初めての一人暮らしに失敗しないためのポイントは?引越しの手順や必要なものを紹介

初めての一人暮らしを楽しむ女性

初めての一人暮らしとなると「一人暮らしをしたらこんな部屋に住みたい」「おしゃれなインテリア雑貨を置きたい」など、楽しい生活を想像しますが、実際にはお金もかかり、必要な手続きなどもたくさんあります。しかし、初めてだと何から手をつければいいのかわかりませんよね。

今回は、初めての一人暮らしでも失敗しないための3つのポイントを解説します。また、新生活を始めるまでにそろえておきたいものをいくつか紹介していきますので、一人暮らしを検討中の方はぜひ参考にしてください。

初めての一人暮らしで失敗しないための3つのポイント

一人暮らしが決まったら、まずは以下の3つのポイントに注意しましょう。

1.一人暮らしにかかる費用を把握する
2.部屋を決めるときは慎重に検討する
3.実家から持っていく荷物は最小限にする

上記の内容について詳しく説明していきます。

一人暮らしにかかる費用を把握する

一人暮らしを始めるには、おもに以下の3つの費用がかかるため、ある程度まとまったお金が必要です。

■引越し費用などの初期費用
一人暮らしを始める際には、引越し費用や物件の敷金礼金、仲介手数料などの初期費用がかかります。一般的に、初期費用は家賃の5〜7ヶ月分が必要です。

■家賃
家賃は手取り収入の3分の1程度を上限とするのが一般的です。

■生活費
食費や交通費など、生活にかかるお金です。


以下に、それぞれの費用について詳しく見ていきましょう。

引越し費用などの初期費用

実家から出て一人暮らしをするには、賃貸物件の契約にかかる費用や引越し費用がかかります。必要となる初期費用を表にまとめているので、参考にしてみてください。

項目金額の目安
敷金(保証金)家賃1〜2ヶ月分
礼金(敷引)家賃1〜2ヶ月分
仲介手数料家賃0.5〜1ヶ月分
前家賃(翌月分の家賃)家賃1ヶ月分
日割り家賃原則、家賃÷30日×[入居日から月末までの日数]
火災保険料約10,000〜20,000円
保証会社利用料家賃0.5〜1ヶ月分
鍵交換費用約15,000〜20,000円

地域や不動産会社によって、上記の費用は変わります。また、初期費用を減らしたい人は、敷金・礼金が無料の「ゼロゼロ物件」を探してみるのもよいでしょう。

また、引越しにかかる費用は、引越しをする時期や移動距離、荷物の量によって変動します。繁忙期である3~4月は依頼者が集中するため、価格が高騰します。

次に引っ越し費用について、日本通運の引越し単身パックを利用した場合の料金を見てみましょう。

移動距離単身パックS単身パックL
東京→東京19,800円22,000円
東京→神奈川20,900円24,200円
東京→大阪28,600円34,100円
東京→福岡38,500円47,300円

出典:日本通運 引越し単身パックS・L

繁忙期になれば料金はさらに高くなるため、引越し費用は最低でも5万円を見積もっておきましょう。

さらに、上記の費用に加えて、家具家電・日用品の購入費も必要になります。初期費用は、引越しの距離や時期、準備するものなどを一通り考慮して用意しておくようにしましょう。

家賃

家賃は毎月かかってくる固定費の1つで、手取り収入の3分の1程度を上限として検討するのが一般的です。住居費は支出の中でも特に割合が大きく、また簡単に住み替えることもできないため、収入に見合った無理のない金額に抑えることが望ましいです。
物件によっては、家賃に加えて共益費もしくは管理費を支払う必要があることも忘れてはいけない大事なポイントです。

生活費

総務省の家計調査によると、2020年の単身世帯の1ヶ月の平均支出は150,506円でした。月々必要となるおもな生活費の平均を見ていきましょう。

【2020年単身世帯の家計収支平均

項目平均金額
食費38,257円
光熱・水道費11,686円
電気代5,791円
通信費7,286円
交際費12,934円
交通費2,633円

出典:総務省統計局 家計調査 家計収支編 (単身世帯)

上記の生活費に加え、洋服代や日用品・消耗品の費用などもかかってきます。また、収入減少などの不測の事態や臨時支出に備えた貯金も必要です。手取り収入と照らし合わせ、月に使う金額を決めておきましょう。

