賃貸物件を探す際に必ず利用するのが不動産会社です。しかし、数多くある不動産会社から、どこの不動産会社を選べばいいか迷ってしまいます。
また、不動産会社には大きく分けて「地域密着型」と「大手」の2つがあります。それぞれの強みや特徴は異なるため、不動産会社選びにますます悩んでしまうかもしれません。
今回は、地域密着型の不動産会社とと大手の不動産会社、それぞれの特徴についてお伝えします。両方のメリットと注意点もご紹介するので、自分に合った不動産会社を選びましょう。
目次
【注意】「大手不動産会社=多くの賃貸物件を紹介できる」わけではない
まず注意しておきたいのが、大手不動産会社だから多くの賃貸物件を紹介できるわけではないことです。大手不動産会社といえば、たくさんの賃貸物件を紹介できるイメージがありますが、必ずしもそうではありません。
賃貸物件を探すときに、複数のサイトで同じ物件が掲載されているのを見た人もいるでしょう。その理由は、不動産会社が利用している「レインズ」というシステムの存在です。
「レインズ」は、不動産会社が物件情報を得るためのツールで、登録された不動産仲介業者のみ閲覧できます。物件情報を共有しているデータベースなので、複数の不動産会社が同じ物件を紹介できるのです。
つまり、持っている賃貸物件の情報は同じ。大手不動産会社だけが賃貸物件の情報をたくさんもっているわけではありません。
地域密着型の不動産会社
まずは地域密着型の不動産会社について紹介します。その名の通り地元に根づいて長年経営していることも多く、対応エリアの情報に精通しています。地域密着型不動産の、「特徴」「メリット」「注意点」を見ていきましょう。
地域密着型不動産会社の特徴
地域密着型の不動産会社は、目立つ看板を掲げていない場合も多く、はじめての街では見つけにくく、お店によっては入りにくいと感じるかもしれません。図面やウインドウの飾りに手作り感があり、加盟している協会ののぼりやポスターを貼ってあるのが特徴です。
地域密着型不動産会社のメリット
地域密着型不動産会社のメリットを4つお伝えしていきます。
①街の状況や地理歴史にに詳しく、そこでしか得られない情報がある
地域密着型不動産会社は、その地で長年営業している場合も多く、地域情報に深く精通しています。紹介してもらえるエリアは限定されますが、地域情報に詳しいのは一番のメリットです。
治安や周辺環境、住みやすさなどの地域情報はもちろん、街の歴史や治安、過去に起きた災害、穴場の買い物スポットなど、そのエリアに関する多くのことを知っています。
②大家さんとのつながりが強いケースがある
地域密着型不動産会社は、その地域の地主さんや大家さんと長年の付き合いがある場合も多く、大家さんとの関係が深いことも。懇意にしている大家さんであれば、状況によっては礼金などの値引き交渉をしてくれる可能性もあるのです。
③担当者の店舗異動や転勤の可能性が少ない
特に小規模で一店舗しかないような不動産店舗では、転勤や部署異動、店舗間での異動などが発生しません。部屋探しの最中だけでなく、部屋探しが終わっても、担当者は退職をしない限り同じ店舗にいるため、相談事や次の部屋探しの際にも頼りになるのです。
地域密着型不動産会社の注意点
メリットだけでなく、注意点も知るのは大切です。2つの注意点について見ていきましょう。
①ウェブサイトやSNSがない場合がある
予算が少ない、インターネットに詳しい人がいないなどの事情で、ウェブサイトやSNSなどを運用していない場合があります。また、サイトがあったとしても、見た目や機能が少し古く、最新情報や店舗情報を把握しにくいこともあり、注意が必要です。
②得意としていないエリアの相談がしにくい
「いい物件が見つからないので、エリアを大幅に変えて検討したい」などといった場合、生活イメージなどの相談がしにくくなります。物件紹介自体はエリア制限無くできますが、そのエリアが得意な不動産店舗と比べると、得意ではないエリアの地域情報を把握していないためです。
