大学生のうちに一人暮らしをしたいけど、どれくらいの費用がかかるのか気になる!という人は多いかもしれません。自立心が養われる一人暮らしは、学生のうちから経験しておいて損はないでしょう。
そこで今回は、大学生の一人暮らしにかかる費用やメリット、さらに費用を抑えるコツの解説をしていきます。一人暮らしに悩んでいる大学生や一人暮らしにかかる費用を知りたい人は、ぜひ参考にしてください。
目次
大学生が一人暮らしをするメリット
大学生が一人暮らしをするメリットは以下の3つがあげられます。
・自活能力が身につく
・金銭面のやりくりが上手になる
・ひとりで過ごせる時間が増える
一人暮らしは親元を離れ、自分の力だけで生活する必要があります。それぞれどんなメリットがあるかを詳しく見ていきましょう。
自活能力が身につく
実家で暮らしていると、基本的には家族が家事洗濯などといった身の回りのことを引き受けてくれます。しかし、一人暮らしを始めるとそうはいきません。毎食のご飯作りや掃除に洗濯、洗い物に買い出しなど、すべてを自分の力だけでこなす必要があります。
今まで家事をまったくやったことのない人も、一人暮らしをするとやらざるを得ません。そのため、一人暮らしをすると自然に自活能力が身につきます。実際に、一人暮らしを始めて自炊や掃除が得意になったという人もたくさんいます。
一人暮らしですべき家事は以下の通りです。
・掃除
・買い出し
・料理、洗い物
・洗濯、アイロン、クリーニング
・布団干し
・ゴミ出し など
頻度や時間は人によってさまざまですが、中には毎日しなければいけないものも多くあります。これらの家事をこなしていたら、自活能力はすぐに高まるでしょう。
金銭面のやりくりが上手になる
実家で生活していると、自分が使う範囲のお金しか気にする必要はありませんでした。しかし一人暮らしを始めると、家賃に光熱費、食費など生活にかかるすべての費用を自分だけでやりくりしなければなりません。
アルバイトでの収入や仕送りの金額は限られています。限られた予算の中でやりくりすることで、金銭面の管理能力が自然と身につきます。お金を管理する能力は、社会人になってもプライベートや仕事面で大いに役立つため、大学生のうちから一人暮らしをするのは将来的にもメリットが高いといえるのです。
収支の管理に加えて、ライフラインの手続きや公共料金の支払い、住民票の移動など、将来向き合わなければいけない公的な手続きにも、早いうちから慣れることができます。これらの面倒なやり取りを乗り越えると責任も芽生え、自立心の成長にも大きな影響を与えるでしょう。
ひとりで過ごせる時間が増える
一人暮らしをする大きな魅力の1つが、自分の自由な時間が増えることです。家族の存在を気にすることなく、自分のためだけに時間を過ごせます。
たとえば、どんな時間に寝ようがお風呂に入ろうが、誰の目を気にすることもなく自由です。外出して帰りが遅くなった場合でも、門限を気にして家族に連絡する必要はありません。外泊も好き勝手にでき、好きなタイミングで友達や恋人を家に招き入れることもできます。
「早くお風呂に入りなさい」など家族に急かされていた人は、そういったわずらわしさから解放されます。門限や外泊制限があった人も、縛られていたストレスから解放されることになるでしょう。いつ誰とどこで何をしようが、基本的には誰にも文句を言われないで済みます。
このような自由を求めて一人暮らしを希望する大学生も多いのではないでしょうか。大学生になると、アルバイトやサークル活動など行動の幅も大きく広がります。新たな交友関係も生まれ、今までと違った遊び方も増えるようになるため、より自由な生活がほしくなるかもしれません。
大学生が一人暮らしをする注意点
大きく3つのメリットがある大学生の一人暮らしですが、自由を手に入れるということは責任も伴います。ここからは、大学生が一人暮らしをする注意点について3つ紹介します。
