気に入ったマンションや住宅が国道や県道、幹線道路沿いにあった場合、騒音や車の交通量が気になりますよね。しかし国道・県道・幹線道路沿いは、交通や買い物の便も良いため、賃貸契約するかどうか悩んでいる方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、国道・県道・幹線道路沿いの賃貸物件に住む5つのメリットと3つの注意点について解説します。また、住まいを選ぶ際にチェックしたいポイントも紹介していきますので、気になる物件が国道・県道・幹線道路沿いにある方は参考にしてみてください。
目次
国道・県道・幹線道路沿いの家を選ぶメリット
国道・県道・幹線道路沿いの家には、以下のような5つのメリットがあります。
①車生活がしやすい
②店舗や公共施設が立ち並んでいて、アクセスしやすい
③バス停までのアクセスが良い可能性が高い
④タクシーを捕まえやすい
⑤視界が開けており、日当たりが良い
それぞれのメリットについてひとつずつ見ていきましょう。
①車生活がしやすい
最初のメリットは、車生活のしやすさです。住宅街の場合は、大きな道路に出るために細い道を通る必要があり、通行人や車とのすれ違いに注意しなければいけません。しかし、幹線道路沿いであれば、細い道を通らずすぐに大きな道に出るため、車を頻繁に運転する人にとっては住みやすい場所といえます。
また、近くにインターチェンジがあれば、遠方にも行きやすくなります。旅行や遊びに出かけやすいので、思い立ったらすぐに出発でき、行動範囲を広げられるのもメリットです。
②店舗や公共施設が立ち並んでいて、アクセスしやすい
2つ目のメリットは、店舗が集中していて公共施設へのアクセスが良い点です。レストランやコンビニ、ファストフード店、ドラッグストアやホームセンターは幹線道路沿いに立ち並んでいます。そのため、休日の買い物や食事には困りません。
警察や役所、病院や学校などの公共施設も、幹線道路沿いの周辺に集中していることが多くあります。
また、子どもがいる家庭の場合、広くて多くの人の目がある道を通れるのは防犯面でも安心といえるかもしれません。
③バス停までのアクセスが良い可能性が高い
3つ目のメリットはバス停までのアクセスの良さです。幹線道路沿いはバスの路線であることが多く、バス停が家の近くにあることも珍しくありません。奥まった住宅街だと、バス停まで自転車を利用したり歩いたりする必要がありますが、幹線道路沿いはその時間が省け、すぐにバスに乗れます。
また、電車では乗り換えが必要な場所でも、バスなら一本で行ける場合もあります。会社や子どもの学校の近くまでバスが通ってることもあるので、目的地までのアクセスがしやすい点も見逃せません。
④タクシーを捕まえやすい
4つ目のメリットは、タクシーの捕まえやすさです。車の往来が多い幹線道路沿いは、タクシーが頻繁に通る可能性が高く、流しのタクシーを捕まえやすい環境です。
一方、奥まった住宅街では空車のタクシーが通ることはなかなかないため、出発時間に合わせて予約をしなければならず、寝坊や急用の場合に不便に感じます。幹線道路沿いなら家を出た瞬間にタクシーが通ることもあるため、急いでタクシーに乗る必要がある状況でも予約なしで乗れる可能性が高いのです。
⑤視界が開けており、日当たりが良い
5つ目のメリットは、日当たりの良さです。幹線道路が目の前なので、家の前に建物がありません。日当たりが良いため部屋の中も明るく、環境によってはベランダに洗濯物を干せるのもポイントです。
また、高層マンションの場合、見晴らしが良く夜景を楽しめることもあります。
国道・県道・幹線道路沿いの家のデメリット
上記で挙げたメリットがある一方、国道・県道・幹線道路沿いの住宅には3つのデメリットがあります。
①車の騒音・振動が気になりやすい
②排気ガスの影響を受ける可能性がある
③家の前で渋滞が発生しやすい
3つの注意点について詳しく見ていきましょう。
①車の騒音・振動が気になりやすい
最初の注意点は、騒音や振動が気になりやすいことです。幹線道路沿いは交通量が多く、日中・深夜を問わず騒音は避けられない環境です。
乗用車だけでなく大型トラックやバスも頻繁に通るため、振動を感じることも少なくありません。また、救急車などの緊急車両も多く通る傾向があり、サイレンの音が気になるほか、住む場所によっては集団で走るバイクの音に悩まされる可能性もあります。
内見時だけではわからない部分もありますが、日頃どれくらいの音や振動がするのかは、内見のとき注意して確認するようにしましょう。また、騒音や振動に敏感な人は、慣れるまで耳栓をしたり、騒音対策グッズを使ったりして対策しましょう。
②排気ガスの影響を受ける可能性がある
2つ目は、排気ガスに注意が必要な点です。ベランダが幹線道路に面している部屋の場合、窓を開けるのに抵抗があるかもしれません。排気ガスはアレルギー性鼻炎の原因にもなるため、気になる人は幹線道路沿いのマンションや住宅は避けるのが無難といえます。