地域密着型不動産会社での物件探しが向いている人
地域密着型の不動産会社は、住みたいエリアがある程度定まっている、かつ、土地勘のない場所で暮らす人に向いています。地域について熟知しているプロに相談し、情報を把握するのがおすすめです。
大手不動産会社
大手不動産会社はCMなどで宣伝されており、ネームバリューがあるため安心感もあります。全国展開されていることもあり、これまで一人暮らしをしたことがない人でも街中で看板を見かけることも多いでしょう。そんな大手不動産会社の「特徴」「メリット」「注意点」について見ていきましょう。
大手不動産会社の特徴
不動産会社のイメージカラーで統一されており、駅前など目立つ場所に店舗があります。イメージキャラクターや、CMをしている芸能人のポスターやのぼりがあり、わかりやすい外観です。また、ガラス張りなど開放感のある店構えであることも多く、外から店内が見え、比較的入りやすいと感じるかもしれません。
大手不動産会社のメリット
大手不動産会社の4つのメリットをご紹介します。
①広範囲に複数の店舗があるため、エリアをまたいで部屋探しできる
大手チェーンの不動産会社は、広い範囲に複数の店舗があるため、住みたいエリアが決まっていなかったり、地域を変更したりする場合は、エリアをまたいで部屋探しができます。
②知名度があり信頼して任せられる
知名度があるため社会的にも信用があり、初めての部屋探しでも安心して入店、相談、契約ができます。また、若い人だと両親へも説明しやすいこともメリットです。
③使いやすいウェブサイトで部屋や店舗の情報を入手できる
大手不動産会社は、ウェブサイトの管理運営を行う専門部署があるケースも多いので、ウェブサイトが使いやすく更新もされています。また、SNSなどで店舗や物件のことを知れるので、普段からSNSを使っている人にとっては、気軽に情報を入手できます。
④大々的なキャンペーンを実施していることがある
小規模な地域密着型店舗ではなかなかできない、お得なキャンペーンや他企業とのコラボを実施していたり、カレンダーやペンなどのノベルティグッズを配っていたりします。
大手不動産会社の注意点
大手不動産会社の2つの注意点について見ていきましょう。
①大手ならではの契約時オプションサービスがある
グループ会社や提携先会社が多く、引越しや電気・ガス、インターネットサービスや保険などのサービスを薦めてもらえます。お得なものがほとんどですが、しっかりと内容を確認して決めるようにしましょう。
②立地が良く知名度も高い為、店内が満席なことがある
飛び込みで相談しようとしても、担当者の手が空いていなかったり、席が満席だったりして、その日に相談できない場合があります。予約しようとしても、お客さんが多いため時間の都合がつかず、思うように部屋探しが進まない可能性があるかもしれません。
大手不動産会社での物件探しが向いている人
大手不動産会社は、広いエリアで部屋探しをしたい人、複数のエリアで比較検討したい人におすすめです。各エリアに店舗がある大手不動産会社であれば、引越し先のエリアが決まっていない場合でも相談がしやすくなります。。ネームバリューがあるため、安心感をもって相談したい人にもおすすめです。
フランチャイズ加盟している地域密着型不動産会社もある
地域密着型不動産会社には、フランチャイズに加盟している店舗もあります。大手不動産の全国的なネットワークを活かしながら、元々もっている地域の情報力を持ち合わせているのが強みです。地域密着型と大手不動産会社、両方のメリットを受けられる可能性があります。
まとめ
「地元密着型」と「大手」の不動産の選び方をご紹介しました。地域密着型は地域情報量の多さ、大手不動産会社はネットワークの広さなど、それぞれにもっている強みは異なります。賃貸物件の情報は基本的に同じです。そのため、何を重視して賃貸物件を探したいのかで不動産会社を選びましょう。