専門学校への進学を機に、一人暮らしを始めようと考えている方も多いでしょう。しかし、初めての一人暮らしの場合、自分の毎月の生活費を把握している人は少なく、実際に生活を始めるとなるといくら必要なのか不安に思う方もいるのではないでしょうか。
そこで今回は、専門学生の一人暮らしにかかる生活費の相場についてお伝えします。また、一人暮らしをすることのメリットや注意点、節約のコツもご紹介しているので、これから一人暮らしをする専門学生の方はぜひ参考にしてみてください。
目次
一人暮らしをするにはどれくらいお金がかかる?
一人暮らしを始めるには、賃貸契約にかかる初期費用や、毎月の生活費が必要です。実家から離れて専門学校へ通う場合は、引越しをする際にまとまった金額が必要ですし、月々の生活費も自分で管理しなければなりません。
次の項目では、専門学生の一人暮らしにかかる費用を詳しく説明していきます。
一人暮らしの初期費用はいくら?
一人暮らしを始める際に、特に費用がかかるのが初期費用です。一般的に、家賃の5~7ヶ月分が必要といわれています。
以下に主な費用とその相場をまとめています。
■敷金・・・家賃1~2ヶ月分
■礼金・・・家賃1~2ヶ月分
■前家賃・・・契約月分(日割り計算)+翌月分の家賃
■仲介手数料・・・家賃1ヶ月分
なお、賃貸契約にかかる初期費用の詳しい内訳についてはこちらの記事で解説していますので、気になる方はぜひ参考にしてください。
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一人暮らしの専門学生の生活費の内訳
月々の生活費としては、以下のような費用がかかります。
以下の表では、「令和2年度専修学校生生活調査結果」「下宿生の生活費」を参考に、一人暮らしの専門学生の生活費の目安をまとめています。
【生活費の主な内訳】
項目 | 月々の目安 |
家賃・水道光熱費 | 約41,000円 |
食費 | 約21,000円 |
娯楽費 | 約1万円 |
通信費 | 約3000円 |
その他の日用品、雑費 | 約1400円 |
※参考:独立行政法人 日本学生支援機関 「令和2年度専修学校生生活調査結果」
※参考:全国大学生活協同組合連合会 「下宿生の生活費」
上記は平均値であるため、あくまでも目安として考えてください。住む物件の家賃や、食費・娯楽・日用品などにかける金額は人によって異なります。また、家賃は地域や条件・設備によって相場が変わるため、自分のライフスタイルや状況と照らし合わせながら生活費について考えるようにしましょう。
また、上記の生活費以外にも、交通費や勉強に必要な教材費などもかかります。家賃や光熱費などの支払いが滞らないよう、毎月の生活費を把握しておくことが大切です。
ここからは、上記の項目それぞれについて詳しく見ていきましょう。
家賃・水道光熱費
生活費の大部分を占めるのが家賃です。家賃は地域ごとや間取り、設備などによって異なります。また、家賃の他に、共益費や管理費が別途必要です。
共益費・管理費は、エレベーターやごみ捨て場など共用部分の維持に使用されます。家賃に含まれている場合もありますが、「家賃5万円(共益費:5,000円)」などと記載されていることもあるため、トータルで月いくら支払うのかを確認しておきましょう。
通信費
友人への連絡や日々の情報収集に使うスマートフォンなどの通信費も、家賃や水道光熱費と同じく毎月の支払いが必要な固定費です。また、賃貸物件の設備にインターネット回線がない場合、工事費や月額費用の支払いが必要であることも頭に入れておかなければなりません。
食費
一人暮らしの場合、自炊をする時間がなかったり、料理が苦手だったりすると、外食やコンビニなどで済ませることが多くなってしまいます。そういった生活が続くと食費がかさんでしまうため、無理のない範囲で自炊をするなど工夫することが重要です。
また、毎日コンビニでコーヒーやお菓子を買っている場合も、月で考えるとそれだけで1万円ほどの出費になるおそれがあります。意識していなければ食費はどんどん高くなるため、家計簿をつけるなどして月にいくらかかっているのかを把握しましょう。
娯楽費
娯楽費とは、映画鑑賞やゲームセンター、お酒などに使う費用です。人によっては大きな支出となる場合があるため、毎月の生活費のことを考えながら使う必要があります。
日用品など雑費
