引越しのタイミング(時期)はいつがベスト?繁忙期・閑散期について

引越しのタイミング(時期)はいつがベスト?繁忙期・閑散期について

引越しは1年中行われていますが、依頼が集中する「繁忙期」と呼ばれる時期と、あまり依頼が多くない「閑散期」という時期に分かれます。

引越しのタイミングはいつがよいのでしょうか。ここでは繁忙期と閑散期の解説に加え、引越しのタイミングでかかる費用や必要になる手続きについて紹介します。どのタイミングで引越ししようか迷っている方はぜひ参考にしてください。

【結論】引越しタイミングは閑散期(5月後半~7月・11月~12月)がおすすめ!

結論からいうと、引越しをするタイミングは閑散期がおすすめです。引越しの閑散期とは、5月後半~7月・11月~12月頃のことです。閑散期の引越しにはメリットがたくさんあります。

これから引越しタイミングにおける繁忙期と閑散期の違いについて詳しく紹介していきます。進学や就職などでどうしても時期をずらせない場合は仕方ありませんが、できるだけ閑散期のタイミングで引越すようにしましょう。

引越しタイミング 繁忙期の特徴

引越しタイミングの繁忙期とは、1年のうちで一定の期間不動産業界・引越し業界が特に忙しくなる時期を指します。では、繁忙期の特徴を見ていきましょう。

繁忙期の期間(ピーク)

繁忙期のピークは2月~4月です。 年度の変わり目であるこの時期は、進学や就職、転職などに伴って今までの住まいを離れて新生活を始める人がたくさんいます。それに伴い、引越しの需要がもっとも高くなります。

特に3月後半から4月前半にかけては引越しの依頼が集中する最繁忙期です。国土交通省の調べによると、一番の繁忙期である3月の引越し件数は、依頼が少ない時期と比較すると2倍以上になっています。

なお、9月~10月頭にかけては人事異動に伴って転勤が増える場合もあるため、「第二の繁忙期」と呼ばれています。ただし、2~4月ほど件数が多くなることはありません。

【注意】繁忙期の引越し料金はかなり高い

繁忙期の引越し業界は供給より需要が高まる売り手市場になるため、引越し料金はかなり高くなります。例として、単身パックLサイズの繁忙期と閑散期の費用について表にまとめました。

【引越し料金比較】

繁忙期閑散期差額
23,100円28,600円5,500円

※参考:日通

単身用の引越しでも繁忙期と閑散期の差額は5,500円ほどかかるので、ファミリーの引越しだとさらに費用がかかるでしょう。

繁忙期に引越すメリット

繁忙期は人の出入りが激しい時期です。メリットとしてほかの時期と比べて空き物件の選択肢が多くなります。物件数が多くなるため、ほかの時期では見つけられないような条件のよい物件を見つけられる可能性も高まります。

繁忙期の引越しでの注意点

繁忙期の引越しには、4つの注意点があります。

1.条件の良い物件が埋まるのが早い
2.家賃交渉に応じてもらえる余地が少ない
3.内見予約が取りにくい
4.引越し業者の予約も取りにくい

繁忙期は空き物件がたくさんある一方、部屋探しをしている人の数もその分多いため、条件のいい物件は埋まるのが早いです。ほんのわずかな時間差で狙っていた物件をほかの人に押さえられてしまったというケースもあります。繁忙期の物件決めは、よい物件に巡り合えたらすぐに契約を決める決断力が求められます。

また繁忙期は不動産会社も忙しく、一人ひとりに割ける時間は少ないです。あえて不利になる要求をのまなくても部屋が埋まる確率は高いため、閑散期なら成功する可能性のある家賃交渉にも応じてもらえる余地が少ないことを理解しておきましょう。

繁忙期は物件探しをしている人が多いため、そもそも交渉以前の問題で不動産会社の内見予約が取りにくいかもしれません。特に週末や祝日は、予約がすぐいっぱいになってしまいます。また、なかなか物件が決まらず、引越し作業が思うように進まない可能性もあるので注意が必要です。

さらに繁忙期は引越し業者の予約も取りにくくなります。依頼が集中するため人手不足になり、希望の日程で引越しがかなわない可能性もあるので注意しましょう。繁忙期の引越しが避けられない場合は、なるべく早く依頼しておくことをおすすめします。

遅くても1ヶ月前までには予約を済ませておきましょう。

引越しタイミング 閑散期の特徴

閑散期とは、繁忙期とは逆に依頼が比較的少なくて暇な時期のことを指します。閑散期の特徴を見ていきましょう。

閑散期の期間

引越しタイミングの閑散期は、5月後半~7月・11~12月頃です。繁忙期が落ち着いた5月後半から7月まで、また第二の繁忙期が終わった11~12月頃は人の動きが減る時期で、引越しの需要は減ります。

