家賃8万円の部屋に住むための手取り目安は?初期費用、節約術も解説

不動産会社スタッフに内見の案内をされている男性の様子

賃貸物件の平均家賃は住む場所によってさまざまですが、東京都内で暮らす場合、希望条件を複数含むと多くのエリアの家賃相場が8万円以上です。しかし、今の手取り額で家賃8万円の部屋に住むことができるのか不安に思う人もいるのではないでしょうか。

今回は、家賃8万円の部屋で暮らすための手取り額の目安を紹介します。また、初期費用の目安や暮らしに役立つ節約術も解説していきますので、家賃8万円の賃貸物件に住むことを検討している方は、ぜひ参考にしてください。

家賃8万円の部屋に住むには手取り24万円以上が目安になる!

家賃8万円の部屋で暮らす場合、手取り額の目安は24万円以上といわれています。一般的に、家賃は手取り収入の3分の1以内の金額が目安であり、それを超える家賃の賃貸物件を選んだ場合、生活が圧迫されるおそれがあります。場合によっては家賃を払い続けることができず、他の賃貸物件への引越しを余儀なくされることも少なくありません。

家賃と手取り収入の関係をさらに詳しく知りたい人は、こちらの記事も参考にしてください。

家賃の目安は収入のうち何割が理想?家賃を決めるときの注意点、抑え方も解説

手取り別の適正家賃まとめ

手取り額に応じた家賃の目安を以下の表にまとめましたので、自身のケースに照らし合わせながら検討してみましょう。

【手取り別の適正家賃】

手取り収入額(月)手取り収入額(年)家賃目安(月)
15万円180万円5万円
18万円216万年6万円
20万円240万円6.7万円
24万円288万円8万円
28万円336万円9.3万円
30万円360万円10万円
35万円420万円11.7万円
40万円480万円13.3万円
45万円540万円15万円
50万円600万円16.7万円

上記は、ボーナスの支給がない場合の手取り収入額を想定しています。また、手取り収入は保険や税金が引かれた後、実際に手元に残る金額のことで、これは総支給額とは異なるため注意しましょう。

家賃8万円の部屋に住む場合の初期費用は39.5~58万円

引越しでは、毎月の家賃だけでなく初期費用もかかります。初期費用の目安は、家賃の約5〜7ヶ月分が相場といわれており、家賃8万円の賃貸物件で暮らすには、約39.5〜58万円の初期費用が必要です。

引越しにおける初期費用の目安を以下の表にまとめましたので、引越しの前にチェックしておきましょう。

【初期費用の内訳】

敷金8万円
礼金8~16万円
仲介手数料4~8万円
前家賃8万円
日割り家賃4万円(月の中頃に入居した場合)
※家賃÷月の日数×入居日数で算出します
火災保険料1~2万円
保証会社利用料3~6万円
鍵交換費用1.5~2万円
消臭・消毒費用2~4万円
合計39.5~58万円

初期費用についてさらに詳しく知りたい方は、こちらの記事も参考にしてください。

一人暮らしを始めるのにかかる初期費用はいくら?安く済ませる方法も紹介

初期費用を抑える方法も知っておこう!

初期費用については、以下の方法で抑えることができます。

<初期費用を抑える方法>
・仲介手数料や敷金・礼金が少ない賃貸物件を選ぶ
・月初に入居する
・フリーレント物件を選ぶ
・繁忙期を避けて契約・引越しする
・家具や家電は中古品を購入したり譲ってもらったりする

各ポイントについて、詳しく解説していきます。

仲介手数料や敷金・礼金が少ない賃貸物件を選ぶ

仲介手数料や敷金・礼金は、賃貸物件や不動産会社によってさまざまです。これらの費用がかからないところを選んだ場合、10万円以上の費用を抑えることもできます。ただし、敷金がかからない賃貸物件は、退去時に多額の修繕負担費用を請求される可能性もあるため注意しましょう。

月初めに入居する(日割り家賃を抑える)

