オートロックや宅配ボックスなど、賃貸物件には様々な設備がありますが、なかには一戸建て住宅のように専用庭付の賃貸物件もあります。「庭付き賃貸物件は魅力的だけど、どんなデメリットがあるのだろう…」と悩んでいる方もいるのではないでしょうか。
今回は、専用庭付き賃貸物件の特徴やメリット・デメリット、おすすめの選び方などを紹介していきますので、庭付きの賃貸に住みたいと考えている人はぜひ参考にしてください。
目次
専用庭付き賃貸物件とは
専用庭付き賃貸物件とは、文字通り専用の庭がついた賃貸物件のことです。一戸建てだけでなく、賃貸マンションや賃貸アパートでも部屋が1階であれば専用庭がついている場合があります。
通常の賃貸物件にはバルコニーがついている場合が多いですが、専用庭付き賃貸物件の場合はバルコニーの代わりに庭がついています。そのため、専用庭を使って洗濯物を干す方も少なくありません。
賃貸物件の場合、専用庭は「専用使用権が認められた共用部分」という認識です。通常の部屋とは違い、管理組合が管理する責任があるため、専用庭の使い方にルールがある場合はそれに従わなければいけません。
たとえば専用庭に避難経路が設けられている場合、その周辺に荷物を置くことは禁止されています。賃貸物件によっては、物置や大きな物を置くことが禁止されているところもあります。希望通りの専用庭の使い方ができない可能性もあるため、前もって契約書の内容を確認することが重要です。
専用庭付き賃貸物件を契約するメリット
専用庭付き賃貸物件には、主に3つのメリットがあります。
・開放感がある
・洗濯物が広々と干せる
・趣味や遊びなど息抜きに活用できる
どれも専用庭付きがあるからこそのメリットなので、あらためてチェックしておきましょう。
メリット①:開放感がある
専用庭がある賃貸物件には開放感があります。部屋の前に庭が広がっているため、好きな時に外に出て太陽の光や風を全身で感じることもできます。
また、庭があることで前の建物や道路までに距離が生まれ、人の目が気になりにくくなります。1階の賃貸マンション・アパートで人通りの多い道沿いの場合、人の目が気になってカーテンを閉めっぱなしという人も多いのではないでしょうか。専用庭があることで目隠しになり、窓やカーテンを開けていても気になりにくくなります。
メリット②:洗濯物が広々と干せる
専用庭は通常のバルコニーより広い場合が多いので、大きなスペースを使って洗濯物が干せるのもメリットです。専用庭がない賃貸物件の場合、スペースや日当たりなどといった理由で外干しができないことも少なくありませんが、専用庭があればそのような心配は不要です。
普段はなかなか干せない布団やカーペットなどの大きな洗濯物も、専用庭を使うことで気軽に干すことができます。広々したスペースで洗濯物が干せるので、家事の時間がいつもより楽しくなるかもしれません。
メリット③:趣味や遊びなど息抜きに活用できる
専用庭は、ガーデニングや日向ぼっこ、子どもやペットとの遊びなど趣味の時間にも活用できます。制限の多いバルコニーに比べ、ガーデニングも気軽に行えます。小さなテーブルと椅子を置き、コーヒーを飲みながら優雅な気分に浸るのも良いでしょう。
賃貸物件でガーデニングをする場合の注意点やおすすめの植物については、こちらの記事でも紹介しています。気になった方はぜひチェックしてみてください。
▶賃貸でガーデニングをする前に確認すべきこととは?初心者におすすめの植物も紹介
また、専用庭は遊び場としても活用できるため、とくに子どもがいるご家庭に大きなメリットといえるでしょう。夏場には小さなプールを置くことで、手軽に水遊びができるのも魅力です。ただし、賃貸物件によっては設置できるアイテムが限られていることもあるので、事前に確認しておきましょう。
専用庭付き賃貸物件を契約するデメリット・注意点
メリットの多い専用庭ですが、以下のようなデメリットや注意点もあります。
・手入れに手間がかかる
・そもそも専用庭付き物件が少なく、家賃が高くなる傾向がある
・用途に制限が設けられている場合がある
・虫が出やすい
トラブルにならないよう、上記4つの内容を事前に頭に入れておきましょう。
デメリット①:手入れに手間がかかる
専用庭の大きなデメリットのひとつが庭のお手入れです。放っておくと雑草が生えたり虫が寄ってきたりするため、定期的に手入れする必要があります。
専用庭は共用部分ではありますが、専用使用権が認められているため入居者に管理義務が発生します。専用庭の手入れを怠り庭の状態を悪くしてしまうと、場合によっては原状回復の費用が発生する場合があるため注意が必要です。
デメリット②:そもそも専用庭付き物件が少なく、家賃が高くなる傾向がある
専用庭付き賃貸物件は物件数が少なく、さらに1階に限定されるため探すのが難しいです。ここでは新宿区を例に、専用庭付きの賃貸物件を探すケースについて見ていきましょう。
物件数 | 10万円以下の賃貸物件 | |
