日割り家賃とは?ケース別の計算方法、安く抑える方法を解説します

賃貸物件の家賃を計算する様子(家の模型・お金・電卓)

賃貸物件を契約するとき、入居日によっては敷金や礼金のほか、日割り家賃を支払う必要があります。このとき、日割り家賃の仕組みを把握しておらず、想定よりも多く費用を支払うことになってしまったというケースも少なくありません。

今回は、入居のタイミングを迷っている方やできるだけ費用をかけず新生活を始めたい方に向けて、日割り家賃の計算方法や安く抑える方法を解説します。これから一人暮らしを始める方や引越しを検討中の方は、ぜひお役立てください。

日割り家賃とは?

日割り家賃とは、1か月分の賃料を月の日数で割り、入居日からその月の末日までの日数分で計算した家賃のことを指します。月の途中で入居したり、退去したりする場合、その月の家賃は日割りで支払うケースが多いです。たとえば、3月7日に入居を開始し、3月分を日割り家賃で支払う場合、1~6日は契約期間に含まれないため、7~31日までの25日間分だけを支払うことになります。

物件を借りるときは1ヶ月分の家賃を支払うのが基本ですが、人によって引越しや入退居のタイミングは様々であるため、必ず月初めの1日に合わせて入居したり、月末に退去したりできるとは限りません。物件によっては入居月や退去月は日割り家賃での対応になることを頭に入れておきましょう。

前家賃との違い

日割り家賃と混同されやすいのが前家賃です。どちらも初期費用に含まれているもので、一見似た内容に思えますが、これらはまったくの別物です。

たとえば3月7日に入居する場合、初期費用として7~31日分の日割り家賃と4月分の前家賃を支払います。前家賃は入居の翌月分の家賃を先支払いするという意味を持っているため、日割り家賃と混同しないよう注意しましょう。

日割り家賃はどのタイミングで支払う?

先述でも触れましたが、日割り家賃を支払う可能性があるタイミングとしては、入居月や退去月です。入居時は、物件に契約を申し込み、入居審査を通過し不動産会社から重要事項説明を受けた後、敷金や礼金と同じタイミングで支払うのが一般的です。

また、退去時はすでに1ヶ月分の家賃を支払っている場合がほとんどであり、1ヶ月分の家賃から日割り家賃分を引いた金額が返金されます。たとえば3月20日が退去日の場合、1ヶ月分の家賃から20日分を差し引いて21~31日分の金額が返金されると考えておきましょう。

日割り家賃の計算方法をケース別に紹介

続いて、日割り家賃の計算方法を確認しましょう。主な計算方法としては、実日数割・30日割・31日割の3種類にわけられますが、どの計算方法を採用しているかは大家さんや不動産会社によってまちまちです。

一言に日割り家賃といっても、採用している方法や月の日数によって支払う金額は変わってきます。たとえば、2月は通常28日しかありませんが、30日割もしくは31日割で計算する場合もあります。自分が申し込む予定の物件がどの計算方法を採用しているか知りたい方は、前もって不動産会社に確認しておきましょう。

実日数割の場合

実日数割とは、月の日数に応じて算出する方法です。この場合、「家賃÷月の日数×入居日数(入居日~月末/月初~退去日)」となり、2月と3月では入居日が同じ10日の場合でも支払う金額が変わります。

たとえば、家賃が100,000円の物件に2月10日に入居した場合、【100,000(家賃)÷28(月の日数)×19(入居日数)】となり、約67,857円を支払わなければなりません。また、同様に家賃が100,000円の物件に3月10日に入居する場合には、【100,000(家賃)÷31(月の日数)×22(入居日数)】となり、約70,967円支払うことになります。

実日数割は月の日数に応じて算出するため、日数が少ない月に入居した場合他の計算方法に比べて支払う費用を抑えられます。

30日割・31日割の場合

30日割・31日割は、入居する月の日数にかかわらず、決まった数字で算出する方法で、「家賃÷30日または31日×入居日数(入居日~月末/月初~退去日)」の計算式を使うのが一般的です。たとえば、30日割を採用している家賃100,000円の物件に2月10日に入居した場合、【100,000(家賃)÷30×21(入居日数)】となり、約70,000円を支払います。

また、家賃100,000円の物件に3月10に入居する場合には、同じく【100,000(家賃)÷30×21(入居日数)】となり約700,000円が必要です。31日割を採用している場合も、考え方は変わりません。

上記の計算式からわかるように、30日割・31日割はあらかじめ割る日数が決まっているため、入居する月によって日割り家賃が変わらないのが特徴です。ただし、31日割を採用している物件に2月に入居してしまうと3日分余計に支払うことになるおそれがあるので、入居する月によっては損をしてしまう点に注意しましょう。

日割り家賃を抑える方法はある?