・家事と勉学の両立が難しい
・金銭面や健康の管理が大変である
・ひとりで過ごすことが寂しいかもしれない
これらの項目に少しでも不安がある人は、一人暮らしをするかどうかや対策について家族と話し合うことをおすすめします。詳しい内容をそれぞれ見ていきましょう。
家事と勉学の両立が難しい
一人暮らしをすると、生活を維持するために毎日さまざまな家事をこなさなければいけません。それらに手間と時間をかけすぎると、勉学や学生生活との両立ができなくなる可能性も考えられます。
毎日大学の授業が終わって、夕食の買い出しに準備、食べ終わったら片付けて掃除と洗濯を済ませていると、あっという間に1日が終わってしまい、家で勉強する時間がありません。さらに自分の趣味の時間やリラックスする時間も少なくなってしまうでしょう。
大学生の本分は勉強です。せっかく大学に入学したのに、勉強がおろそかになってしまっては意味がありません。勉強の手を抜いてしまうと最悪の場合留年や中退の可能性もあり、精神的にも金銭的にも苦労をすることになるでしょう。
勉学だけでなくアルバイトやサークル活動をしている人は、さらに両立させなければいけないことが多くなります。文部科学省のデータによると大学生のアルバイト時間は週に平均9.3時間。週3日アルバイトをしていると仮定すると、1日平均3.1時間がアルバイトの時間です。そうするとさらに勉強の時間を取ることは難しくなるでしょう。
もちろん学生生活では人間関係も重要です。家事や勉学、アルバイトやサークル活動のほかに、友人と遊びに行ったり、恋人とデートをしたりする時間も必要になるでしょう。これらすべてを両立させるとなると、すべてにおいて要領よくやりくりしないといけません。
「勉学だけに集中したい…」と思う人は、これらの両立を面倒に感じてしまうでしょう。
金銭面や健康の管理が大変である
一人暮らしには以下の費用がかかります。
・賃貸物件の家賃、管理費
・食費
・光熱費
・通信費
・交際費
・交通費 など
これらの費用をアルバイトや仕送りの中から毎月やりくりしなくてはいけません。金銭管理はすべて自分の責任になるため、手間に感じる人は多いでしょう。
さらに、一人暮らしをすると健康管理も自分の責任です。たとえ風邪をひいたり、熱を出したりしても誰も看病してくれません。一人暮らしの状態で体調を崩すと身体が思うように動かなくても、自活する必要があり、体力的にも精神的にもかなり参ってしまいます。
そうならないためにも、普段から身体に良いものを食べたり、適度な運動をしたりして健康に暮らす必要があります。自由に好きなものを食べられる一人暮らしは、栄養面を気にせずついつい自分の好きなものだけを食べてしまいがちです。自炊が面倒だからと、お菓子やコンビニの食事、インスタントで済ませてしまう人もいます。
そのような栄養がかたよった食事ばかりをしていると、体調を崩してしまう可能性は極めて高いです。免疫力も低くなり、一度風邪をひくと治りにくかったり、何度もぶり返したりするでしょう。風邪をひいてつらくなるのは自分です。
体調が悪くなったあと苦労するのではなく、体調を崩さない習慣が重要です。
ひとりで過ごすことが寂しいかもしれない
「自由な生活を求めていたのに、いざ一人暮らしをしてみるとなんだか寂しい…」一人暮らしをしてこのように思う人もいるでしょう。外出先から帰ったときに部屋が真っ暗だったり、テレビの感想を言い合えなかったり、一人暮らしで孤独を感じる瞬間はたくさんあるかもしれません。
一人暮らしをするまでは家族と過ごす時間が当たり前で、会話できる相手が同じ空間にいるため寂しさを解消しやすかったのではないでしょうか。しかし一人暮らしを始めれば、いつも近くに誰かがいるわけではないので寂しい気持ちが続く可能性もあります。
