「ワンルームや1Kでは少し狭い」「独立した寝室が欲しい」と考える人におすすめなのが、1DK・1LDKなどといった間取りです。
1DKと1LDKは似ていますが、具体的にどのような点が違うのかわからないという人も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、1DKと1LDKの部屋の違いと、それぞれのメリット・注意点について解説します。また、どのような人におすすめなのかも紹介していきますので、今後の部屋探しの参考にしてみてください。
目次
そもそも「1DK」と「1LDK」はどんな部屋?
単身者向け物件に多い間取りであるワンルーム・1Kは部屋が1つしかありませんが、一方で1DK・1LDKは部屋が2つあり、ワンルーム・1Kに比べて広さがあります。
1DKは居室が1つとダイニングキッチン(DK)がある間取りのことです。キッチンと食事をするスペースが1つになっているため、居室を広く使用できます。
対して1LDKは、居室が1つとリビングダイニングキッチン(LDK)がある間取りです。キッチンと一緒になった広いリビングルームがあるため、テレビやソファなどを置いてくつろぐ場所として活用することもできます。
1DKと1LDKの違いは簡単に言うと居室のほかにダイニングキッチンがあるか・リビングダイニングキッチンがあるかですが、これらの違いは広さによって明確に定義されています。次項以降でDK・LDKの定義について詳しく説明していきます。
1DKと1LDKの広さの定義
1DKと1LDKの違いは、キッチンがある部屋の広さの違いであると説明しましたが、これには具体的な畳数の目安が定められています。
公益社団法人「首都圏不動産公正取引協議会」では、1DKのダイニングキッチンの広さの目安を4.5畳以上、1LDKのリビングダイニングキッチンの広さの目安を8畳以上としています。
そのため、居室が1つでキッチンが4.5畳以下である場合ダイニングキッチンとしては認められず、1Kとしての扱いになります。
また、居室の数によってDKとLDKの広さの目安は異なり、下表のように定められています。
【畳数の目安(下限)】
居室の数 | DKの広さ | LDKの広さ |
---|---|---|
1つ | 4.5畳以上 | 8畳以上 |
2つ以上 | 6畳以上 | 10畳以上 |
「1DK」のメリットと注意点、おすすめの人
ここまでに説明したように、1DKと1LDKはどちらも居室が1つなのは変わりありませんが、キッチンのある部屋の広さが異なります。
それぞれのメリットと注意点を踏まえながら、1DKと1LDKがどのような人におすすめなのかを解説していきます。
1DKのメリット
1DKのメリットは主に4つあります。
①食事スペースと寝室を分けられる
②ワンルーム・1Kに比べ料理がしやすい
③部屋に食べ物のにおいが入りにくい
④1LDKに比べて家賃が安い
1LDKに比べればスペースは狭いものの、居室とは別にもう1つ食事を取るスペースがあるため、1DKでも居住スペースを分けてメリハリのある生活を送ることは可能です。
また、ワンルームや1Kと比べるとキッチンが広めな部屋が多く、自炊をよくする人にとっては料理がしやすい間取りです。
キッチン回りにスペースがあるため、レイアウトの工夫がしやすいほか、ダイニングと居室の間に扉があれば、料理や食べ物のにおいが居室内に入りにくいため、洋服や寝具へのにおい移りも減ります。
さらに、1DKの家賃は1LDKと比べて安い場合が多いのもメリットのひとつです。以下の表で、東京都の人気駅、上位3駅で1DKと1LDKの家賃相場を比べてみましょう。
【東京都の人気駅3駅の1DKと1LDKの家賃相場】
駅 | 1DK | 1LDK |
---|---|---|
新宿駅 | 13.40万円 | 16.90万円 |
渋谷駅 | 15.90万円 | 23.20万円 |
池袋駅 | 11.60万円 | 13.70万円 |
参考:CHINTAIネット2022年6月時点
表からもわかるように、1DKと1LDKの家賃相場は約2〜7万円の差があります。2部屋欲しいものの家賃の負担を抑えたいと考えている方は、1DKを中心にした部屋探しがおすすめです。