最後に、日割り家賃を安く抑える方法を3つ紹介します。初期費用をなるべく安く済ませたい方は、以下のポイントをしっかりと押さえておきましょう。

月末または月初に入居する

月末もしくは月初に入居すれば日割り家賃が安くなったり、初期費用を抑えることができます。

月末に入居する場合、実日数割を採用している物件に3月30日に入居したとすると、3月30日~31日の2日分の支払いしかありません。そのため、入居日数が少ない月末を狙って引越す方も少なくありません。

また月初に入居する場合、翌月分の家賃を支払わずに、当月分の家賃1ヶ月分を支払うのみで済みます。引越しの日にちに決まりがなければ、月初に入居すると初期費用を大幅に抑えられます。

大家さんと値引き交渉する

引越し時にかかる初期費用をなるべく抑えたいのであれば、大家さんに値引き交渉をするのもひとつの方法です。しかし、多くの賃貸物件は大家さんから不動産会社に管理を一任されているため、実際にまず相談する相手は不動産会社となるのが一般的です。

値引き交渉をする際は、以下の注意点を守りましょう。

・繁忙期を避ける
・態度に気をつける
・お願いベースで伝えることを心がける

繁忙期に日割り家賃の値引き交渉を持ちかけても、相手にしてもらえないケースがほとんどです。繁忙期は物件を探している人がたくさんいるため、値引きの相談をしている間に入居者が他の方に決まってしまうおそれもあります。

また、値引き交渉の際は態度に気をつけ、お願いベースで伝えるのを心掛けましょう。「物件を借りるのだから値引きして当然」といった態度を取ってはいけません。

値引き交渉に失敗してしまったなら、しつこく交渉せずに潔くあきらめるのが賢明です。執拗に値下げをせまったり、急に横柄な態度を取ったりすると相手に不信感を抱かれてしまいます。

また、不動産会社や大家さんに「これほど値引きしてほしいと交渉するということは何か問題を抱えているのかも…」と思われてしまっては入居審査の減点対象となり、最悪の場合、契約にいたらない可能性もあります。値下げしてほしい理由を説明したうえで、丁寧に交渉する事を心掛けましょう。

値下げ交渉についてより詳しく知りたい方は、こちらの記事「家賃の値下げ交渉はできる?タイミングや気をつけるべきポイントなど 」もあわせてチェックしてみてください。

フリーレントを活用する

入居時の費用を抑えるには、フリーレント付きの物件を選ぶのも効果的です。フリーレントとは入居後から一定期間、家賃が無料になる契約形態のことです。無料になる期間は物件ごとに異なりますが、半月~2ヶ月ほどの期間を設定しているところが多く、フリーレントの期間が長い物件を選べば入居月の日割り家賃はかかりません。

出費を減らして入居を希望するなら、フリーレント付きの物件も視野に入れて探すのをおすすめします。

▼フリーレントについて詳しく解説している記事はこちら!
フリーレント物件とは?家賃が無料になる仕組みやメリット・注意点を解説

日割り家賃を抑えてお得に新生活を始めよう!

日割り家賃を算出する方法は主に3種類あり、必ずしも入居する月の日数で割りだされるというものではないことに注意しましょう。特に、30日割や31日割を採用している物件に住む場合、月の日数が少ない2月に入居してしまうと損をしてしまいます。通常、計算方法は契約書に記載があるため、申し込み前にどの計算方法を採用しているか確認しましょう。

また、引越しの時期が明確に決まっていないなら、希望する物件がどの計算方法を採用しているか確認したうえで、入居時の初期費用を確保しておくよう注意してください。自分の条件に適した物件を見つけても、日割り家賃や初期費用が気になって入居をためらうのはもったいないことです。今回ご紹介した費用を安く抑えて入居するポイントを参考に、スマートな引越しを実現させてください。

ふどサーチ編集部