閑散期は繁忙期と比べると引越し料金が安くなる傾向にあるため、少しでも費用を抑えたい人は閑散期を狙って引越しをするとよいでしょう。

【注意】大型連休時は引越し料金が高くなる

引越しの繁忙期ではない時期でも、ゴールデンウィークなどの大型連休時は引越し料金が高くなる傾向にあります。

一方、連休であっても最終日であれば、引越しする人が少なくなります。狙い目に思えますが、ゴールデンウィークのような大型連休の場合は、引越しのトラックがUターンラッシュの渋滞に巻き込まれる可能性もあるので、避けた方がよいでしょう。

逆に大型連休直前や明けた後は休暇を取る人が少ないため、引越し料金は安くなります。休みが取れる場合は、大型連休直前・直後の引越しがおすすめです。引越し費用を少しでも安くするには、多くの人にとって人気のない日程を選びましょう。

閑散期に引越すメリット

閑散期の引越しには、4つのメリットがあります。

1.引越し料金が安い
2.引越し日の希望が通りやすい
3.ゆっくり物件探しができる
4.家賃や条件の交渉に応じてもらえる可能性がある

閑散期に引越す最大のメリットは、引越し料金が安くなることです。先ほどの表で示したとおり、繁忙期と閑散期では料金に大きな差があります。引越し業界の需要が少なくなるため、価格を下げて受注しようとする傾向が強まるのです。

客側も急いで引越しをする必要がなく料金重視の人が多いため、引越し料金は相対的に安くなります。さらに引越し業者への依頼数が少ないため、希望の日時を選びやすいこともメリットの1つです。

また、ゆっくり物件探しができるのもメリットです。不動産会社も時間的な余裕があるため顧客一人ひとりに割ける時間も多く、落ち着いて相談に乗ってもらえます。物件をじっくり吟味し、複数の部屋を比較してから決めることも可能でしょう。

賃貸物件の場合、閑散期だからといって家賃相場が大きく変動することは基本的にありません。しかし、繁忙期が終わっても入居者が見つからない場合、大家さんもなんとか自分の物件に入居してもらいたいと思っています。そのため閑散期になると、大家さんが家賃や条件の交渉に応じてくれる可能性が高まります。

敷金や礼金などの初期費用を下げていたり、家賃が一定期間だけ無料になる「フリーレント」を行っていたりとお得な条件で募集している物件も増えます。しっかりと情報収集をしてから物件を見に行くとよいでしょう。

閑散期の引越しでの注意点

いいことずくめに思える閑散期の引越しですが、注意点もあります。それは、選べる物件の数が少ないことです。引越しの需要が減るということは、退去する人も減るということです。

繁忙期と比較すると空き物件の在庫が少なくなり、自身の条件に合った物件を見つけにくいかもしれません。

引越しのタイミングでかかる費用

引越しには多くの費用がかかります。引越しのタイミングでかかる費用について1つずつ確認し、引越しの段階になって慌てないようにしましょう。

新居契約時に発生する費用(賃貸物件)

まずは新居契約(賃貸契約)時に発生する費用です。賃貸物件の場合、敷金や礼金、不動産会社に支払う仲介手数料がかかります。また管理費や鍵交換費用、火災保険料などがかかるケースもあります。

必要な料金は管理会社や大家さんによって差があるので、事前に確認しておきましょう。

引越し業者の利用料金

また引越しには、引越し業者の利用料金もかかり、荷物の量や距離、作業時間によって料金が異なります。引越し業者の利用料金には、基本料金に加え、エアコンの取り外しや設置、不用品処分などの付帯サービス費も含まれます。一括で見積もりを依頼できるサービスなどを利用し、信頼できそうな引越し業者を見つけましょう。

また自力で引越しをする場合だと業者利用料はかかりませんが、レンタカー代などがかかります。引越し業者を利用するのと比べて費用は安くなりますが、家具・家電の破損や、旧居・新居の損傷などが発生する可能性は高くなるため、十分な注意が必要です。

旧居退去時に発生する費用

賃貸物件からの引越しの場合、旧居退去時に費用が発生する場合もあります。具体的には、原状回復費用やハウスクリーニング費用です。故意や過失によって生じたキズや汚れは借主負担になるため、退去時に支払う必要があります。

退去費用は、基本的には入居時に支払った敷金で賄われますが、修繕にかかる費用が支払った敷金を上回った場合には、退去費用を追加で支払う必要が出てきます。退去時に支払う料金を最小限に抑えるためにできることは、部屋をキレイに使うことです。常日頃からこまめな掃除をしておいて、退去費用を節約しましょう。

