シーリングライトは、部屋の雰囲気や居心地に関わる大事なインテリアの一つであり、こだわりを持っている方も少なくありません。もとから賃貸住宅に備え付けられている照明器具が部屋に合っていない場合、「照明を交換したいけどどうしたら良いかわからない」「そもそも交換しても大丈夫なの?」などと困ってしまう方もいるのではないでしょうか。
そこで今回は、賃貸物件のシーリングライトを勝手に取り替えて良いのかどうか、また取り付け方や注意点についても詳しく解説していきます。
目次
賃貸物件でシーリングライトを勝手に設置しても大丈夫?
まず前提として、入居時に部屋にある設備はすべて大家さんの所有物になるため、許可なくつけかえるのは控えましょう。
入居時に照明器具が設置されていない場合は、自分で購入して設置しても問題ありません。
また、電球は消耗品であるため、もし切れてしまった場合は入居者が交換しても問題ありません。物件によっては、「電球や蛍光灯などの消耗品の交換は入居者がすること」と契約書に記載されていることもあります。
賃貸物件でシーリングライトを取り付ける前に確認すべきこと
シーリングライトを大家さんの許可なく取り替えることはNGですが、次項で解説している項目をクリアすれば替えても問題ないため、取り付ける前に確認しましょう。
確認点①:大家さんや管理会社に確認を取る
まず最初にしなければならないのは、大家さんや管理会社に確認を取ることです。前述の通り設置されている照明器具は大家さんの所有物になるため、交換しても良いか聞いてみましょう。もし大家さんと直接連絡が取れない場合、物件の管理会社に確認しましょう。
ただし、新しい照明器具に替えたとしても、退去するときは元々設置されていた照明に戻す必要があります。うっかり壊してしまうことがないよう、照明を取り替えた後ももともと設置されていた照明器具は大切に保管しておきましょう。
確認点②:天井の配線器具を確認する
照明を替えても良いという許可が出た後は天井の配線器具を確認します。以下のようなシーリングライトを取り付けられる配線器具がついている場合は取り付け可能です。
【配線器具の種類】
・丸形引掛シーリング
・角形引掛シーリング
・丸形フル引掛シーリング
・丸形埋込ローゼット
・フル引掛ローゼット
上記以外の配線器具がついている場合や、そもそも配線器具がついていない場合、シーリングライトは取り付けられません。配線工事を依頼する必要があるため、改めて大家さんへ相談しましょう。くれぐれも、大家さんの許可なしに工事を勝手に進めることがないよう留意してください。
確認点③:シーリングライトの重量を確認する
取り付けに必要な配線器具がついていることを確認出来たら、取り付けを検討しているシーリングライトの重量を確認しましょう。シーリングライトはLEDシーリングライトやアクリルの円形タイプだけでなく、ペンダントライト型やスポットライト型などさまざまなデザインがあります。
また、プロジェクターとして使えるものやスピーカーが内蔵されているもの、ファンがついているものなどハイスペックな種類もあるため、それぞれ比較検討して選ぶと良いでしょう。
このとき、デザイン性の高いものや照明以外にも機能が搭載されているものは重量があるため、重さに耐えられる配線器具に取り付けなければなりません。また、賃貸物件の配線器具が購入を検討しているシーリングライトに対応しているかどうかも購入前に確認しておきましょう。
確認点④:天井の形状を確認する
重量や配線器具に問題がないとしても、天井にシーリングライトの設置を妨げるものがあったり、取り付け後に照明器具が不安定になってしまったりすると取り付けができません。天井の形状によって、取り付けられるシーリングライトのデザインも異なりますが、以下のような天井では設置できる照明のデザインが限定される可能性があります。
・竿縁天井(竿縁に配線器具がついている天井)
・格子天井(格子状の飾り木が渡してある天井)
・傾斜天井(斜めになっている天井)
・十分な強度がない天井
あらかじめ天井の形状も確認しておくようにしましょう。
賃貸物件でシーリングライトを取り付ける方法
シーリングライトは、製品によって形状やデザインが異なりますが、比較的簡単に取り付けるものが多いです。ただし、高い位置で上を向いて行う作業なので、不安定な状態で取り付けないように注意しましょう。
取り付け方法は照明器具によって様々ですが、ここではシーリングライトの取り付け方の流れを簡単に説明します。
STEP1:電源を切っておく
取り付け作業を始める前に必ず電源を切っておきましょう。
スイッチが入ったまま作業すると、感電のリスクがあるほか、アダプタを抜くときに接触の不具合で火花が飛び散る可能性があります。
照明器具の取りつけに限らず、電球を交換する際にも、怪我や事故を未然に防ぐために電源をオフにして作業しましょう。
STEP2:取り付けてあった照明器具を外す
電源を切ったら取り付けてあった照明器具を外します。このとき、元々設置されていた照明器具は大家さんの所有物であるため、落としたり壊したりしないよう、丁寧に外してください。
