和室にはどんなメリットがある?和室選びのポイントも押さえよう!

和室がついている賃貸物件の様子

これから家を建てたりリフォームを検討したりしている場合、和室を作るかどうかで悩んでしまいますよね。洋室に慣れ、和室をどのように使っていいかわからない人も多いのではないでしょうか。

そこで今回は、和室のメリットについてご紹介します。和室選びのポイントについても解説していきますので、和室を取り入れるかどうか悩んでいる方は参考にしてみてください。

和室とは

和室とは、畳を敷き詰めた日本の伝統的な様式の部屋のことです。襖や障子で空間を囲んでおり、光や風を取り入れられる快適な空間です。

和室のスタイルは、「真」「行」「草」の3つに分けられます。「真」は格式高く伝統的な和室で、「行」は「真」よりもシンプルで落ち着きがあります。そして「草」は上記2つに比べて自由度が高く、現代の家に取り入れやすいタイプの和室です。

和室は食事や書斎、寝室など幅広い用途で使えます。ここからは、和室のメリット・注意点について解説していきますので、どんなものがあるのかチェックしておきましょう

和室のメリット

和室には、以下の5つのメリットがあります。

①さまざまな使い方ができる
②湿度調整の効果が期待できる
③リラックス効果や空気清浄効果が得られる
④押し入れで収納スペースが確保できる
⑤防音効果が期待できる

上記の内容について詳しく解説していきます。

和室のメリット①:さまざまな使い方ができる

和室の主なメリットとして、さまざまな使い方ができる汎用性の高さがあります。たとえば、以下のような使い方ができます。

・居間
・寝室
・昼寝などができるリラックス空間
・来客時の応接間
・子どもの遊び場
・洗濯物やアイロンがけなどの作業スペース

冬はこたつを置いて家族団らんのスペースとして使え、布団を敷けば寝室として活用することも可能です。ゴロンと横になりたいときに、フローリングだと躊躇しますが、畳だと思い切って横になれるので昼寝もできます。

また、来客時には応接間となり、心地よい時間を過ごすことも可能です。このように、空間を目的に合わせて自由に使える点に魅力を感じる方も少なくありません。

和室のメリット②:湿度を調節する効果が期待できる

い草やわらでできた畳は、湿度が高いときは湿気を吸収し、反対に湿度が低いと湿気を放出する性質があります。フローリングに比べて夏は涼しく冬は暖かいので、快適に過ごせる天然のエアコンと言えるのです。

和室のメリット③:リラックス効果や空気清浄効果が得られる

畳に使われているい草の香りは「森の香り」とも呼ばれており、森林浴をしたときのようなリラックス効果や安眠効果を得られると立証されています。

また、い草はシックハウス症候群の原因であるホルムアルデヒドや、二酸化炭素を吸収する働きがあります。室内の温度調整だけでなく、空気清浄効果まで兼ね備えているのです。

和室のメリット④:押し入れで収納スペースが確保できる

和室の押し入れは、クローゼットと比べて奥行きがあります。そのため、布団や衣装ケースなどの場所を取るものを収納するスペースとして活用する方も少なくありません。また収納スペースだけでなく、使い方によっては本棚や仕事・趣味のスペースとして利用することも可能です。

和室のメリット➄:防音効果が期待できる

い草の繊維に含まれた空気が音を吸収するため、畳はフローリングに比べて音が響きません。クッション性もあるため、和室は子どもの遊び場としてぴったりと言えます。ただし、防音効果があるとはいえ、集合住宅の場合は近隣住人への配慮が必要です。

和室のデメリット・注意点

メリットが多い和室ですが、以下の2つの点に注意しましょう。

①畳のお手入れが大変
②重いものを長期間置くと跡がつく

それぞれ詳しく解説していきます。

和室のデメリット①:畳のお手入れが大変

畳は傷つきやすく汚れやすい素材でできているため、フローリングと比べ、お手入れに時間がかかります。畳は隙間があり、その中に食べ物のカスや人のフケなどが入り込みます。フケなどはダニの餌となるため、定期的な掃除が必要です。