また新居に引越しても、旧居の解約日までは家賃が発生します。旧居の契約期間(退去日)と新居の入居日がずれると二重家賃が発生することになるので、引越し時期に気をつけましょう。

引越しのタイミングでかかる費用合計シミュレーション

引越しのタイミングでかかる費用合計について、「実家→家賃6万の家に引越し」、「家賃6万→8万の家に引越し」と想定したシミュレーションをしてみました。

【実家→家賃6万の家に引越しの場合】

新居契約時に発生する費用300,000円
引越し業者の利用料30,000円
旧居退去時に発生する費用0円
合計330,000円

【家賃6万→8万の家に引越しの場合】

新居契約時に発生する費用400,000円
引越し業者の利用料40,000円
旧居退去時に発生する費用49,980円
合計489,980円

※新居契約時に発生する費用は家賃5ヶ月分で計算

※旧居退去時に発生する費用について 出典:株式会社プラスワン「間取り別・居住年数別の請求された退去費用」でのワンルーム・1K・1DK・1LDKの平均額

このように引越しは思っている以上にお金がかかります。実家からの引越しですら30万円以上の費用がかかり、賃貸から賃貸への引越しは50万円近くになります。このほかにも状況に応じて家具や家電などの購入費用も必要です。

引越し前に必要な費用を計算し、引越し後にお金がなくて困ることのないようにしておきましょう。

引越しのタイミングで必要になる手続き

引越しのタイミングで必要になる手続きについてまとめました。1つずつ見ていきましょう。

役所で行う手続き

役所で行う手続きには、転出届・転入届の提出やマイナンバーの住所変更、印鑑登録の抹消や登録、国民年金の住所登録などがあります。

また運転免許を所持している人は、運転免許証の住所変更も必要です。手続きは、転居先の警察署や運転免許センター、運転免許試験場で行うことができます。

転出届は原則、引越しの14日前から当日までの間に提出する必要があります。また、転入届は引越しから14日以内に提出する必要があります。手続きには転出届を提出したときにもらった「転出証明書」が必要なため、持参するのを忘れないようにしましょう。

引越しに伴いさまざまな手続きが必要となるので、抜けがないようあらかじめチェックリストを作成しておくと安心です。

電気・ガス・水道の手続き

引越しでは旧居・新居において電気やガス・水道の中止・開始手続きを行う必要があります。旧居の使用中止手続きを行わないと、住んでいない部屋の光熱費を払い続けることになるので注意しましょう。

同時に、引越し後すぐに電気・ガス・水道が使えるように開始手続きをします。電気・水道の開通には立ち会いは不要ですが、ガス開栓には立ち会いが必要です。ただ、入居者自身の立ち会いが難しい場合は代理人の立ち会いでも問題ありません。

郵便局で行う手続き

郵便局では引越し後1年間、郵便物を新住所に転送してくれるサービスがあります。このサービスを利用するためには郵便局に転送届の提出が必要です。手続き方法には下記の3つがあります。

・郵便局へ行き直接手続きする
・郵便局宛として転居届をポストに投函する
・インターネットのe転居を利用して手続きする

手続きが有効になるまで数日から1週間ほどかかります。余裕をもって手続きを行うようにしましょう。なお、転送手続き完了後の郵便物転送状況はインターネット上で確認できます。

そのほか必要に応じた手続き

引越しに伴って行う手続きはそのほかにも、インターネット回線の移転手続きや、ペット類の登録変更届(犬は義務)、自動二輪・自転車の登録変更、不動産登記の住所変更などがあります。自身の状況に応じて、必要な手続きを行うようにしましょう。

引越しのタイミングは閑散期がおすすめ!

引越しは年中行われていますが、引越しには繁忙期や閑散期があります。繁忙期といわれている時期は3月~4月で、下記のような特徴があります。

・引越し料金が高い
・物件が早く埋まる
・内見の予約が取りにくく、なかなか物件が決まらない可能性もある
・引越し業者の予約も取りにくく、希望の日時で引越しできないかもしれない
・物件数は多いので、希望通りの物件が見つかる可能性もある

繁忙期での引越しは大変なため、引越しのタイミングは5月後半~7月・11月~12月といった閑散期がおすすめです。おすすめする理由は以下のとおりです。

・引越し料金が繁忙期よりかなり安い
・家賃や条件の交渉がしやすい
・ゆっくり物件を決められる

もし入学や入社などで繁忙期に引越しをしなければいけない場合でも、「3月→2月」または「4月→5月」のように、引越し日を1ヶ月ずらすだけで引越し料金を大幅に抑えられます。あらかじめ引越すことが決まっているのなら、検討してみてはいかがでしょうか。引越しにはさまざまな費用や手続きが必要なため、ゆとりをもって準備しておきましょう。

ふどサーチ編集部