洗剤やラップ、ゴミ袋など消耗品の費用をさします。実家にいたころは当たり前にあった日用品ですが、一人暮らしでは自分で購入する必要があります。生活に欠かせない費用ですので、忘れずに生活費の中に組み込んでおきましょう。
専門学生が一人暮らしをする4つのメリット
ここまでにお伝えしたように、一人暮らしをするにはたくさんのお金が掛かります。しかし、親元を離れて一人暮らしをすることにはたくさんのメリットもあります。
専門学生が一人暮らしをして得られるメリットの例としては、以下のようなものがあります。
1.通学の時間・費用を減らせる
2.自立して自己管理できるようになる
3.家事のスキルが身につく
4.自由な生活ができる
これら4つのメリットについて、それぞれ見ていきましょう。
①通学の時間・費用を減らせる
学校の近くで一人暮らしをすれば、通学にかかる時間が削減できます。自宅から通う場合は通学時間が長くなる場合も多く、朝早く起きたり帰りが遅くなることがしばしばあるという方も少なくないのではないでしょうか。
通学時間を削減できれば、その分の時間を学業や自由な時間に回すことができます。専門学校では専門的な知識や技術を習得するために、課題や実習、資格取得など勉強の毎日です。学校の近くに住むことで通学時間が減り、自分のやりたいことにより多く時間を使うことができます。
また、学校の近くに住むことで、通学時間だけでなく交通費も減らせます。自転車や徒歩で通える距離であれば、電車・バス等にかかる費用を削減できる他、リフレッシュに効果的な軽い運動を習慣的にすることができます。
②自立して自己管理できるようになる
一人暮らしは、掃除や料理といった家事全般から、メンタルや体調の管理までをすべて一人で行わなければなりません。実家暮らしのときは、決まった時間になれば家族が食事を用意してくれていたかもしれませんが、一人暮らしでは自分で用意する必要があります。また、自分で起きて定刻までに学校に行かなければならないため、自然と自己管理ができるようになります。
金銭感覚や時間の使い方などは社会人になる前に身につけておき、将来困らないようにしておきましょう。
③家事のスキルが身につく
一人暮らしでは、家事全般を一人でこなす必要があります。料理といっても、買い物から食材の下ごしらえ、食器洗いやシンクの掃除まで含まれますし、掃除も床、トイレ、玄関などさまざまです。
実家でも家事のスキルは身につきますが、一人暮らしの場合は代わりにやってくれる人がいないため、臨機応変に対応できる柔軟さも磨かれます。
④自由な生活ができる
一人暮らしといえば、自由な生活ができる点がメリットです。自分自身の責任の下で、家でも外でも自由に過ごしたり、好きな時間に趣味を楽しむこともできます。家族を気にせずに友人を呼んだり、門限を気にせず遅い時間に帰宅したりすることも自由です。
また、家族の存在を気にする必要がないため、学業に集中できるのもメリットです。生活リズムを家族に合わせる必要もなく、自分のペースで勉強をしたり、食事や入浴をしたりできます。また、家族の物音が気になって、勉強に集中できないということもありません。
特に兄弟・姉妹がたくさんいる人など、実家ではなかなか勉強に集中できる環境がないという場合は、学業に集中するために一人暮らしをすると決めるのも有効です。
専門学生が一人暮らしをする際の注意点
一人暮らしには多くのメリットがある一方、以下の3つの点に注意が必要です。
1.お金がかかる
2.自堕落な生活にならないように注意が必要
3.未成年は親の同意が必要
次項から、それぞれ気をつけるべきポイントを見ていきましょう。
①お金がかかる
先述の通り、一人暮らしの場合、実家暮らしよりも圧倒的にお金がかかります。家賃や光熱費などの固定費はもちろん、食費や雑費など、実家では必要なかったものに対してお金を支払わなければなりません。
毎月の支出を把握しておかないと、生活費が足りずに各種支払いができない事態に陥ってしまいます。月々の食費や固定費を把握し、生活費を節約することが大切です。
②自堕落な生活にならないように注意が必要
自己管理ができるようになれば、一人暮らしでもきちんとした生活を送ることができます。しかし、実際に自分の行動を管理するのは難しいもので、いつのまにか楽な方向に流れてしまい、自堕落な生活になりがちです。