また、フローリングのようにサッと水拭きできないので、飲み物をこぼした際にも手間取ります。ペットを飼っている場合、畳がにおいを吸収して和室が動物臭くなることもあるため、より注意する必要があると言えます。お手入れの際は、ほうきを使い畳の目にそって掃き、雑巾で乾拭きをしましょう。

和室のデメリット②:重いものを長期間置くと跡がつく

和室にテーブルやタンスなどの重たい家具などを長期間置いていると、畳にへこみや跡がついてしまいます。

このようなへこみや跡について、国土交通省の「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」では、経年変化及び通常使用による損耗の修繕費用は原則貸主側が負担するものと定めています。

ただし、賃貸契約時に「特約」として畳の交換費用を請求する旨が記載されている場合、通常使用の範囲であっても入居者側が支払う必要があります。

畳に跡がつかないようにするには、家具の跡やへこみを防ぐ防振マットなどのグッズを活用するのがおすすめです。

跡がついた場合は、雑巾を濡らして絞り跡の上に置き、その上からアイロンをかけて乾燥させると、跡が目立ちにくくなります。ただし、この方法は天然のイ草を使用した畳にしか使えません。樹脂製や木材チップでできた畳には使えず、またへこみが大きい場合は修復仕切れないため、注意してください。畳を長持ちさせるためにも、普段からできる範囲でメンテナンスしていきましょう。

メリット・デメリットからわかる和室選びのポイント

新築やリフォームなどで和室を作る場合、以下の3つのポイントを押さえる必要があります。

①畳のデザイン
②置き畳の活用
③間取りや目的

どれも大事なポイントなので、後悔のないようにするためにも事前にどうするかを決めておきましょう。

和室選びのポイント①:畳のデザイン

長方形で緑というイメージがある畳ですが、近年は畳のデザインや色が多様化しています。

琉球畳

たとえば、「琉球畳」は正方形で縁がない畳です。色違いで市松模様に並べれば、和室でもおしゃれな雰囲気になる他、洋室との相性も良いのでおすすめです。

和室選びのポイント②:置き畳の活用

大がかりなリフォームをせず、フローリングに置き畳を使用して和室に変える方も少なくありません。

置き畳

置き畳とは、畳を置きたいスペースに並べるだけで畳スペースに変えられるアイテムです。使わないときは片付けられるので、ライフスタイルに合わせて柔軟に畳スペースを作れます。

和室選びのポイント③:間取りや目的

間取りや目的に合わせた和室にするのもポイントのひとつです。和室をリビングと繋げることで広々としたリビングになる他、扉を閉めれば独立した空間にもなり、幅広い用途で利用できます。

また、小上がり和室と呼ばれるスペースを作るのもおすすめです。小上がり和室とは、床に段差を作り、その上に畳を設置したスペースのことを指します。こちらはベンチ代わりとして腰掛けられる他、段差部分に物を収納することも可能です。

また、床の間や吊り押し入れ、長押などの造作を追加すると、より和の雰囲気を演出できます。

床の間

床の間は、お花や掛け軸などを飾るスペースのことで、格式高い雰囲気にしたい場合におすすめです。

吊り押し入れ

吊り押し入れとは、押し入れを吊り下げたものであり、こちらは下にスペースができるため部屋が広く感じられます。

長押を活用している様子

長押(なげし)は和室の壁面を囲っている化粧部材のことで、フックをつけて壁面収納にしたり、絵画を飾ったりすることも可能です。

このような工夫をすることでよりオリジナリティーあふれる和室にできるため、自分に合ったものを取り入れてみてください。

和室で快適な生活を送ろう!

和室はリビングや寝室、書斎などさまざまな用途に利用できる便利な空間です。また、畳は湿度の調節や空気の清浄効果があるため、リラックス空間に仕上げることも可能です。

現在の畳はデザインも多様化しているため、間取りや目的に合った畳を選べば、洋室と合わせても違和感が出ません。工夫次第でアレンジすることもできるので、興味をお持ちの方は一度畳のある空間で生活してみてはいかがでしょうか。

ふどサーチ編集部