なお、家電・家具にかかる費用を抑えたいと考えている方は、後述の『【厳選】一人暮らしの家に最低限必要なアイテム9つ』で便利なアイテムを紹介しているので、そちらもチェックしてみてください。

部屋を決めるときは慎重に検討する

部屋を選ぶときには「安いから」「新築だから」といった理由だけで選ぶと、後悔する場合があります。また、予算や希望条件を決めないまま不動産会社に行くと、余計な時間や手間がかかってしまうため、予算上限や絶対に譲れない条件・そのほかの条件の優先順位などを決めてから相談するのがおすすめです。部屋選びの際に重要なポイントを以下で紹介します。

家賃

先述のとおり、家賃は手取り収入の3分の1程度を上限とするのが一般的です。学生であれば、月々のアルバイト収入や仕送りから捻出できる分を計算して選びましょう。どんなに魅力的な部屋でも、家賃が高すぎると生活が回らなくなってしまうため、上限を超えてしまう物件を契約するのは控えましょう。

住むエリア

なるべく通勤・通学がしやすいエリアにするのがおすすめです。通勤・通学時間が長いと自由な時間が削られてしまい、また利用する交通機関が混雑している場合は体力を消耗しやすくなります。

ただし、都心へ近づくほど家賃相場は上がるので、通勤・通学先が都心の場合は家賃と通勤・通学時間のバランスを慎重に検討しましょう。

近年は、リモートワークなどで勤務地に左右されない働き方も増えています。通勤時間や通勤のしやすさだけでなく、住みたいエリア・好きな街に住むのもいいでしょう。また、治安の良さや買い物のしやすさなど、ライフスタイルに合わせて選ぶのもおすすめです。

最寄り駅からの距離

最寄り駅までの距離も、部屋選びの大切なポイントです。会社・学校までの乗車時間が短くても、家から最寄り駅まで距離があれば、実際の通勤・通学時間は長くなります。とくに雨の日や雪の日、重い荷物がある日などは苦労をするでしょう。

また、家と最寄り駅までの間の環境もポイントです。長い階段や坂道、開かずの踏切などがあると、想像以上に駅まで時間がかかる場合もあります。とくに女性であれば、街灯の有無や人通りの多さなどにも留意する必要があります。住宅街の場合、夜は人通りが少ないため、夜道を歩く際には注意が必要です。最寄り駅までの距離と併せて、家までの道のりの様子についても、物件の契約前にしっかりと確認しましょう。

そのほかの部屋選びの比較ポイント

そのほかにも、部屋の設備や周辺環境について、譲れない条件があればまとめてみましょう。しかし、希望条件が多すぎると、条件を満たす物件は見つけにくいため、以下のように条件を整理しながら妥協できる・できないポイントを決めておきましょう。

【条件比較の例】

 
チェックポイント
間取りバス・トイレ別/ユニットバス
独立洗面台あり/なし
部屋の広さ・部屋数
階数、エレベーターあり/なし
和室/洋室
設備築年数
構造(木造/鉄筋系/鉄骨系 など)
コンロの数、IHコンロ/ガスコンロ
室内洗濯機置き場/洗濯機置き場が外
収納あり/なし
オートロックあり/なし
周辺環境駅から徒歩10分以内/10分以上
急行停車駅/普通列車しか止まらない/始発駅
日当たり・風通しが良い
スーパーやコンビニまでの距離
線路・大通り沿い(騒音が多い/少ない)

実家から持っていく荷物は最小限にする

実家から持ち出す荷物は最小限にして、家具や家電は一人暮らし用で新品を買うのがおすすめです。実家で使っていた家具家電は、一人暮らしの部屋では大きさが合わない場合があります。

部屋が狭くなってしまうため、部屋のサイズに合った最低限の家具家電を新しく用意するのがよいでしょう。なお、最低限必要なものは後述しているので、そちらも参考にしてみてください。

一人暮らしを始めるまでの手順

一人暮らしを始めるまでには、思ったよりもやるべきことが多く、とくに初めての一人暮らしではなにから手をつければよいのかか悩んでしまう方も多いでしょう。ここからは、一人暮らしを始めるまでの手順について解説していきます。

