LGBTカップル向け賃貸の探し方とは?入居審査のポイントや現状について解説

横並びに座っているLGBTカップル

最近は、価値観の多様性が認められるようになってきたこともあり、SNSなどでもLGBTの方が発信する情報を目にする機会も増えてきました。実際に一緒に暮らしたいと考えているLGBTカップルも少なくありません。

しかし、残念なことにすべての賃貸物件がLGBTカップルの同棲を認めているわけではなく、契約にいたらないケースもあります。

今回は、LGBTカップル向けの賃貸物件の探し方やポイントなどを紹介していきます。お互いの将来に向けて、同棲を検討している方はぜひ参考にしてください。

LGBTとは

LGBTとは性的少数者を表す言葉のひとつで、以下の頭文字が組み合わされています。

単語意味心の性恋愛対象
L(レズビアン)女性の同性愛者女性女性
G(ゲイ)男性の同性愛者男性男性
B(バイセクシャル)両性愛者女性/男性すべて
T(トランスジェンダー)心の性と身体の性が一致していない人

細かく分類すると、L(レズビアン)・G(ゲイ)・B(バイセクシャル)はどのような人を好きになるかという「性的指向」で、T(トランスジェンダー)は自分の性をどれくらい認識しているかという「性自認」を表します。

また性的少数者には、LGBT以外にもさまざまなタイプが存在します。

たとえば、いつもは異性が好きでもたまに同性に惹かれる人や、性自認が男性・女性どちらにも当てはまらない人、性的指向が流動的な人などさまざまです。それを表すために、LGBTQという言葉も使われます。

Qとは、「クィア」または「クエスチョニング」を指し、以下のような意味を持ちます。

・クィア:異性愛者、LGBT以外の性的指向や性自認を持つ人
・クエスチョニング:性的指向や性自認がはっきりしていない人

参考:法務省人権擁護局

このように、人が持つ性的指向や性自認にはさまざまなものがあります。一昔前はLGBTが快く受け入れらず、多くのLGBTの人が自分の性について隠したり悩んだりすることもありました。

しかし、時代が進む中でLGBTは多様性のひとつとして認められ、徐々にLGBTフレンドリーの世界が広がりつつあります。

LGBTフレンドリーとは、LGBTの人に対して温かく開かれた状態のことです。たとえば会社内での差別を禁止する、異性カップルと同じ福利厚生を与えるなどが、具体的なLGBTフレンドリーのアクションとして挙げられます。

なお、不動産業界の中でもLGBTフレンドリーは進んでおり、同性カップルが入居できる賃貸物件を紹介する不動産屋が増えています。

賃貸契約におけるLGBTカップルの現状

LGBTフレンドリーが進んでいるとはいえ、LGBTカップルの賃貸契約はやや難しいのが現状です。実際にLGBT当事者のTwitterの口コミを見てみると、さまざまな意見があります。

ただし、「LGBTカップルで賃貸契約をしたけど何も問題なく進められた」といった口コミも一部見られます。LGBTフレンドリーな賃貸物件や不動産会社を見つけることが出来れば、スムーズに賃貸契約を結べるということを頭に入れておきましょう。

Twitter等でみられたLGBTカップルの賃貸物件の難しさを語る内容の口コミは以下のとおりです。

男女のカップルよりも契約が難しい傾向にある

・「男女の同棲なら普通の賃貸物件が借りられるのに、同性2人で部屋を借りるのは難しい」
・「過去に賃貸物件探しで苦労したことがある」

LGBTカップルだからという理由で賃貸物件の契約が難航する人は多いようです。同性のシェアハウスでも難しいのに、同性カップルならさらに難しいだろうという意見も見受けられます。

エリアによっては賃貸契約のハードルが高い

・「LGBT条例が制定されているにもかかわらず賃貸物件が借りられないLGBTの人がいた」
・「パートナーと同居しているが、場所によっては賃貸契約のハードルが上がり、部屋を借りられないケースもある」
・「はっきりと『LGBTの方お断り』と契約書に記載されている」

一部のエリア・賃貸物件では、残念ながらLGBTカップルの賃貸契約が認められていません。契約書自体に記載されているなど、大家さんが最初からLGBTカップルの入居を断っているケースもあるようです。

家族と認められないため家賃補助がもらえない

「賃貸契約上同性パートナーとの同居はできず、家族と認められないため家賃補助がもらえない」

「パートナーシップ制度があっても社会が受け入れてくれず、住まいが見つかるまで1年ほどかかった」
婚姻関係を結んでいる場合、勤め先によっては家賃補助が受け取れるケースがあります。

しかし、現在の法律においてLGBTカップルは婚姻関係を結べないため、家賃補助が受け取れないことも珍しくありません。
2015年にLGBTカップルのためのパートナーシップ制度が渋谷区・世田谷区で嗜好され、その後多くの自治体に広がりつつありますが、賃貸契約で認められないケースも一部あるようです。

LGBTカップル向け賃貸物件の探し方

LGBTフレンドリーが進む世の中であっても依然として難しいLGBTカップル向けの賃貸探しは、以下の方法がおすすめです。

LGBTフレンドリーの不動産屋で探す

最近では、LGBTフレンドリーなサービスを行っている不動産屋が増えています。
LGBTカップルが住める賃貸物件を多く取り扱っているため、「気に入った部屋が見つかったのに断られた…」といったケースもほとんどありません。

また、LGBTフレンドリーの不動産屋はLGBTに理解があるストレート(=アライ)が多かったり、LGBT当事者がスタッフとして店舗に常駐していたりすることもあるため、部屋探しに関することだけでなく、入居後の生活などについても相談できます。

最近では、一部のポータルサイトもLGBTフレンドリー仕様に変化しています。LGBTカップルが住める賃貸物件に絞って検索することができ、ストレスのない部屋探しができるのが魅力です。