月の途中に入居すると、月末までの日割り家賃がかかります。

日割り家賃とは、実際に住んだ日数分の家賃を支払うため、1ヶ月分の家賃を1日ごとに割って出す家賃のことです。そのため、初期費用を抑えるには月初めの入居がおすすめです。

フリーレント物件を選ぶ

フリーレント物件とは、一定期間家賃がかからない賃貸物件のことです。賃貸物件によって期間は異なりますが、一ヶ月以上のフリーレント物件を選ぶと前家賃も不要になります。ただし、共益費や管理費などの費用はかかるケースが多いため注意しましょう。

繁忙期を避けて契約・引越しする

不動産会社の繁忙期は、一般的に1〜3月と9~10月の2回あるといわれています。この時期には多くの人が賃貸物件探しを行うため、家賃や初期費用を下げる交渉に応じてもらえることはほとんどありません。しかし、閑散期に入ると入居者希望者が減り、募集に力を入れる不動産会社が増えてくるため、値下げ交渉に応じてもらえる可能性が高いです。

家具・家電は中古品を購入したり譲ってもらったりする

家具や家電は新品で購入せず、人から譲ってもらうことで初期費用を抑えることができます。譲ってもらうのが難しい場合、リサイクルショップやフリマアプリなどを活用して中古品を購入することもおすすめです。

家賃8万円の部屋にはどんな部屋・設備が期待できる?

家賃8万円の賃貸物件は、複数の条件を希望しやすい魅力があります。1DKや1LDKなどの広い間取りのほか、バス・トイレ別、駐車場付き、築浅など人気条件がそろっている賃貸物件もめずらしくありません。

ここからは、東京23区エリアにある家賃8万円の賃貸物件の特徴を紹介していきます。立地によってはより良い条件の賃貸物件が見つかる可能性も大いにあるため、部屋探しの参考にしてみてください。

間取りはワンルーム・1Kのほか、1DK・1LDKの物件もある

東京23区内で家賃8万円の部屋に住もうとした場合、ワンルーム・1K・1DKの間取りから選ぶことが多くなります。1R・1Kのお部屋でも、家賃6・7万円の賃貸物件と比べると、総平米数が大きくなる傾向です。

また、物件数は多くありませんが、家賃8万円台で1LDKの賃貸物件を選ぶことも可能です。築年数が古かったり駅徒歩の距離が長かったりといった条件はありますが、広めの部屋で暮らしたいと考えている人にとってはメリットといえます。

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バス・トイレ別の物件が多くある

家賃8万円の賃貸物件は、その多くがバス・トイレ別です。バス・トイレ別の賃貸物件は、それぞれのスペースを広く使えたり洗面台周りの収納スペースを多く持てたりといったメリットがあります。

バス・トイレ別に譲れないこだわりがある方も、賃貸物件の予算を家賃8万円にすることでそれ以外の条件も考慮に加えやすくなるため、部屋探しがスムーズに進みます。

駐車場付きの物件もある

家賃8万円の賃貸物件の中には駐車場付きの賃貸物件もあります。駐車場代が家賃に含まれている賃貸物件もあるため、車を所有している人も安心です。ただし、数は多くないため、築年数や駅徒歩数など他の条件で妥協しなければいけないかもしれません。

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築年数があまり経っていない物件を選べる

8万円の家賃を支払うゆとりがあれば、築浅の物件を選ぶこともしやすいです。広さにこだわりがない場合、新築物件を選ぶことも可能でしょう。築年数や広さなど、さまざまな条件を検討したうえで、自分に最適な賃貸住宅を選びましょう。

家賃8万円の部屋に住む場合の生活費シミュレーション

ここからは、実際に家賃8万円の部屋で暮らす場合の生活費をシミュレーションしてみます。総務省が調査した2020年の家計調査データを参考に、項目別の生活費を見ていきましょう。

