賃貸物件の契約で必要になるものリスト!会社員、学生、フリーランスなど状況別に解説

物件契約に必要な書類(住民票)

初めて、もしくは久しぶりに賃貸物件を契約する場合、何を持っていけば良いのかわからないという方もいるかもしれません。
賃貸契約に必要なものは、入居者によって異なる場合もあるため、事前に確認しておく必要があります。

そこで今回は、賃貸物件を契約する際に必要になるものをご紹介します。

会社員・学生・フリーランスなど状況別に必要となるものについても詳しく解説していきますので、これから引越しをしようと考えている方はチェックしてみてください。

賃貸物件の契約で共通して必要になるもの

まずは、賃貸物件の契約で一般的に必要とされているものをチェックしていきましょう。

契約者・入居者・連帯保証人の情報

賃貸借契約では、契約者と入居者、連帯保証人の情報が必要です。

契約者は賃貸契約を結ぶ人であり、連帯保証人は家賃不払いなど金銭的な問題が発生した際に責任を取る立場になるため、不動産会社はそれぞれの人の属性をチェックします。

また、不動産会社は入居者を把握しておかなければならず、同棲や友人などとシェアをして生活する場合には、入居者全員の情報も提出する必要があります。

印鑑(実印、認印、銀行印)

賃貸物件を借りる際には、契約書に押印をするための印鑑が必要です。

契約書へ押印をする際は、「契約に合意した」という証拠にするため実印を用いるのが一般的です。
ただし、認印(三文判)や銀行印でも押印をすれば実印と同じ効力があるので、実印がない場合は認印か銀行印を用意しましょう。

また銀行印は、家賃を口座引き落としにする場合にも必要となるので、家賃の支払い方法によっては実印の他に銀行印が必要となるケースもあります。

印鑑証明

印鑑証明は、契約する本人の他に連帯保証人にも提出を求められることがあります。

通常、連帯保証人は契約締結の場に同席することはないため、印鑑証明書の提出で連帯保証人の証拠と見なす不動産屋も多いからです。

また、認印は誰でも購入でき、適当な印鑑で契約されるリスクがあります。このリスクを避けるため、実印と実印であることを証明する印鑑証明が求められるのです。

住民票

住民票は、役所に登録している住民票原本の写しで、現在の住所などを確認する身元確認の公的な書類となるため提出する必要があります。

住民票は役所で取得できますが、マイナンバーカードと利用者証明電子証明書があれば、コンビニのマルチコピー機から取得できます。また、市民カードがあれば出張所でも取得できます。

なお、住民票は、「世帯全員の写し」や「世帯一部の写し」など記載情報を選ぶ項目があります。単身での入居の場合は「世帯一部の写し」、家族で入居する場合は「世帯全員の写し」を選んでください。

身分証明書(運転免許証、学生証など)

身元確認のため、公的書類だけでなく公的身分証明書も必要です。

公的身分証明書は、種類によって1点で良いもの、2点用意しなければいけないものがあるので間違えないようにしましょう。

以下に、それぞれの代表的な身分証の例をまとめています。

【1点で身分証明書と認められるもの】
・運転免許証
・パスポート
・国家資格証(顔写真付き)
・マイナンバーカード

【2点あれば身分証明書と認められるもの】
・国民健康保険証(被保険者証)
・年金手帳
・学生証や会社の身分証明書(顔写真付き)
・共済組合員証

顔写真付きでないものは2点求められる場合が多いのですが、学生証や会社の身分証明書は顔写真付きでも2点必要となるため注意してください。

連帯保証人関連の書類

連帯保証人は、情報や印鑑証明だけでなく、住民票や収入証明などの書類も提出が求められます。

住民票は身元確認の公的書類として、収入証明は契約者の家賃支払いが滞ったときに、代わりに支払える能力があることの証明として提出しなければなりません。

収入を証明するもの(源泉徴収書、確定申告書、支払証明など)

契約者本人に支払い能力があるという証として、収入を証明するものも必要です。

会社員であれば源泉徴収票、フリーランスや自営業の場合は確定申告書や納税証明書、クライアントからの支払証明(直近のもの)を用意すれば問題ありません。

学生の場合、アルバイトで家賃を支払うのであれば、給与明細などで支払い能力を確認されることが考えられます。もし収入がない場合はご両親との賃貸契約になるので、ご両親の収入証明が必要です。

引き落とし口座の通帳

家賃の支払い方法が、銀行口座の自動引き落としとなっている場合は引き落とし口座の通帳が必要です。

自動引き落としを指定している不動産会社は「預金口座振替依頼書」を用意しており、そこに銀行口座番号など必要事項を記入しなければなりません。その際には、銀行印も押印するので、併せて用意しておきましょう。

また、現在使っている口座ではなく、家賃引き落とし専用の口座にしたいのであれば、事前に口座を開設しておいてください。

初期費用(敷金、礼金、前家賃、手数料、保険料など)

賃貸借契約をするときには、印鑑や書類だけでなく「初期費用」としてまとまったお金が必要です。

賃貸契約でかかる初期費用は引越し費用とは別のもので、内訳や金額は不動産会社や契約する賃貸物件によって異なりますが、いずれにしても必要となるものです。目安としては家賃の5〜7ヶ月分がかかるので、不足がないよう余裕をもって準備しておきましょう。

