駅から徒歩20分の賃貸物件は、往復で40分の道のりとなるため、少し遠く感じてしまいがちです。毎日の通勤・通学を考えると物件の検索条件から「駅徒歩20分」を外している人もいるかもしれません。
しかし、実際にはメリットも多く、駅から徒歩20分の距離を活かして生活を送っている方も少なくありません。
今回は、駅から徒歩20分の賃貸物件について、注意点やメリットを踏まえながら、どんな人におすすめなのか詳しく解説していきます。
目次
駅から賃貸物件まで徒歩20分かかる距離・・・およそ1.6km
ポータルサイト等で表示される駅から物件までの所要時間は、一般的に「徒歩1分=80m」として計算しているため、駅から徒歩20分なら約1.6kmの距離があるということがわかります。
所要時間の出し方は「不動産の表示に関する公正競争規約施行規則」にて定められており、算出方法は全国の不動産会社で共通しています。
1.6kmの距離は少々遠く、なかには自転車や車を利用する人もいるかもしれません。車は一般的に「1分=400m」といわれており、徒歩20分の距離(約1.6km)なら所要時間は約4分です。また、自転車は「1分=200 m」が平均的といわれているので、約8分かかります。
徒歩では遠く感じますが、自転車や車なら時間を大幅に短縮できるため、通勤・通学で毎日駅を利用する人は徒歩以外で駅まで移動することも視野に入れてみましょう。
【注意】徒歩20分以上かかる場合がある!
駅から徒歩20分の賃貸物件でも、実際に歩くと「20分以上かかった!」という経験をお持ちの方も多いのではないでしょうか。「徒歩1分=80 m」という基準は、ハイヒールを履いた女性に歩いてもらい、その速度を基準にしているとされています。しかし、歩くスピードは個人差があるため、あくまで所要時間は参考に留めましょう。
また上記以外にも、徒歩20分以上かかる理由が3つあります。
①動きづらい服装
履きなれない革靴サンダルなどは、いつもに比べて歩くスピードが遅くなります。また、マーメイドスカートやタイトスカートなど、動きづらい服装のときも移動に時間がかかります。
②信号や踏切、坂道は考慮されていない
物件までの徒歩分数には、道中の信号や踏切、坂道などは考慮されていません。途中で信号に引っかかったり、踏切の待ち時間が長かったりすると20分以上かかってしまうおそれがあります。
③駅構内の移動時間
ターミナル駅や改札の出口まで距離がある場合、徒歩20分以上かかる場合があります。「徒歩◯分」というのは、物件から一番近い駅の出口から、物件の玄関までの距離です。駅構内の移動時間は含まれないため、乗換駅や改札まで距離のある駅の場合、電車を降りたときから家までの時間を確認しておくと、実際の時間がつかめます。
駅から徒歩20分で到着する賃貸物件のメリット
駅から徒歩20分の賃貸物件は「遠い」というイメージがあり、候補物件を探す段階で対象外にしている人も少なくありません。しかし、駅徒歩20分の賃貸物件には以下の5つのメリットがあります。
<駅徒歩20分の賃貸物件のメリット>
1.駅チカ物件に比べると大幅に安くなる
2.選べる賃貸物件数の幅が広がる
3.居住地周辺の環境が静かで過ごしやすい
4.運動不足が解消される
5.複数路線が利用できるかも
それぞれ詳しく見ていきましょう。
①駅チカ物件に比べると大幅に安くなる
駅から徒歩20分の賃貸物件は、駅から離れている分家賃が安くなる傾向にあります。目黒駅のワンルーム・1Kで、家賃相場を所要時間別に比較してみましょう。
駅徒歩1分 | 駅徒歩3分 | 駅徒歩5分 | 駅徒歩20分 | |
---|---|---|---|---|
1R | 14.55万円 | 10.20万円 | 8.00万円 | 7.80万円 |
1K | 10.20万円 | 10.00万円 | 9.50万円 | 9.40万円 |
出典:CHINTAIネット2022年3月21日時点
上記のように、駅から遠くなるほど家賃相場が低くなっていることがわかります。
②選べる賃貸物件数の幅が広がる
賃貸物件数は、駅から徒歩5分以内と比べて数が多くなるのが特徴です。たとえば、先述した目黒駅を例にすると、ワンルーム・1Kの物件数は以下のとおりです。
■駅から徒歩5分の賃貸物件数・・・52件
■駅から徒歩20分の賃貸物件数・・・1043件