特に、体調が悪いときや落ち込んでいるときは、孤独を感じやすくなります。一人でいることに寂しさを感じる可能性がある人は、自分なりの上手な解消法を知っておくことがおすすめです。
大学生の一人暮らしでかかる平均費用
では実際、大学生が一人暮らしをするとどれくらいの費用がかかるのでしょうか。ここからは、細かい項目別で一人暮らしにかかる平均費用を紹介します。
初期費用
一人暮らしを始めるには賃貸物件を借りて必要な家具家電をそろえるために、初期費用としてはじめにある程度のまとまった金額が必要になります。
・賃貸物件契約にかかる初期費用
・家具・家電にかかる初期費用
上記それぞれの平均費用について説明していきます。
賃貸契約時にかかるお金
大学生が一人暮らしをする平均的な間取りである1R・1Kの平均家賃を東京都内50市区で算出すると6.39万円となります。今回は6万円の賃貸物件で一人暮らしする場合の、賃貸契約時にかかる初期費用を例にあげています。
※家賃相場はCHINTAIネット2021年11月28日時点のもの
敷金 | 60,000円 |
礼金 | 60,000円 |
前家賃 | 60,000円 |
仲介手数料 | 30,000円 |
火災保険料 | 20,000円 |
鍵交換代 | 15,000円 |
保証料 | 30,000円 |
その他 | 20,000円 |
合計 | 295,000円 |
敷金や礼金は家賃の1〜2ヶ月分が相場で、仲介手数料の相場は家賃の0.5〜1ヶ月分といわれています。火災保険料や鍵交換代、保証料は物件や管理会社によって金額が前後する可能性もあります。合計で家賃の5ヶ月分ほどを想定しておくとよいでしょう。
不動産会社によっては、敷金・礼金・仲介手数料が0円の賃貸物件を紹介してくれるケースもあります。さらには、フリーレントと呼ばれる家賃が一定期間無料の賃貸物件も存在します。こういった賃貸物件に絞ると、初期費用を上記の平均値よりも低くすることが可能です。
また、前家賃とは契約の際にあらかじめ払う翌月分の家賃です。契約した日が月中の場合は、その日から月末までの日割り家賃と翌月分の家賃を一緒に払う必要があります。
家具・家電
一人暮らしのために最低限必要な家具や家電の費用相場は以下の通りです。
冷蔵庫 | 30,000円 |
電子レンジ | 10,000円 |
炊飯器 | 5,000円 |
洗濯機 | 25,000円 |
掃除機 | 5,000円 |
テレビ | 20,000円 |
寝具 | 10,000円 |
テーブル | 3,000円 |
合計 | 108,000円 |
一人暮らしに必要な家具・家電をそろえるには、およそ10万円前後を用意しておくとよいでしょう。テレビを見ないなどの生活スタイルによっては平均費用をもう少し減らすことも可能です。上記のほかに趣味や大学生活で必要な家具・家電があれば、それらも買いそろえる必要があります。
生活費
契約時にかかる初期費用として前家賃を紹介しましたが、それ以外にも毎月生活するためには以下の固定費が必要です。
・食費
・水道光熱費
・通信費
これらの平均費用を解説していきます。
食費
令和2年度学生生活調査のデータによると、一人暮らしをしている学生の平均食費は22,783円です。自炊をする頻度や飲酒をするかどうかなどの生活スタイルによって食費は大きく異なるでしょう。この費用をベースに、やりくりするのがおすすめです。
水道光熱費
総務省がまとめた家計調査のデータによると、電気代・ガス代・水道代を含めた光熱費の平均費用は12,791円。そのうち電気代は6,431円、ガス代は3,112円、水道代は2,302円です。
水道光熱費は、生活スタイルや賃貸物件のタイプによっても異なります。電力会社やガス会社のプランによって安くなることもあるので、契約のときに調べてみるのもよいでしょう。
通信費