---|---|---|
条件指定なし | 7,809件 | 4,034件 |
専用庭付き | 29件 | 16件 |
※参考:CHINTAIネット(2022年6月時点)
上記の表を見ると、専用庭付きの賃貸物件の数は29件と物件数全体に対して数がかなり少なく、希少であることがわかります。また、新宿区の家賃相場である家賃10万円以下で絞った場合は16件とさらに減少するため、入居倍率は高い傾向にあるといえるでしょう。
デメリット③:用途に制限が設けられている場合がある
専用庭には管理規約が設けられている場合が多いです。メリットの項目で紹介した子ども用の小さなプールの設置も、賃貸物件によっては禁じられているケースがあります。具体的な使い方を想像していても、管理規約が厳しければそのように使うことができずストレスが溜まってしまうかもしれません。
とくに希望する使い方がある人は、前もって不動産会社に希望を伝え、そのような使い方ができるかを確認しておくことが重要です。
また、もし具体的なプランがなかったとしても、事前に禁止事項を確認しておかないと、入居してから「意外と自由に過ごすことができない!」と不満に思うかもしれません。
デメリット④:虫が出やすい
専用庭を持つことで、通常の賃貸物件よりも虫に接触する機会が増えるでしょう。家の窓を開けっぱなしにしておくと家の中に虫が入る可能性も高くなるため、虫が苦手な人には庭付き賃貸物件はおすすめできません。
また害虫が増える可能性もあるため、市販の害虫対策アイテムも用意しなければなりません。とくに子どもを庭で遊ばせたいという人は、蚊や蜂に刺されないよう対策が必要です。
専用庭付き賃貸物件がおすすめの人
ここまで専用庭付き賃貸物件のメリット・デメリットについて見てきましたが、以下のような人であれば専用庭がある生活を楽しめることができるでしょう。
・住まいに開放感がほしい人
・アウトドアの趣味を楽しみたい人
・虫が苦手ではない人
専用庭の開放感は、通常の賃貸物件ではなかなか得ることができません。日光や風も日常生活で取り入れやすくなるので、自然を感じながら日々の生活を送ることができるでしょう。
また、アウトドアが趣味という人にも庭付き賃貸物件はおすすめです。バルコニーよりも広いスペースを活用しながら、ガーデニングやキャンプなどさまざまな趣味を楽しむことができます。
ただし、庭付き賃貸物件には虫がつきものだといっても過言ではありません。家の中に入ってくることも多いので、虫に苦手意識を持っていると不快に感じてしまうかもしれません。
後悔しない専用庭付き賃貸物件の選び方
専用庭付き賃貸物件を公開しないためには、以下のポイントを活用しながら賃貸物件を選びましょう。
・複数のポータルサイトを活用する
・複数の物件を内見し、比較する
・管理規約について十分に確認する
それぞれの詳しい内容は以下のとおりです。
専用庭付き賃貸物件の選び方①:複数のポータルサイトを活用する
物件数が限られる専用庭付き賃貸物件は、1つのポータルサイトだけでは見つかりづらい場合がありますん。そのため、実際に賃貸物件を探す場合は複数のポータルサイトを活用するのがおすすめです。また、庭付き賃貸物件の特集を組んでいることも多いので、状況に応じてポータルサイトを使い分けながら希望通りの賃貸物件を探していきましょう。
専用庭付き賃貸物件の選び方②:複数かの物件を内見し、比較する
専用庭の全容は、間取り図を見ただけではわかりません。間取り図では素敵に思えても、広さがイメージと違ったり、周辺の建物のせいで日陰になっていたりする可能性もあるため、内見時のチェックが重要です。また、専用庭だけでなく物件の設備や間取りなど様々な条件を比較検討し、自分に合った賃貸物件を探すようにしてください。
専用庭付き賃貸物件の選び方③:管理規約について十分に確認する
専用庭を思い通りに使いたい人にとって、管理規約の確認は欠かせません。賃貸物件や管理会社によって管理規約の内容はさまざまなため、希望する賃貸物件のNG行動とOK行動のラインを正確に把握しましょう。
希望する利用方法がNG行動にあたる場合、違う賃貸物件を探すのがベターです。どうして庭付き賃貸物件が良いのか、希望する賃貸物件で自分のイメージ通りの活用ができるのかを事前に確認することで、契約後の後悔をなくすことができます。
庭付き賃貸物件にはさまざまな使い道がある!
専用庭がついた賃貸物件には、主に以下3つのメリットがあります。
・開放感がある
・洗濯物が広々と干せる
・趣味や遊びで息抜きができる
住まいに開放感がほしい人やアウトドアの趣味を楽しみたい人には特におすすめです。ただし、虫が多い、手入れに手間がかかるといったデメリットもあるので、本当に必要かどうかを見極めないといけません。
また、管理規約によって使用方法が限定されている場合もあるため、契約書の内容を十分にチェックしてから契約するかどうか決めましょう。