➀部屋の候補を選ぶ

まずは、 不動産会社に行く前に住みたい部屋の候補をいくつか選んでおきます。ポータルサイトなどをチェックし、希望の家賃・エリア・条件に合う候補物件を複数選んでおきましょう。1つだけに絞ると、すでに成約されている場合があり、最初から探さなければいけません。

また、候補を選ぶ際は、前述の『部屋選びは慎重に検討する』を参考にして譲れない条件・優先順位を決めましょう。

②不動産会社に行き内見をする

実際に候補物件をいくつか選んだら不動産会社に連絡を入れて、内見の予約をします。内見は、写真だけではわからない物件の状態を実際に確認できるチャンスです。ただ部屋を見るのではなく、以下のポイントをチェックしながら内見をしましょう。

・日当たり
・室内のにおいや窓を開けたときの外からのにおい
・防音性(隣や上の部屋の生活音が聞こえないか)
・スマホの電波が入るか
・コンセントの数や位置
・共用部分の環境(廊下やごみ捨て場が清潔か)
・駅までの距離や周辺環境

部屋だけでなく、共用部分も内見でチェックしておきたいポイントです。荷物が置きっぱなしになっていたり、ごみ捨て場にごみが散らかったりしている場合があります。管理が行き届いてない、住人のマナーが悪いなどの原因が考えられるため、忘れずに確認しておきましょう。

また、自分の足で実際に駅までどれくらいかかるかや、夜道の明るさを確認しておくことも重要です。周辺環境は昼夜でガラッと変わるため、可能であれば昼と夜に、駅から部屋までの道のりを歩いてみてください。

③賃貸物件の契約をおこなう

物件が決まれば賃貸契約に進みます。契約にあたっては、連帯保証人が必要となります。連帯保証人とは、借主が家賃が払えなかった場合に代わりに支払い義務を負う人を指し、親や兄弟などに頼むのが一般的です。

事情により連帯保証人を立てられない場合は、保証会社に頼むこともできます。なかには保証人不要の物件もあるので、あらかじめ担当者の方に確認しておきましょう。なお、賃貸物件の契約時には以下の点に注意が必要です。

■入居申し込みをするのは原則1件だけ
内見は複数の候補を挙げて実際に足を運びますが、実際に入居を申し込むのは原則として1件にしましょう。ほかの方の契約を邪魔してしまうおそれがあり、不動産会社からの信頼も損なってしまいます。

■入居申し込みは原則先着順で決まる
入居申し込みは先着順が一般的です。申し込みが早かった人から審査に入るため、スムーズに対応してもらえるよう、必要書類はそろえておきましょう。

また、2番手であっても、1番手の方が審査に落ちたりキャンセルした場合など、契約に進めることもあります。

④電気・水道・ガス・インターネットの契約をする

部屋の契約を済ませたら、ライフラインを整えます。電気は自分で好きな会社を選べるので、生活パターンや特典で選ぶのもよいでしょう。また、会社によってはガスと電気がセットになっているところもあります。

なお、ガスの開栓には立ち会いが必要です。3〜4月はガス会社の予約が埋まってしまいやすいので、この時期に引越しが決まっている場合は、引越しの約1ヶ月前から申し込んでおきましょう。

また、必要であればインターネット回線の手配も忘れずに済ませておきましょう。ただし、インターネットが無料の物件や、スマートフォンのテザリングなどで十分な場合は不要となります。

⑤転出届などの役所手続きをする

引越しをする前に、役所の手続きも必要です。同じ市区町村内での引越しと、異なる市区町村へ引っ越す場合で必要な手続きが異なります。

・同じ市区町村での引越しの場合
「転居届」を住んでいる役所・役場へ提出します。

・異なる市区町村に引っ越す場合
「転出届」を旧住所の役所・役場へ提出し、転出証明書を受け取ります。

いずれの場合も、基本的に14日以内に手続きを済ませてください。

⑥引越し当日

引越し業者に頼んでいる場合は、荷物の搬出に立ち会います。トラブル防止のため、貴重品は段ボールのなかに入れず、手元に置いて自分で運ぶようにしましょう。

もし荷物が少なければ、引越し業者を利用せず、自力で荷物を運搬することも可能です。その場合は、搬出の際に共用部分や床に傷がつかないように注意しなければなりません。

➆転入届などの住所変更の手続きをおこなう

引越しが済んだら、今度は「転入届」の手続きをします。転入届は、新住所の役所でおこないますが、転出届の手続きをしたときに発行される「転出証明書」が必要です。転入届も、引越しをしてから14日以内に手続きしてください。