家計調査のデータで見ると、通信費の平均費用は6,091円です。通信はスマートフォンやパソコンなど、大学生活に欠かせないアイテムです。そのほかにWi-Fiやインターネット回線を契約すると、通信費は上昇する傾向にあります。
大学生の一人暮らしでかかる費用を抑えるコツ
一人暮らしの家計を上手にやりくりさせるためには、毎月の収入が支出を超えないといけません。アルバイトできる時間は限られており、仕送りや奨学金にはあまり頼りたくないでしょう。そのため、やりくりには支出を少なくする必要があるのです。
ここからは、大学生が一人暮らしの費用を抑えるためのコツを5つ紹介します。
自炊を心がける
定食屋に入ると1食で800円ほどかかると思います。ファストフードであっても、1食あたり500円はかかってしまうかもしれません。このようにお金がかかる外食を続けてしまうと、食費が家計をを大きく圧迫してしまいます。
一方で自炊をすると食費を節約できます。大学生活と並行して自炊をするのは面倒かもしれませんが、白米を炊いておかずを1品作るなど、最低限の自炊でも食費に多く影響します。ときにはスーパーの惣菜やインスタント食品なども活用しながら、できる限り自炊を心がけましょう。
マイボトルを持参する
意外とお金がかかっているのが飲料代です。総務省の家計調査のデータによると、お茶やジュース、コーヒーなどの飲料代だけで毎月2,575円支出しています。
マイボトルに家で作ったお茶を入れて持参するだけで、飲料にかかる費用を0円にできます。お茶以外にも、コーヒーや紅茶など家で用意できるものは、なるべくマイボトルで持参しましょう。
使わない家電のコンセントを抜く
光熱費で一番高額の電気代は、こまめな節約を積み重ねることで削減できます。特に、使っていない家電のコンセントを抜いておくと、待機電力を節約でき、節約につながります。
通学などで長時間留守にする場合は、冷蔵庫以外はすべてのコンセントを抜いておいてもよいでしょう。
資源エネルギー庁の推計によれば、一世帯あたりの年間消費電力量を4,432kWhと見積もっており、待機電力として消費される電力量はそのうち228kWhにものぼります。電気代に直せば、待機電力だけで年間およそ5000円以上かかってくる計算になります。
少し面倒な作業ですが、5,000円以上の無駄を無くすためにも、簡単にできる節約から始めていきましょう。
まかないがあるアルバイト先を選ぶ
大学生が食費を節約できるコツの1つに、「まかない」があげられます。飲食店でアルバイトをすると多くの店にはまかないがついており、1食分の食費を浮かせられます。
ただし、まかない以外の条件を重視せずにアルバイトを選んでしまうと、勉学のさまたげになってしまう可能性もあります。あくまで勉学を優先し、余裕があればまかないつきの飲食店でのアルバイトを考えてみてはいかがでしょう。
格安プランがあるスマホ事業者を選ぶ
毎月平均6,000円以上かかる通信費は、スマートフォンを格安プランに変えると大きく節約できます。さらに、学生割引や家族割りを使うと、スマートフォンの料金をさらに抑えられるでしょう。
スマホの事業者によっては、無線LANとセットで申し込むと料金が安くなるプランもあります。容量や生活スタイルにあわせて、できるだけ毎月の支出が安くなる通信業者を選びましょう。
費用を抑えて楽しい一人暮らしをはじめよう
大学生の一人暮らしには、学業との両立や生活費用をやりくりする手間がかかるなどの注意点があります。しかし、自活能力や金銭・健康管理のスキルが身につくといった大きなメリットもあります。
大学生の一人暮らしの契約における初期費用や家賃の5ヶ月分ほど、家具・家電で10万円ほどかかると想定しましょう。また、一人暮らしをすると毎月10万円ほどの支出があります。なるべく支出を抑えるためにも、できる限りの節約を心がけて快適な一人暮らしライフを楽しみましょう。