また、洗濯物をベランダに干しにくい点もデメリットです。幹線道路沿いは排気ガスだけでなく車が巻き上げる砂埃の影響も受けるため、洗濯物が汚れる可能性があります。
排気ガスの影響が大きい場合には、外干しをせずに室内干しをする、あるいは浴室乾燥機を利用しましょう。ほかにはベランダが幹線道路沿いに面していない物件を選んだり、高層階のマンションに住んだりするのもひとつの対策方法です。
③家の前で渋滞が発生しやすい
3つ目の注意点は、家の前で渋滞が起こりやすいことです。幹線道路は交通量が多いため、通勤時間帯や休日などは渋滞も発生しやすくなります。家の前が渋滞スポットだった場合は、車がなかなか出発できずにイライラが募ってしまうかもしれません。
幹線道路沿いは車生活をしやすい点がメリットですが、渋滞という面ではデメリットでもあるため、車を使うことが多い人は注意が必要です。実際に住む前に、どのくらい渋滞する道なのかをチェックしておきましょう。
また、交通量が多く渋滞も発生しやすい状況では、場合によっては交通事故が発生してしまうかもしれません。家の前で事故が起きたり、事故に巻き込まれたりする可能性も考えられます。
場所によっては歩道が狭く、家の玄関を一歩出たら幹線道路という家もあります。子どもがいるご家庭の場合、小さなお子さんが道路までパッと飛び出してしまわないよう、通学や出かける際は一緒に玄関に出るなど細心の注意を払いましょう。
国道・県道・幹線道路沿いの家を選ぶ際に意識したいポイント
国道・県道・幹線道路沿いの家の気になるポイントといえば騒音です。一方で、交通や買い物の利便性が高く、住みやすさが魅力でもあります。以下のポイントを押さえて騒音対策を行えば、幹線道路沿いの家でも住み心地が良くなります。
①騒音対策がされている物件を選ぶ
②鉄筋コンクリート造の物件を選ぶ
③防音カーテンなどを使って自分でも騒音対策をする
④家具を道路側に配置する
上記4つのポイントについて、詳しく解説していきます。
①騒音対策がされている物件を選ぶ
窓ガラスには、防音ガラスや真空ガラス、二重サッシなどの種類があります。特に二重サッシは、簡易的なものであれば大家さんの許可がなくても後付けすることが可能です。このような防音対策がされているか、内見の際に不動産会社に確認をしておきましょう。
②鉄筋コンクリート造の物件を選ぶ
賃貸物件の場合、建物の構造によって防音性が違ってきます。鉄筋コンクリート造は、コンクリートにより隙間ができにくく、密度があることから遮音性が高い構造です。鉄骨造の場合でも防音性はありますが、鉄筋コンクリート造ほどではありません。
一方、木造は通気性が良い反面、壁の間に空洞があるため、鉄筋コンクリート造や鉄骨造と比べて音が伝わりやすくなります。
幹線道路沿いの家を選ぶ際は、一番防音性の高い鉄筋コンクリート造の物件かどうかを確認しましょう。
③防音カーテンなどを使って自分でも騒音対策をする
建物そのものに防音対策がされていなくても、自分で対策をすることである程度は騒音を軽減させることが可能です。
たとえば、カーテンを防音カーテンにするだけで騒音が軽減されます。防音カーテンは特殊な素材や織り方で作られており、吸音・遮音する効果があるのです。管理会社や大家さんに確認の必要がなく、手軽に取り付けられるのがメリットですが、完全な遮音にはならない点に注意してください。
また、窓の隙間を防音テープで塞ぐことも検討しましょう。防音テープを貼ると気密性が高まり、遮音効果に期待できます。ただし防音カーテン同様、完全に騒音を防げるものではないため過信は禁物です。
そして、窓を完全に覆うタイプの防音ボードもおすすめです。防音カーテンやテープよりも遮音性が高く、ワンタッチのタイプを選べば設置・取り外しも容易に行えます。ただし、ボードを外さない限りは日中も電気を点ける必要があるほか、すぐに窓を開けたいときは不便に感じるため、日中外出することが多いなど、窓を利用する機会が少ない方におすすめの防音対策グッズといえます。
④家具を道路側に配置する
家具を道路側に配置するだけでも防音効果があります。道路側に高さのある本棚や洋服ダンスを配置すると、本や洋服が音を吸収して騒音を軽減します。本棚や洋服ダンスをもっている方は、部屋のレイアウトを考慮しつつ、家具の配置を変えることも検討してみてください。
国道・県道・幹線道路沿いの家にするなら、騒音対策ができる物件を選ぼう
通勤・通学など交通の利便性が高く、暮らしに必要なものが揃う国道・県道・幹線道路沿いの家は、一人暮らしからファミリーまで幅広い層が住みやすい場所です。しかし騒音は避けられないため、鉄筋コンクリート造の物件を選ぶ、二重サッシの窓を設置する、防音グッズを取り入れるなどの対策が欠かせません。今回ご紹介したメリット・デメリットを考慮しつつ、国道・県道・幹線道路沿いの家を検討してみてください。