以下に主な初期費用についてまとめています。

初期費用の内訳内容
敷金・目安は家賃1ヶ月分
・家賃の担保や退去時の修繕負担費用に充てられるもので、入居者が貸主に支払うお金
・家賃未払いや退去時の修繕負担がない場合には原則返金される
礼金・目安は家賃の1ヶ月分
・部屋を借りるお礼として大家さんに支払うお金で、上限は決まっていない
・礼金は敷金と違い返金されない
前家賃・前管理費・翌月の家賃や管理費を前払いするためにかかるお金
・月の途中から入居する場合は、前家賃に加えて入居月分の日割り家賃を支払うケースもある
仲介手数料・上限は家賃1ヶ月分(+消費税)と決められている
・物件案内や契約手続きなどをしてくれた不動産仲介会社に報酬として支払うお金のこと
保険料・賃貸物件を借りる際、火災保険に加入することが義務付けられている物件もあり、初期費用に火災保険料も含まれる
・支払う義務がない物件の場合も、万が一のことを考えて自分で加入しておくことがおすすめ
・保険料は保険会社に支払うが、不動産会社が加入確認を行うこともあり、保険証のコピーを提出するケースもある

上記項目のほかにも鍵交換費や消毒料などがかかる場合もあります。

賃貸契約にかかる初期費用について気になった方は、こちらの記事でどんな初期費用がかかるのかや金額の目安などを詳しく紹介しているので、ぜひあわせてチェックしてみてください。

賃貸物件の契約で場合によって別途必要になるもの

賃貸物件の契約では、賃借人の状況によっては別途必要となるものがあります。

必要なものは不動産会社の担当者が教えてくれますが、念の為、自分の状況と照らし合わせながら以下でご紹介する内容を事前にチェックしておいてください。

フリーランス・自営業・無職の場合

フリーランスや自営業、もしくは無職の場合、収入が不安定だと見られる傾向にあり、家賃滞納のリスクを懸念されます。

仕事をしていれば良いのではと思うかもしれませんが、高収入だとしてもフリーランスや自営業は確実に収入を得られる保証がなく「不安定」という点で、審査の際に無職と同様に扱われてしまうことも少なくありません。

そのため、必要になるかならないかは不動産会社や大家さんによって違いますが、自営業の方は会社の決算書、フリーランスの方は前年度の所得税の確定申告書を準備しておくことをおすすめします。

無職の場合は所得を証明できないので、前家賃を数ヶ月分払うなどで、お金に余裕があることを証明する必要がある場合もあります。

新社会人の場合

新社会人で一人暮らしをする場合、身元確認の際に必要な社員証や保険証がまだ手元にないことも多いため、内定通知書や雇入通知書など勤務先を証明できるものを提出しましょう。
内定通知書があれば、今現在働いていないとしてもいつから働くのかがわかり、大家さんや不動産会社の不安もなくなります。

ただし、内定通知書に給与の記載がない、もしくは労働条件通知書がない場合には、家賃の支払い能力を証明するのが難しくなってしまいます。

可能であれば給与予定額を申告したり、あらかじめ前家賃を多めに払ったりすると審査に通りやすいかもしれません。

学生の場合

学生の場合、未成年の契約では親権者の同意が必要なため、同意書の提出が求められます。

不動産会社によっては、学生本人ではなく両親を契約者にするよう求めてくるケースもあるので、柔軟に対応できるようにしておきましょう。

また、本人確認書類として学生証の提示が求められますが、入学前で用意できない場合は合格通知書を提示しましょう。

必要なものを揃えた後、賃貸物件の契約をする流れ

賃貸物件を契約するまでの細かい流れは、不動産会社や契約内容によって異なりますが、大まかな流れはほぼ同じです。

どのような流れで契約をするのか、揃えた持ち物はどのタイミングで必要になるのかを見ていきましょう。

【物件契約までの流れ】
①契約したい賃貸物件が決まったら初期費用の確認をする
②入居申し込み手続きをする
(必要なもの:契約者・入居者・連帯保証人の情報/身分証明書/連帯保証人関連の書類/収入証明書類)
③入居審査
④入居審査通過後、重要事項の説明を受ける
⑤契約(必要なもの:住民票/印鑑(実印・認印・銀行印)/印鑑証明/通帳/初期費用)

以上が賃貸物件の契約の流れになります。

自分の状況にあわせて正確な流れや持ち物を知りたい場合は不動産会社に確認を取ってみてください。

必要なものを抜かりなく揃えてスムーズに賃貸物件の契約をしよう

賃貸物件の契約を結ぶには、用意しなければならないものがたくさんあります。

自分で用意できるものはもちろんですが、連帯保証人になってくれる人に用意してもらわなければならないものもあるため、早めに何が必要であるかを確認し、余裕をもって準備する必要があります。

契約時に必要なものがすべて揃っていないと、当然ですが契約を完了させることができません。
必要なもの各種については準備するための段取りも事前に確認し、取得に時間のかかりそうな書類関係は余裕をもって用意しておく必要があります。

必要なものを抜かりなく揃えて、二度手間にならないよう注意して契約の場に臨みましょう。

ふどサーチ編集部