なお、同一市区町村内で引越しをする場合は、転居届を提出するだけで済むので、転入届を出す必要はありません。また、郵便局への転送サービス手続きや、運転免許証の住所変更の手続きも忘れずにおこないましょう。

【厳選】一人暮らしの家に最低限必要なアイテム9つ

一人暮らしの家には、あれもこれも買う必要はありません。まずは、最低限の家具家電をそろえ、必要と感じたらその都度購入するのがおすすめです。一人暮らしの家に最低限そろえておきたいアイテムは以下の9つになります。

➀寝具
②カーテン
③テーブル
④冷蔵庫
⑤洗濯機
⑥電子レンジ
➆炊飯器
⑧食器類や調理器具
⑨そのほかの生活小物

1つずつ見ていきましょう。

➀寝具

布団やベッド、マットレスなどの寝具類は初日から必要です。ベッドの用意はあとからでも構いませんが、敷き布団・掛け布団・シーツ・枕・枕カバーは引越し当日から使うものとなります。寝具の準備は事前に済ませておきましょう。

②カーテン

忘れがちですが、カーテンも一人暮らしの初日から必要なアイテムです。カーテンがないと、外から部屋が丸見えになります。防犯上の理由からも、忘れずに準備しておきましょう。また、旧居で使用していたカーテンはサイズが合わないことも多いので、新居に合わせたカーテンを準備するよう注意してください。

③テーブル

テーブルも引越し当初からあると便利な家具です。食事をしたり、書類を書いたりと広い用途で使います。椅子は必要であればあとから買い足しましょう。

④冷蔵庫

自炊をする人であれば、作り置きやまとめ買いに便利な比較的容量が大きい冷蔵庫がおすすめです。自炊をほとんどしない人でも、飲み物などを冷やすために小型の冷蔵庫があるとよいでしょう。
また、冷蔵庫は冷凍室つきのものが便利です。作り置きや一度で食べきれない食材を冷凍保存で長持ちさせたり、冷凍食品の保管をしたりもできます。

⑤洗濯機

一人暮らしの洗濯機は、5〜7kgの容量があるといいでしょう。すぐに購入できない場合は、コインランドリーでも対応できます。

⑥電子レンジ

冷凍食品の調理やお弁当の温めなど、一人暮らしでは重宝する家電です。電子レンジで調理するインスタント食品も増えているので、自炊をする・しないにかかわらず購入しておくとよいでしょう。

➆炊飯器

自炊をしない人には必要ないように思えますが、ごはんを炊いて冷凍しておくことで、一食分浮かすことができるようになります。朝の忙しいときも冷凍したご飯を電子レンジにかけるだけで朝食を用意することができるようになるので、電子レンジと一緒に用意しておきましょう。

⑧食器類や調理器具

料理をしない人も、食器は来客などのときに使う可能性があります。また、鍋・包丁・まな板などは、最低限準備しておくと便利です。近所の100円ショップでそろえることができるので、好みのものをまとめて購入しておきましょう。

⑨そのほかの生活小物

家具家電などの大きなものに目が行きがちですが、生活小物も引越し当日から必要となるものです。

・トイレットペーパー
・タオル
・歯ブラシ
・シャンプー/ボディソープ
・掃除道具
・洗剤類

その日のうちに必要となるものは、引越し前にリストアップをして準備をしておくと、買い忘れがありません。とくに、トイレットペーパーがないとトイレに行けなくなってしまうので、忘れずに買っておきましょう。

初めての一人暮らしはしっかり準備して始めよう

初めての一人暮らしは、「こんな部屋に住みたい」「○○風の部屋にしたい」などの理想が膨らむ一方、実際にはまとまった費用がかかるほか、面倒な手続きなどもたくさんあります。一人暮らしを始める際は、初期費用の準備や引越し日までのスケジュールを立て、余裕をもって準備をしましょう。

 

ふどサーチ編集部