいます。環境により外干しができず高い頻度で使用した場合や、うっかりして浴室乾燥機をつけっぱなしにしていた場合、光熱費は大幅に高くなるかもしれません。

光熱費は毎月かかるものであるため、光熱費が上がれば生活を圧迫する可能性があります。浴室乾燥機の使用により生活費がかさむ場合もあるため、固定費を抑えたい人にとっては必要ない設備になるのかもしれません。

浴室乾燥機を使う場合は、部屋干しである程度乾かしてから仕上げに浴室乾燥機を使ったり、浴室の水分をよく拭き取ってから使用したりすると、光熱費が抑えることができます。

ブレーカーが落ちるため他の家電製品と同時に使用できない

浴室乾燥機は消費電力が大きく、他の家電製品と同時に使うとブレーカーが落ちる場合があります。浴室乾燥機を使っている最中に、ドライヤー、電気ポット、電子レンジなど消費電力が大きい家電を使用する場合は注意が必要です。

消費電力が大きい電化製品の同時使用を避けるのが簡単な解決策ですが、外出時に浴室乾燥機を使うようにすればブレーカーが落ちることはありません。

また、同時使用により頻繁にブレーカーが落ちる場合は、契約アンペア数を大きくするのもひとつの方法です。

浴室乾燥機が必要だと思った人の意見

光熱費の高さや消費電力を理由に浴室乾燥機が必要ないと思う人もいる一方で、「浴室乾燥機があって良かった」という声もあります。

1.雨や花粉を気にせず、好きな時に洗濯ができる
2.部屋干しのにおいが気にならない

それぞれの理由を見ていきましょう。

雨花粉を気にせず、好きな時に洗濯ができる

前述のとおり、雨・強風など悪天候の日や花粉の飛散量が多い日でも洗濯ができるという点で、浴室乾燥機の必要性を感じる方も少なくありません。

毎日の天気に左右されないため、「休日にまとめて洗濯しよう!」と思った日に雨が降っても問題なく洗濯物が干せます。

また、交通量の多い道路沿いの賃貸物件の場合、排気ガスが気になることがあります。このように外干しをためらってしまうような環境の場合、浴室乾燥機があると非常に重宝します。

部屋干しのにおいが気にならない

室内干しの悩みといえば、衣類につく独特のにおいです。洗濯物がなかなか乾かず、部屋干し臭がついてしまいます。衣類やタオルに嫌なにおいがつくと、再度洗濯をする必要があり、さらに時間や手間がかかります。

一方浴室乾燥機にすれば、部屋干しのにおいは気になりにくいため梅雨や冬場の洗濯も安心です。

部屋探しの際は浴室乾燥機付き賃貸物件も検討しよう

一人暮らし・ファミリー世帯問わず便利に活用できる浴室乾燥機。天気や花粉を気にせずに、好きなタイミングで洗濯物を干せる点が大きなメリットです。

また、浴室を室内干しスペースとして活用することで、居室に生活感がでたり、洗濯物を邪魔に感じ足りといったことがなくなります。

一方、浴室乾燥機付きの賃貸物件は数が少なく、家賃も高い傾向にあるというデメリットがあります。家賃や光熱費と自分のライフスタイルを考慮し、必要だと思った場合は浴室乾燥機付き賃貸物件を部屋探しの選択肢のひとつに入れてみましょう。

ふどサーチ編集部