おとり物件の見極め方を紹介!騙されないためにしっかり確認していこう

マンションの模型と✖マーク

「おとり物件」とは、広告に掲載されているにもかかわらず、実際には借りることができない賃貸物件のことです。おとり物件に引っかかってしまうと、無駄な時間と労力を使ってしまうだけでなく、希望していなかった条件の賃貸物件を借りることになってしまうおそれもあります。

今回はそんなおとり物件の見極め方について解説していきますので、余計なトラブルを起こさずに契約したいと考えている方はぜひチェックしてみてください。

おとり物件には2種類ある!

「釣り物件」とも呼ばれるおとり物件は、部屋を探している人にとっては非常に厄介な存在です。おとり物件には過失の場合と故意の場合があります。それぞれの内容をこまかく見ていきましょう。

契約済み物件を不動産会社が掲載したまま

まず1つは、不動産会社の担当者が広告を取り下げるのを忘れて、物件情報を掲載し続けてしまう、過失のパターンです。この場合、すでに不動産取引が終了しているにもかかわらず、物件ポータルサイトから物件情報を削除できていない可能性が挙げられます。とくに、繁忙期である1〜3月は情報の入れ替わりが多いので、サイトの更新が追いつかなくなり、結果として契約済みの物件が掲載されてしまう事例が出てきてしまいます。

取引する意思のない物件

2つ目は、実際には取引する意思のない物件を、故意に相場より安い賃料・価格等の好条件で広告し、顧客を呼び込むパターンです。取引の意思はないため、「ほかに入居者が決まってしまった」「物件に問題が生じた」などと、事実ではないことを理由に紹介を断り、他の物件を紹介するものです。

実際には存在しない架空物件

もう1つ、故意のおとり物件のパターンとして挙げられるのが、存在しない物件の情報を掲載し続けているケースです。このパターンについても前述のパターンと同様、顧客を呼び込んだ後に類似物件を紹介する流れが常套手段です。

故意によるおとり物件といってもその内容は多岐にわたります。物件自体が存在していない、募集しているけれど条件が違う、すでに入居者が決まっているなどさまざまなパターンがあります。いずれにせよ、それらの賃貸物件には住むことができないため、新たな賃貸物件を探さないといけません。

故意過失問わず、おとり物件は悪質な集客方法として法律で禁止されていたり、不動産業界で規制の対象になったりしています。おとり物件を広告として集客している不動産業者は、厳重警告、違約金課徴、行政からの措置命令などといったペナルティを受けることになります。

おとり物件の見極め方3選

おとり物件に引っかかると、時間も労力も無駄にしてしまいます。そのようなことがないように、ここからはおとり物件の見極め方を3つ紹介していきます。

①家賃がエリア相場に比べて著しく安い

設定されているエリア相場よりも著しく家賃が安い場合、おとり物件の可能性があります。賃貸物件を探す場合、多くの人が家賃を軸として賃貸物件を比較しますが、ほかよりも家賃が著しく安い物件があるとどうしても気になって見てしまいますよね。不動産会社はそのような心理を利用して、おとり物件にわざと安い家賃を設定するのです。

また、家賃がエリア相場よりも著しく安い賃貸物件は、おとり物件だけでなくなにかほかの理由がある可能性があります。過去に自殺や事故などがあった、建物や立地に問題があるなど、さまざまなケースが考えられます。家賃が相場より安いからといってすぐに飛びつかず、気になるところがあれば不動産会社に理由を聞いてみましょう。

②物件ポータルサイトの掲載状況を確認する

気になる物件がある場合、複数のポータルサイトを見てみることもおとり物件を避ける方法として有効です。例えば、2週間前には複数サイトに掲載されていた物件が、現在は1つのサイトにしか載っていない場合、すでに申し込みがあったり契約者が決まっていたりする可能性も考えられます。

原則、すべてのポータルサイトは、入居者を募集している物件しか掲載することができないため、不動産会社は申し込みが入った事がわかり次第、賃貸物件の情報を削除する必要があります。不動産会社がポータルサイトへ掲載した広告のメンテナンスができていないと、募集が終了した物件がポータルサイトに残りおとり物件になってしまうというケースも少なくありません。

おとり物件かどうかを見極める重要なポイントは、1つのポータルサイトだけで判断しないことです。複数のサイトで募集していることを確認し、信頼できるかどうかチェックしてみてください。

③定期借家契約の賃貸物件である

賃貸借契約には、「普通借家契約」と「定期借家契約」の2種類があります。普通借家契約は同じ物件に期間を定めず住み続けられる契約、定期借家契約は住むことのできる期間が決められている契約のことです。定期借家契約の場合、契約期間が満了になると原則、退去する必要があります。

通常、賃貸借契約は2年更新が一般的ですが、定期借家契約の場合は契約期間を自由に定めることができます。気になる物件の契約期間がたったの3ヶ月であれば、その物件に決めるのは難しいですよね。定期借家契約の賃貸物件は、契約期間の制限などデメリットになる点があるため、おとり物件として利用されることもあります。

定期借家は契約期間が短期であることから家賃が安く設定されているので、家賃が安い場合は、問い合わせる前にポータルサイト上で定期借家かどうかを確認しておくことをおすすめします。

もしおとり物件を見つけたらどうしたらいい?

おとり物件は法律や不動産業界の規定によって禁止されているため、おとり物件を掲載している不動産会社には厳しい処分が下されます。悪質なおとり物件を見つけたときは、同じように物件探しをしている人のためにも、通報することも検討しましょう。

通報の仕方は、物件ポータルサイトの場合と実際の店舗での場合で少々異なります。ここからは、それぞれの通報方法について解説します。

物件ポータルサイトで見つけた場合

ポータルサイトでおとり物件を見つけた場合、それぞれのサイトに掲載されている専用フォームから連絡しましょう。連絡の際は、下記の情報を伝えるとスムーズです。

・掲載URL
・不動産業者名
・担当者名
・物件番号
・問合せ日
・やり取りの詳細

通報すると各サイトのルールに基づき対応され、おとり物件であることの確認が取れた場合は広告の掲載が取り下げられます。

不動産会社で見つけた場合

不動産会社でおとり物件を見つけた場合、不動産会社の所在エリアを管轄する各エリアの不動産の公正取引協議会に通報することが可能です。不動産公取協の指示に従って、不動産業者名や通報者の情報、不動産会社からもらった資料などを伝えます。

おとり物件の内容や手口が悪質の場合、違約金課徴といった重いペナルティが課せられる可能性があります。

おとり物件を見極めて理想の物件を探そう

掲載されているのに契約ができないおとり物件に引っかかってしまうと、大事な時間が無駄になってしまいます。契約済みの物件の広告を取り下げ忘れてしまったために生じる場合もありますが、中には集客を目的とした悪質なおとり物件も一部存在します。

限られた時間で効率よく物件探しをおこなうためにも、おとり物件に引っかからないように、今回紹介した3つの見極め方を実践しながら理想の物件を探しましょう。

ふどサーチ編集部