一人暮らしの場合

まずは一人暮らしの生活費をシミュレーションしてみましょう。

項目1ヶ月あたりの支出
家賃8.0万円
食料費3.8万円
光熱・水道費1.1万円
家具・家事用品費0.6万円
被服及び履物費0.5万円
保健医療費0.8万円
交通・通信費1.9万円
教育娯楽費1.7万円
その他2.9万円
合計21.3万円

参考:総務省「家計管理 単身世帯 2021年」

その他の費用には、美容院代や交際費などが含まれます。手取り収入が24万円の場合、上記の内訳を意識すれば毎月2.7万円ほどのゆとりが生まれ、貯金や投資などに回すことも可能です。

二人以上世帯の場合

次に、二人以上世帯の生活費をシミュレーションしてみましょう。

項目1ヶ月あたりの支出
家賃8.0万円
食料費7.6万円
光熱・水道費2.2万円
家具・家事用品費1.2万円
被服及び履物費0.9万円
保健医療費1.4万円
交通・通信費4.0万円
教育費1.2万円
教育娯楽費2.5万円
その他5.2万円
合計34.2万円

参考:総務省「家計管理 二人以上の世帯 2021年」

二人暮らしの場合、たとえば、どちらかの手取り収入が24万円のとき、もう1人に10万円を超える収入があれば、日々の生活に余裕が生まれます。また、両方の手取り収入が17万円を超えていれば、家賃8万円の賃貸物件で快適に暮らせるといえるでしょう。

家賃8万円で快適な生活を実現するためのコツ

家賃8万円の賃貸物件といっても条件はそれぞれ異なり、快適な部屋を見つけるにはいくつかのコツを押さえる必要があります。また、8万円の家賃が生活の負担とならないよう、毎日の節約に力を入れることも重要です。ここからは、部屋探しを行う際に意識しておきたいポイントや、日々の生活で実践できる節約のコツを紹介していきます。

各駅停車しか停まらない駅を選ぶ

できるだけ条件の良い家賃8万円の賃貸物件を探したい場合は、各駅停車しか停まらない駅を選ぶのがポイントです。快速や急行が停まる駅は需要が多く、家賃が高くなる傾向にあるからです。

各駅停車のみの駅を選ぶとかかる時間は増えますが、始発駅を選んだり途中駅で快速や急行に乗り換えたりなどの工夫で、通勤・通学などにかかる負担を軽くできます。目的地までの距離は気にならない、リモートワークが可能といった方は、各駅停車しか停まらない駅も検討するのがおすすめです。

学生の多いエリアで探す

家賃8万円で部屋探しを行うとき、学生の多いエリアを狙うことも有効です。一般的に、学生の多いエリアは買い物に便利な施設がそろっているほか、リーズナブルな値段の飲食店があることもあります。これらをうまく活用すれば、生活の質を下げることなく生活費の節約が叶います。

駅から少し離れた場所の物件も検討する

駅から近い賃貸物件は利便性が高いですが、夜遅くまで営業している居酒屋やレストランなどが立ち並んでおり、電車や人通りの音が気になるかもしれません。駅から少し離れた賃貸物件を選ぶことで、夜も静かに暮らすことができ、睡眠に関するトラブルも少なくなります。

また、駅から離れている物件の場合、自転車を使えば最寄り駅までの距離も気にならなくなるほか、運動不足の解消にも効果的なためおすすめです。

さらに、駅近の物件は家賃が高い傾向にあります。同じ8万円の物件でも、駅から少し離れた物件のほうが設備面などでよりよい条件なことも多いため、お部屋探しの際は検討してみてください。

水道光熱費を節約する

家賃8万円で快適な生活を送るには、日々の節約にも意識を向けましょう。固定費で特に抑えやすいのが水道・光熱費です。水道・光熱費は、以下の方法で節約できます。

水道・浴槽の残り湯を洗濯や掃除に利用する
・食器は溜め洗いする
・洗濯物はまとめて洗う
・シャワーヘッドや蛇口などで節水グッズを活用する
電気・業者や料金プランを見直す
・電源やスイッチはこまめに切る
・使っていない電化製品はコンセントを抜く
・エアコンの設定温度を見直す
ガス・業者や料金プランを見直す
・プロパンガスであれば都市ガスに切替える
・追い炊きを使わず、お風呂のふたを活用してガス代の節約に努める
・調理の際は電子レンジを使う
・お湯を沸かすときは電気ケトルを活用する