1DKの注意点
次に、1DKの賃貸物件で注意したいポイントを2つご紹介します。
①新築物件が少ない
②生活スタイルによっては使いにくい
1DKは1980年〜1990年代に流行った間取りであり、新築物件で1DKを探すのは難しい可能性があります。しかし、なかにはリノベーションをしている部屋もあるため、築年数を気にしなければ綺麗で快適な部屋も見つかるかもしれません。
また、家でほとんど料理をしない人や、家にいる時間が少ない人にとっては、1DKの間取りが使いづらい場合があります。間取りや広さにもよりますが、5畳程度のダイニングスペースであれば、テーブルといすを置いただけでスペースを占めてしまいます。
このように、自身の生活スタイルによっては合わない場合もあるため、実際の生活を想像してから考えると良いでしょう。
1DKがおすすめの人
1DKの4つのメリットと2つの注意点から、1DKの間取りがおすすめなのは以下のような人です。
・よく自炊をする人
・家賃を抑えつつも、寝室と食事スペースを分けたい人
1DKはワンルームや1Kに比べ調理スペースが広く、ストレスなく料理ができるため、日頃から自炊をする人にとっておすすめです。
また、寝室と食事スペースを別にできるため、生活空間を分けたい人や、居室を広く使いたい人にとっても使いやすい間取りです。
ただし、1DKの間取りは物件によって大きく異なるため、レイアウト次第で使い勝手が良くなることも悪くなることもあります。内見の際に家具・家電の寸法とあわせて細かくチェックするなどして、実際の生活をシミュレーションしながら慎重に考えましょう。
「1LDK」のメリットと注意点、おすすめの人
1LDKは、1DKと比べるとキッチンがある部屋が広く、生活に合わせてレイアウトを工夫できます。人を招待してもプライベート空間をうまく隠せる他、二人暮らしも可能な広さです。
ここからは、1LDKのメリットと注意点、そして1LDKの間取りがおすすめの人を紹介していきます。
1LDKのメリット
1LDKのメリットは主に以下の3つなどがあります。
①寝室とそれ以外の生活空間を分けられる
②人を呼びやすい
③さまざま使い方やレイアウトができる④築年数が浅い物件が多め
1LDKの間取りではキッチンがある部屋が8畳以上と、広々とした空間を使うことができます。そのため、在宅ワークで悩みがちなオンとオフの切り替えも、リビングで仕事をして寝室で休むなどと工夫することもできます。
また、人を招待しても寝室などのプライベート空間を覗かれる心配がほとんどありません。キッチンも広く、自宅に友人などを招く機会が多い人にとっては大きなメリットです。
さらに専有面積が広いため、自由な家具のレイアウトを楽しんだり、柔軟な部屋の使い方をすることも可能です。1K・1DKなどのコンパクトな部屋に比べ収納が充実している物件も多く、洋服や荷物が多い人でも部屋をすっきりとさせることができます。
なお、1LDKは2000年以降に増えた間取りのため、1DKとは反対に築年数が浅い物件が多いのも特徴です。現代の暮らしに合った設備がある物件も多く、暮らしやすい間取りといえます。
1LDKの注意点
1LDKの物件を選ぶ際には、以下の注意点を押さえておきましょう。
①家賃が高め
②光熱費や掃除の手間がかかる
③二人暮らしも可能だが一人の時間を持ちにくい
先述の通り1LDKは1Kや1DKと比べて広く、また比較的築年数が浅い物件が多いことから家賃相場は高くなります。
さらに、家賃だけでなく光熱費も高くなる傾向があります。部屋が広い分冷暖房の効率は悪くなり、ワンルームや1Kに比べて光熱費は高くなる傾向があります。
また、部屋が広い分掃除しなければならない範囲も広がるので、日々の掃除を負担に感じる場合があります。
1LDKは二人暮らしもできる広さですが、2人それぞれの部屋を持てるわけではないため、一人の時間を確保しづらい環境です。2人の生活リズムが異なる場合ストレスが溜まってしまうこともあるため、予算に余裕があるのであれば2LDKなどがおすすめです。
▼関連記事
【カップル必見】同棲におすすめの間取りとは?選び方のポイントも解説!