※CHINTAIネット 2022年3月21日時点
また、選べる物件数が増えることで、リノベーションがされていたり、最新設備が備わっていたりと、条件が良い賃貸物件がある場合もあります。
さらに、部屋が広い物件も増える場合も多く、賃貸物件の選択肢が広がります。
③居住地周辺の環境が静かで過ごしやすい
駅から約1.6km離れていると、駅周辺の賑やかな雰囲気はなく、住環境が静かな場合が多いです。駅から近い物件は繁華街に近接しているところも多く、夜の騒音に悩まされるケースも少なくありません。
一方、徒歩20分の賃貸物件は駅から距離があるため、就寝時間帯も静かに過ごしやすいです。
ただし、幹線道路・線路沿いなどに近い場合は車や電車の騒音が気になりやすいため、内見時などに周辺環境を確認しておきましょう。
④運動不足が解消される
往復で3.2kmの道のりは軽い運動にぴったりの距離です。デスクワークが多い人や運動が苦手な人でも、毎日の通勤・通学が運動になるため自然と運動不足が解消されます。
⑤複数路線が利用できるかも
駅から徒歩20分の賃貸物件は、エリアによっては複数駅・路線が利用できる場合があります。
通勤・通学は最寄り駅を使い、休日のショッピングなどで出かける際には別の駅を利用するなど、目的や行き先によって路線を選べる点はメリットのひとつです。
駅から徒歩20分で到着する賃貸物件のデメリット・注意点
駅から徒歩20分の賃貸物件で注意したいのは、以下の3点です。
<駅徒歩20分の賃貸物件のデメリット>
1.雨天や夏の猛暑日でもたくさん歩かなければいけない
2.たくさん買い物をした帰りが辛い
3.人通りの少ない夜道が不安に感じる
それぞれ見ていきましょう。
雨天や夏の猛暑日でもたくさん歩かなければいけない
天気の良い日や気温がおだやかな時期なら問題ないですが、梅雨の時期や猛暑日に20分歩くとなると、普段よりもキツく感じるかもしれません。
出勤時・帰宅時に約20分歩くのが億劫になり、「タクシーを使おう」と考える方も少なくありませんが、せっかく家賃を抑えてもタクシーを利用していてはトータルの出費が増えてしまいます。
たくさん買い物をした帰りが辛い
家の周辺にスーパーやドラッグストアがない場合は、駅周辺のお店で食材や日用品を購入する必要があります。お米やペットボトルの飲料、洗剤などの重い荷物を持ち、約1.6kmの道のりを歩くのは想像以上にハードです。女性であれば、なおさらキツく感じられるかもしれません。
さらに、駅まで自転車で通う人にとっても、重たい荷物を載せると転倒のおそれがあります。お米や水、洗剤など重いものを購入する場合、通販の利用がおすすめです。
人通りの少ない夜道が不安に感じる
徒歩20分の距離は、駅から距離があるため静かに暮らせます。
その反面人通りが少なく、さらに街灯がない場所も珍しくないため、夜道を歩く際は不安に感じることがあります。人通りが少ないと、痴漢やひったくりなどの犯罪も発生しやすくなり、被害に遭う可能性も高まってしまいます。
もし物件を検討している段階であれば、実際に駅からの道を歩いてみましょう。夜の人通りや交通量、街灯の数などをチェックし、安心して帰宅できる道のりかを確認することが大切です。
駅から徒歩20分で到着する賃貸物件がおすすめの人
駅から徒歩20分の賃貸物件がおすすめなのは、以下のような人です。
<駅徒歩20分の賃貸物件がおすすめな人>
・家賃を抑えたい人
・幅広い物件から希望の部屋を見つけたい人
駅から徒歩20分の賃貸物件は、駅チカ物件よりも家賃が低い傾向にあります。また、駅から離れている分、部屋が広かったり最新設備が整っていたりする物件も珍しくありません。
家賃重視の人や、設備の整った部屋に住みたい人は駅から徒歩20分まで範囲を広げてみるのがおすすめです。
駅から徒歩20分で到着する賃貸物件も検討しよう
駅から徒歩20分の賃貸物件は遠くて不便なイメージがあり、実際に重い荷物を持って歩いたり、悪天候の中歩いたりするには苦労する距離です。
しかし、自転車やバスを利用すれば通勤・通学もしやすい他、健康を考える人にとっては毎日の運動になる点も魅力です。
また、家賃相場が駅チカ物件よりも大幅に安く、物件の選択肢が増えるメリットも見逃せないため、部屋探しをする際には駅から徒歩20分の距離にある賃貸物件も検討してみましょう。