電力会社やガス会社のプランはさまざまであり、自分のライフスタイルと合ったものへ見直すことも光熱費の節約に繋がります。電力会社とガス会社を一緒にすることで、毎月の光熱費を安くできるプランもあるのでチェックしてみましょう。

水道光熱費の節約についてさらに詳しく知りたい方は、ぜひこちらの記事も参考にしてみてください。

一人暮らしの水道光熱費はいくらかかる?手軽にできる節約術も解説

家計簿をつける

家計簿とは、収入に対する支出額を項目別につけていく帳簿のことです。家計簿をつけると、項目別に毎月どれだけの出費があるのかが明確になり、無駄な出費に気づきやすくなります。また、定期的に見直すことで節約できる項目も見えてくるようになり、家計管理によって貯金に回せるお金が増えたという方も少なくありません。家計簿では以下のような項目を設定し、生活費における支出を把握しましょう。

<家計簿の項目の例>
・食費
・家賃
・水道光熱費
・保険料
・通信費
・保険料
・教育費
・交通費
・交際・娯楽費

とくに、食費や交際費など月ごとに変動するお金は、節約しやすい項目のひとつです。たとえば食費であれば、外食の数を減らしたり、まとめ買いの回数を増やしたりすることで節約が叶います。また、他の項目にも無駄がないか、月に一度家計簿をチェックする習慣をつけるのもおすすめです。

現在はアプリの家計簿などもあり、入力さえすれば簡単に計算ができます。各項目の支出額を知り、節約できそうな箇所はないか一度確認してみることがおすすめです。

自炊する機会を増やす

食費を節約する大きなポイントが、自炊の回数を増やすことです。総務省統計局によれば、1ヶ月あたりの食費の平均額(勤労者の単身世帯)は約4万円で、そのうち外食費は約1万円と全体の1/4を占めています。比較的大きな割合となっているため、普段から自炊する機会を増やすことで食費の負担を軽減させることができます。

※参考:総務省 「家計管理 単身世帯2021年」

自炊の際は、安い食材をまとめ買いしたり、余裕があるときにまとめて作り置きしたりすることで毎月の食費を大きく削減できます。

ただし自炊に慣れていない場合、毎日の料理が負担になり、長く続かないおそれもあります。節約を意識する前に、まずは週1回でもいいので自炊する習慣をつけ、慣れるところから始めてみるのがおすすめです。

キャッシュレスでの決済をメインにする

キャッシュレス決済はポイントが貯まるため、実質的に支出を抑えることができます。ただし、ポイントの有無や還元率は提供元の業者によって異なるため、事前に確認しておきましょう。

また、キャッシュレス決済は履歴が残ることが多く、家計簿をつける際にも便利です。

キャッシュレス決済であれば現金を引き出す必要がなく、銀行の手数料もかかりません。ただし、お金を使っているという意識が薄れがちになるおそれもあるため、こまめに使用履歴を見るなどの工夫を行いましょう。

家賃8万円の部屋に住むには24万円以上の手取り収入が望ましい

家賃8万円の賃貸物件を選ぶ場合は、手取り収入が24万円以上あるかどうかチェックしましょう。初期費用の支払いを心配する方も多いのですが、今回ご紹介した方法を実践すれば初期費用も節約でき、ゆとりを持った生活が送りやすくなります。

また、家賃8万円であれば選択肢の幅が広がるため、理想の賃貸物件も見つけやすくなります。快適な生活が送れるよう、無理のない範囲で節約に励み、理想の暮らしを叶えましょう。

ふどサーチ編集部