経験者に尋ねる

周りに賃貸物件探しの経験があるLGBTカップルがいる場合、その人たちに話を聞くのもひとつの手です。すでにさまざまな不動産会社で対応してもらっている可能性が高く、経験者ならではのリアルな声を聞くことができます。

もし周りに賃貸物件探しをしたことのあるLGBTカップルがいない場合、SNSも活用してみましょう。
Twitterは匿名性が高いので、周囲の人にカミングアウトをするつもりがない方でも気軽に利用できます。多くのLGBTの人が素直な意見を述べているため、賃貸物件探しの参考にすることも可能です。

また、Twitterはアカウントを複数個持つことができ、すでにアカウントを持っている人でも別アカウントを作ることができます。なお、自分から相談することで、さまざまな人からリプライをもらえるのもメリットです。

LGBTカップルでも通りやすくなる入居審査のポイント

LGBTカップルが住める賃貸物件が見つかっても、入居審査に通らなければ意味がありません。ここからは、LGBTカップルが入居審査に通るためのポイントを4つ紹介していきます。

不動産会社が所有している物件を選ぶ

個人が所有している賃貸物件の場合、大家さんの考え次第でLGBTカップルの入居を拒否される可能性も少なくありません。しかし、不動産会社が所有している賃貸物件の場合、物件を紹介した後に「LGBTなのでやっぱり入居出来ない」などというケースはほとんど見られません。

また、多様性が叫ばれている世の中で、LGBTを理由に不動産会社が入居を拒否したとなれば多くの人から反感を買ってしまいます。そのため、ほとんどの不動産会社はLGBTだから部屋を貸し出さないなどのような差別的な行動・発言はせず、入居者の価値観を尊重しながら各種サポートに努めています。

難しい入居審査を通過するために、できるだけ不動産会社が所有している賃貸物件を選ぶというのも1つの方法です。

お互いの親族が連帯保証人になる

大家さんや管理会社に信頼してもらうためには、お互いの親族を連帯保証人にすることがおすすめです。連帯保証人とは、家賃の未払いなどの問題が起こったときに、入居者の代わりに支払いをする人のことを指します。

LGBTカップルの審査が通りづらい理由のひとつに、同棲解消時の家賃未払い問題が挙げられます。親族ではない人が連帯保証人で、同棲解消により家賃が払えなくなってしまった際、もし音信不通などのトラブルで連帯保証人と連絡が取れなくなると大家さんは家賃を受け取ることができません。

一方、お互いの親族が連帯保証人になっていればその居所がはっきりしているため、仮に家賃の未払いが発生しても大家さんは安心して家賃を請求することが可能です。

親族にカミングアウトしていない場合は、保証会社を利用するのもおすすめです。親族に代わって連帯保証人になってくれるため、大家さんや管理会社からの信頼度も同じように高くなります。

パートナーシップ制度を活用する

パートナーシップ制度とは、同性カップルを婚姻に相当する関係と認める制度のことです。法律上の婚姻関係と同じ扱いになり、賃貸物件の入居審査も夫婦同様通りやすくなるのがメリットです。

パートナーシップ制度は、2022年4月現在で200以上の自治体で採用されています。交付件数は2,000組を超え、さらに全国的に広がることが予想されます。

パートナーシップ制度の証明書をもらう大まかな流れは以下のとおりです。

1:自治体に連絡をして宣誓日を決める
2:宣誓日に必要書類を持って指定場所に行く
3:宣誓を行う
4:パートナーシップ宣誓受領書をもらう

パートナーシップ制度を利用すると、賃貸物件の契約だけでなく病院での付き添いや生命保険の受取人、家族カードの作成や家族割などさまざまなケースで男女の夫婦と同等の扱いを受けられます。

物件契約には大家さんの意向なども関係するため、全ての物件で賃貸契約が可能になると断言できるわけではありません。
しかし制度の利用によりスムーズに物件契約を進められるケースも多いため、同性カップルでの同棲を決めた場合、パートナーシップ制度が採用されている市区町村への移住も検討してみましょう。

参考:一般社団法人「日本LGBTサポート協会 パートナーシップ宣誓制度」

年齢が若い大家さんが所有する物件を選ぶ

LGBTは近年注目を浴びてくるようになったトピックのひとつであり、一昔前はLGBTを自認しない人の他、公にしていない人も少なくありませんでした。
また、パートナーシップ制度も2015年から始まっているもので、それ以前は多くの人からの理解は得られ難かったと推測できます。

そのため年配の大家さんほどLGBTカップルの価値観を受け入れられない方が多い傾向にあり、LGBTカップルを入居対象としていないケースもあります。

もちろん、年齢問わずLGBTに対し深い理解を示す大家さんはいらっしゃいます。ただし、大家さんにLGBTカップルであることを理由に入居を渋られた場合は、自身の価値観を強要せず別の賃貸物件を探すのがベターです。

年齢が若い大家さんを探したい場合、その旨を不動産屋に伝えておくのがおすすめです。不動産屋は直接大家さんと話す機会も多いため、大家さんの年齢や考え方を理解している営業マンも多いでしょう。

探し方次第でLGBTカップル向けの賃貸物件は見つかる

多様性を認める動きが広がりつつある現代でも、LGBTカップルの賃貸契約は難しいケースもあるようです。同棲を検討中のLGBTの方は、

SNSを活用したり、経験者に尋ねたりしてLGBTフレンドリーな不動産会社を探し、スムーズに物件契約を進めましょう。

うまくいかないこともあるかもしれませんが、周囲の人の手を借りつつ、理想の部屋を見つけて、パートナーとの同棲生活を楽しんでください。

ふどサーチ編集部