家賃保証会社を利用する際は、事前に入居審査が行われます。審査が初めての場合、「入居審査って何をするの?」「審査は落ちることもあるの?」といった不安を抱えることもあるかもしれません。
そこで今回は、賃貸物件における保証会社の入居審査について詳しく解説していきます。入居審査の目的や審査項目、必要書類などが知りたいという方はぜひチェックしてみてください。
目次
賃貸物件における保証会社の入居審査とは?
賃貸物件における保証会社の入居審査とは、家賃の支払い能力や契約者として信用に問題がないかをチェックするための審査です。
保証会社と契約すると、家賃の滞納などがあった際、連帯保証人の代わりに費用を立て替えてもらえます。このときの立て替え費用は、のちに保証会社へ支払わなければならないため、保証会社は契約者の経済力を審査でたしかめる必要があります。
審査項目の例をいくつか見ていきましょう。
<入居審査の項目>
・家賃の支払い能力
・入居希望者の職業
・入居希望者の人柄
・過去の滞納歴(家賃やクレジットカードなど)
次項からは、審査に必要な書類や期間などについて解説していきます。
また、保証会社についてより詳しく知りたい方はこちらの記事「賃貸保証会社(家賃保証会社)とは?利用するメリット、注意点を詳しく解説」もあわせてご覧ください。
入居審査に必要な書類
入居審査に必要な書類は以下のとおりです。
<必要書類一覧>
・申込書
・本人確認書類
・収入を証明する書類(源泉徴収票や確定申告書類など)
申込書には入居者の個人情報(氏名や性別)、勤務先の情報などを記載する必要があります。本人確認書類として有効なのは、免許証や保険証など公的な書類のみなので注意しましょう。
賃貸物件における保証会社の審査にかかる期間
保証会社の入居審査は、結果が出るまでに当日~7日ほどかかります。必要書類の有無や記載内容の誤記などがあれば、審査期間は長引くおそれがあるため注意してください。
また審査終了の期間には個人差があるので、上記の期間で終了するとは限らないことを理解しておきましょう。審査に時間がかかることも想定して、申請は余裕のあるスケジュールで行うことが大切です。
賃貸物件における保証会社の入居審査が長引くケース
ここでは賃貸物件における、保証会社の入居審査が長引くケースについて解説します。各ケースを参考に、審査がスムーズに終わるよう準備しましょう。
提出書類に不備があるケース
提出書類に不備がある場合、審査が長引くかもしれません。記入漏れや誤記などがあると確認作業を行わなければならず、この作業が審査期間に影響します。
書類を完成させた後はすべての内容を再度確認し、不備がない状態で提出しましょう。
確認連絡を受けていないケース
入居審査中は保証会社から確認の連絡が入りますが、この連絡を受けなければ審査が長引くおそれがあります。
確認連絡とは、契約者本人への意思確認と申込書に記載された内容に間違いがないか確認するためのものです。審査の申し込み後はいつでも電話を取れる状態にして、審査をスムーズに進められるよう備えましょう。
また、仕事や家庭の事情などで忙しく、なかなか電話が取れない場合もあるかもしれません。しかし、連絡がつかないことが続くと音信不通とみなされ、審査がキャンセル扱いになるおそれがあります。
連絡を受け取れなかった場合も、手があいたタイミングで折り返しの連絡を入れましょう。
賃貸物件における保証会社の入居審査で重視されるポイント
ここでは保証会社の入居審査で重視されるポイントを2つ解説します。各ポイントを押さえて、滞りなく審査を進めましょう。
重視されるポイント①:家賃を支払う能力
家賃の支払い能力は入居審査における重要なポイントです。そのため賃貸物件は、給与と家賃のバランスを考えて選ぶ必要があります。
支払い能力の審査では、現在の給与で家賃を支払えるかをチェックされます。
収入に対して高額すぎる家賃の場合、入居審査に通らないかもしれません。詳細な審査基準は公開されていませんが、審査を無事に通過したい場合は収入の約20%の家賃を目安にしましょう。
国税庁の民間給与実態統計調査によれば、日本の平均給与(令和2年)は433万円でした。さらに、国土交通省が発表する住宅市場動向調査報告書によると、賃貸物件に入居した人が支払っている家賃の平均は66,897円です。これらの数値からも、収入に対する家賃の目安は約20%ということがわかります。
この割合でなければ審査に通らないというわけではありませんが、1つの目安として参考にしてみてください。
重視されるポイント②:入居予定者の性格や属性
入居予定者の性格や属性なども、審査においては重要なポイントになります。保証会社としては、トラブルを起こさず規律を守ってくれる人と契約したいと考えるからです。
たとえば、家賃の滞納により保証会社が費用を立て替えた際、費用請求のために保証会社は契約者へ連絡します。このとき、連絡がつかなくなると保証会社は費用を徴収できないかもしれません。
このようなトラブルを防ぐためにも、入居審査では性格や属性などもチェックされます。むずかしい質問や面接などが行われるわけではなく、常識的な受け答えができていれば問題ありません。審査の際は丁寧な口調でコミュニケーションを取りましょう。
賃貸物件における保証会社の入居審査に落ちやすい人の特徴
保証会社の入居審査に落ちやすい人は、いったいどんな特徴を持っているのでしょうか。以下にご紹介する内容に当てはまるようであれば、対策を講じられるよう準備しましょう。