1LDKがおすすめの人
1LDKは、広さがある一方で家賃や光熱費が高めな点に注意が必要です。1LDKのメリットと注意点を踏まえ、1LDKの部屋がおすすめなのは以下のような人です。
・自宅で仕事をしている人
・趣味部屋を持ちたい人
・家賃を抑えてパートナーと暮らしたい人
1LDKは、生活スタイルに合わせたレイアウトができます。
たとえば、フリーランスなど在宅での仕事がメインの方は、寝室と仕事部屋をわけたり、寝室にデスクを置いたりと、間取りや仕事のスタイルにあわせて活用することが可能です。ワンルームや1Kでは集中しづらいという方も、1LDKであれば自宅でも集中して仕事に取り組めるようになるでしょう。
仕事以外にも、コレクションを置いたり読書をしたりする趣味部屋など、工夫次第で好きなように使える部屋があるのは大きなメリットです。
もちろん、パートナーと暮らす予定がある人にとっても1LDKはおすすめです。1LDKであれば2LDKなどに比べて家賃を抑えることができ、二人ならそれほど負担になりません。自分一人の部屋を持つことはできませんが、裏を返せば一緒に過ごせる時間も増えます。
「1DK」「1LDK」で快適に暮らすコツ
1DKと1LDKは、ワンルームや1Kと比べて広さがあり、インテリアやレイアウトの選択肢も広がります。せっかくなら広さを活かした心地良い空間にしたいものです。ここからは、1DKと1LDKで快適に暮らすコツを4つお伝えします。
1.脚付き家具を取り入れて床を見せる
2.収納棚や収納ボックスを活用する
3.部屋広さや間取りに合わせて家具を選ぶ
4.【二人暮らしの場合】パーソナルスペースを作る
上記4つのコツを押さえて、1DKと1LDKの良さを最大限引き出しましょう。
快適に暮らすコツ①:脚付き家具でスッキリ見せる
部屋を広く見せる方法のひとつが、脚付き家具を選ぶことです。
床が見える範囲が多ければ多いほど、部屋を広く見せる効果があり、床面積に対して3分の2以上、床が見えるのが理想とされています。
重厚感のあるソファを置くと、部屋が狭く感じられるだけでなく圧迫感も与えてしまいます。できるだけ脚付きの家具を選び、抜け感を出して部屋をスッキリと見せましょう。
快適に暮らすコツ②:収納棚や収納ボックスを活用する
収納スペースが少ない場合は収納棚やカラーボックスを活用しましょう。
収納棚は壁や家具と色を統一し、機能性のあるものを選ぶとストレスなく暮らせます。そしてカラーボックスも同じ色や素材で揃えれば、部屋の統一感が増してより洗練された印象に仕上がるでしょう。
また、ベッド下に収納スペースのあるものを選べば衣類などを収納できます。これらに加え、壁面収納や仕切りとしても使えるオープンシェルフなどもおすすめです。
快適に暮らすコツ③:部屋の広さや間取りに併せて家具を選ぶ
1DK・1LDKともに、広さや間取りは物件ごとに異なるため、家具は部屋の広さに合ったサイズのものを選びましょう。特にソファなどの大型家具は部屋の広さに合わないものを選ぶと部屋を圧迫感を与えます。
快適に暮らすコツ④:パーソナルスペースを作る【二人暮らしの場合】
1DKや1LDKで二人暮らしをする場合は、お互いが自由に過ごせるパーソナルスペースを作ることがポイントです。
いくら仲が良くても、常に同じ空間にいるのはストレスが溜まってしまうため、カーテンやパーテーションで区切る、あるいはオープンシェルフのような背の高い収納で空間を分けるのも方法の一つです。
また、一人になりたいときは時間を決めて別の部屋を使うなどといった方法を実践するカップルも少なくありません。お互いの距離が取れるような工夫を行うことで、1DKや1LDKでも快適に暮らせます。
1DKと1LDKは、自分のライフスタイルに合えば快適な間取り
居室のほかに広めのキッチンがある1DK・1LDKは、家で過ごす時間が長い人や、空間を分けて生活にメリハリをつけたいと考えている人におすすめの間取りです。
オンとオフの切り替えがしやすい他、キッチンが広い傾向にあり自炊派・料理好きの方にもおすすめです。また二人暮らしの場合にも、お互いにプライベートな時間を持てれば住みやすい間取りです。
1DKと1LDKは、自分の暮らしに合わせて幅広い使い方ができるのが魅力です。今回ご紹介した1DKと1LDKのメリットと注意点を参考にして、心地良い暮らしができる賃貸物件を探しましょう。