また、退去するときに再度設置して元の状態に戻す必要があるため、取り外した後は保管しておきましょう。電球の形状が新しいシーリングライトに合わない場合は、電球も一緒に保管しておきましょう。
STEP3:付属アダプタを取り付ける
照明器具を外したら、新しいシーリングライトについているアダプタをコネクタに差し込みます。(製品によっては本体とアダプタが一体化しているものもあります。)
差し込み方が弱いと電気がつかないので、コネクタが奥まで差し込まれていることを確認してください。
STEP4:照明器具とカバーを取り付ける
アダプタを設置した後は、照明器具とカバーを取り付けてから本体のコネクタをアダプタのソケット部分に差し込んでください。そして、シーリングライトの本体が天井と水平についているか、カバーが正しくはまっているかなどをチェックしたら完了なので、電源を入れて点灯するか確認しましょう。
ここで紹介しているのはあくまで一例であり、照明器具のメーカーや種類によって詳細は異なるため、実際に取り付ける際は取扱説明書をよく確認しましょう。
賃貸物件退去時におけるシーリングライトについての注意点
賃貸物件の入居者には、物件を退去するときに入居時の部屋の状態に戻す「原状回復」の義務があります。もちろん照明についても、最初に設置されていたものを元通りにして大家さんに返さなくてはいけません。
※参考:国土交通省 『「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」について』
そのため、シーリングライトを自分で設置した場合、退去の際に取り外す必要があります。また、元々設置されていた照明器具を壊してしまった場合、たとえ故意ではないとしても修繕費を払うことになる場合があるので注意してください。もし形状や取り付け方法が変わっている照明器具の場合、取り付け方がわからなくなることもあるため、取り外す前に写真を撮っておくと安心です。
賃貸物件用シーリングライトの選び方ポイント
シーリングライトにはたくさんの種類があるので、どんなものを選べばいいか迷ってしまうかもしれません。ここではシーリングライトの選び方のポイントについて解説するので、シーリングライト選びの参考にしてみてください。
選び方ポイント①:デザイン
シーリングライトと聞くと、一般的な賃貸物件で多くみられる丸い形状のアクリルカバーがついたものを想像する方も多いかもしれません。
インテリアショップやホームセンターでは、スポットライト型やペンダントライト型、シャンデリア型など様々ななデザインのものを取り扱っているので、インテリアにこだわりたい方はぜひ実際にチェックしてみてください。
照明器具を替えると、部屋の印象はガラッと変わるため、家具やクロスなどと統一感があるものを選びましょう。賃貸物件の場合は天井があまり高くないところもありますが、円形シーリングライトを選ぶと空間が広く感じられるのでおすすめです。
選び方ポイント②:耐荷重
シーリングの種類によって耐荷重が違うので、購入の前にチェックしておきましょう。
・丸形、角形シーリング:5kgまで
・各種ローゼット:10kgまで
どんなに気に入ったデザインであっても、重すぎると取り付けられない場合があります。無理に取りつけようとして怪我をしてしまう可能性もあるため、耐荷重の確認は必須と頭に入れておきましょう。
選び方ポイント③:電球の色
照明器具選びにおいては、デザインだけでなく電球の色も大事です。電球の色には5つの種類があり、それぞれ色が異なります。
【電球の種類と色】
電球色 | 温かみのあるオレンジ色 |
温白色 | 電球色より少し白っぽいオレンジ色 |
白色 | 温白色をさらに白くした色 |
昼白色 | 少し青みがかった、太陽光に近い色 |
昼光色 | 5つの中で一番明るく青みがかっている色 |
電球色や温白色は間接照明に使われることもある色で、温かみがありリラックスできるため、寝室や浴室、和室などにおすすめです。一方、昼白色や昼光色はスタンドライトなどによく使われており、くっきりした色で細部まで見えるという特徴があります。そのため、キッチンの作業スペースや仕事・勉強部屋などにおすすめです。
ただし、昼白色や昼光色は目への刺激が強いので、ペンダント型のデザインの照明の場合は注意しましょう。
正しい手順に沿ってシーリングライトを交換しよう
もともと賃貸物件に設置されているシーリングライトは大家さんの所有物であるため、自分の判断で取り替えたり、勝手に配線工事を依頼したりするのはNGです。交換して問題ないか大家さんや管理会社へ確認したり、設置したい照明器具に対応した配線がついているかを確認したりする必要があります。
また、退去する際には部屋を入居時の状態にして大家さんに返す必要があるため、もともと設置されていた照明は大切に保管しなければなりません。
照明器具のデザインや電球の色で部屋の雰囲気はガラッと変わるため、自分の部屋に合う好みの照明を探して、理想の部屋を目指しましょう。