安定した収入が得られる職業ではない人
安定した収入が得られる職業ではない場合、入居審査に落ちる可能性があります。たとえば、無職などの場合は、収入が安定しないと判断されやすい傾向にあります。
さらに自営業(フリーランス含め)についても、たとえ一定の収入があったとしても、会社員のように決まった額の給与が毎月あるわけではないため、収入が安定しないと判断される可能性があります。
ただし、入居審査は職業のみで判断されるわけではなく、収入と家賃のバランスが取れているか、家賃を支払える能力があるかをチェックされます。自身の収入が示せる書類を用意して、家賃の支払い能力があることをアピールしましょう。
現在無職の人は、状況に応じて以下のような書類を用意してください。
<無職の人が用意する書類>
・転職中の人:昨年度の源泉徴収票や確定申告書類の写し
・転職先が決まっている人:給与の支払い(見込み)証明書
・転職する予定のない人:預金通帳の残高
注意点として、上記はあくまでも家賃の支払い能力を示す書類であり、提出することで必ずしも審査に通過するとは限りません。
アルバイトやフリーター、契約社員として働いている人
アルバイトやフリーター、契約社員として働いている人も、前述した内容と同様に、収入が安定しないと判断されやすい傾向にあります。このケースにおいても、家賃の支払い能力があることを示せる書類を準備しましょう。
提出書類の例としては、預金通帳や源泉徴収票などが挙げられます。収入と家賃のバランスも考えて、問題なく家賃が支払える賃貸物件を選ぶことも重要なポイントです。
また、複数の預金口座を持っている場合は、各口座の預金通帳を用意するか、1つの口座に預金をまとめて書類を提出しましょう。一時的に働けない状態になったとしても「預金で家賃が支払える」とアピールすることが大切です。
家賃やカードなど何らかの滞納歴がある
家賃やクレジットカードなど、これまでに滞納歴がある人も入居審査に落ちやすいです。
さらに、滞納期間が長い場合、今後も同じような状況に陥るおそれがあります。そのため、保証会社は過去の滞納歴をチェックして、問題なく家賃を支払えるかどうかを確認します。
ただし、滞納歴があると必ずしも審査に通らないというわけではありません。保証会社によって審査基準が異なるため、不安な人は保証会社の特徴を把握しておきましょう。
<保証会社の特徴>
・信販系:クレジットカードの信用情報をもとに、滞納歴をチェックする
・独立系:独自の基準を設け審査を行う(信用情報での審査とは限らない)
また、過去に保証会社を利用して家賃を滞納していた場合、同じ保証会社を利用すると審査を通過できないおそれがあります。さらに、別の保証会社であっても、滞納歴のある保証会社と所属が同じだった場合、情報共有が行われて審査で落とされるかもしれません。
審査が不安な人は、審査基準と保証会社についても事前にチェックしておきましょう。
人柄や態度でふさわしくないと判断される人
人柄や態度でふさわしくないと判断される人も、審査に落ちる可能性があります。前述のとおり、保証会社は隣人との衝突や家賃滞納などのトラブルを起こさない人と契約したいと考えます。
契約内容を守らない、クレームの連絡が多いなどを想起させる人は、審査に通らないかもしれません。電話連絡を受けた際は、言葉遣いや態度に気をつけてコミュニケーションを取りましょう。
同棲を考えている人
同棲を考えている人の場合、家賃が高くなる(2人世帯向けの賃貸物件)ことで収入とのバランスが取れないと判断されるおそれがあります。理由は、収入を審査されたとき、契約者1人分の収入では「支払い能力なし」となる可能性があるためです。
1人分でも十分な収入があれば問題ありませんが、契約の際は2人の連名で申し込みを行うのが無難です。2人分の収入であれば、支払い能力があると判断されやすくなります。
連帯保証人に何らかの問題がある人
原則として、保証会社との契約で連帯保証人が求められるケースは少ないです。
しかし、保証会社によっては個別事情(社会的信用がない新社会人など)により、連帯保証人を求められることもあります。その際、連帯保証人に何らかの問題があると、不適切と判断されて審査に通らないおそれがあるのです。
たとえば、連帯保証人に経済能力がない場合、保証人としての役割を果たせないので審査に落ちてしまう可能性があります。連帯保証人を求められた場合には、万が一のときに家賃分の費用が支払える人を選びましょう。
保証会社を利用するときの審査ポイントを押さえよう
保証会社が行う入居審査では、契約者本人に経済能力があるかどうかをチェックされます。以下のような審査項目があるため、事前に確認しておきましょう
<入居審査の項目>
・家賃の支払い能力
・入居希望者の職業
・入居希望者の人柄
・過去の滞納歴(家賃やクレジットカードなど)
なかでも重要なのは、家賃の支払い能力と過去の滞納歴です。これらは保証会社にとって、立て替えた費用を徴収できるかどうか判断する大事なポイントになります。
スムーズに審査を通過するためにも、事前に入居審査で重視されるポイントをチェックしておきましょう。
また、入居審査に落ちやすい人の特徴もチェックして、自分は当てはまるか・どのような準備が必要かを確認することも大切です。収入面だけでなく、言葉遣いや態度などもトラブルを起こしにくい人かといった面で、審査の対象になるのが一般的です。
自分で変えられるところは変えるよう意識しつつ、マナーを守って内見や審査に臨みましょう。