昼夜逆転の生活を続ける、偏った食事を取り続けるなどすると、体調を崩して学校に行けなくなることもあるかもしれません。実際に生活リズムが狂ってしまうケースも多く見られるため、無理のない範囲で自己管理を続けましょう。日々の行動をアプリなどに記録して振り返る、友人や家族に注意喚起してもらうなど、自分の意思に頼らない方法でコントロールするのがおすすめです。
③未成年の賃貸契約は親の同意が必要
高校を卒業して専門学校に進学する場合、未成年で賃貸契約を結ぶことになりますが、この際は親の同意が必要です。未成年は収入や社会的信用がないことから、家賃滞納を防ぐためにも同意書を求められるため、事前に不動産会社のスタッフに伝えておきましょう。
また、未成年の賃貸契約については、こちらの記事でも解説していますので、気になる方はチェックしてみてください。
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一人暮らしの専門学生の主な収入源
お金がかかる一人暮らしの専門学生は、どのようにして収入を得たらいいのでしょうか。専門学生の主な収入源は、以下の3つがあります。
1.仕送り
2.奨学金
3.アルバイト
それぞれ1つずつ見ていきましょう。
仕送り
アルバイトだけですべての生活費を賄うのは難しく、そのため家族からの仕送りに頼る専門学生も少なくありません。先述の日本学生支援機関の「令和2年度専修学校生生活調査結果」によると、仕送りの平均額は年間85万1,500円となり、これは月に換算すると約7万です。仕送りは、専門学生の収入源の中で最も多く、約49%を占めています。
※参考:独立行政法人 日本学生支援機関 「令和2年度専修学校生生活調査結果」
奨学金
一人暮らしの専門学生は奨学金を受け取っている人も多く、その割合は仕送りに次いで全体の約28%を占めています。
※参考:独立行政法人 日本学生支援機関 「令和2年度専修学校生生活調査結果」
奨学金は卒業後に返済が必要なタイプも多く、毎月の支払いに苦労する方も珍しくありません。しかし収入が少ない学生にとっては、日々の生活費を賄う大事な収入源です。奨学金のプランをチェックし、無理のない返済ができる範囲で利用するのがベストです。
アルバイト
生活費に余裕を持たせるため、多くの専門学生がアルバイトをしており、平均で月2万5,000円程度稼いでいます。
しかし、専門学生は課題や授業が多く、働ける時間・シフトに入る回数が限られています。アルバイト時間を多く割きすぎてしまうと学業との両立がうまくいかなくなるため、自身の体力やスケジュールを考えたうえで取り組みましょう。
一人暮らしの専門学生が生活費を節約するコツ
先述のとおり一人暮らしでも人や生活スタイルによって月々の生活費は異なります。以下の方法を実践することで無駄な支出を減らすことができます。
1.自炊をして食費を節約する
2.駅から遠くても家賃の安い賃貸物件を選ぶ
3.光熱費や通信費のプランを見直す
節約をするうえで大切なのは、節約を楽しむことです。常に節約を意識することは重要ですが、無理をしすぎるとかえってストレスになってしまいます。「無理なく続けられる」「生活の質が大幅に下がらない」と思える範囲で節約をしましょう。
①自炊をして食費を節約する
生活費の中で節約しやすいのは食費です。先述したように、毎回外食するよりも自炊をする方が節約に繋がります。安い食材をまとめ買いして冷凍保存する、ランチは外食ではなく手作り弁当にするなども有効です。
また居酒屋や食堂など、飲食店でのアルバイトもおすすめです。まかない付きであればランチ代が浮くほか、栄養バランスの偏りも防げます。
なお、食費の節約についてはこちらの記事で詳しく解説しているので、参考にしてみてください。
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②駅から遠くても家賃の安い賃貸物件を選ぶ
節約のひとつとして、家賃が低い賃貸物件に住むというのも有効です。家賃は生活費の中でも大きな割合を占めるため、基本的なことでありながらもコスパの良い節約方法といえます。
賃貸物件の家賃は、基本的には駅から近いほど高くなり、遠くなるにつれて安くなる傾向があります。家賃を抑えたいのであれば、駅からの距離を譲歩することで選べる物件の数も増えます。一見駅から遠いのはデメリットしかないように感じますが、駅から距離がある賃貸物件に住むことで軽い運動になり、勉強のリフレッシュができるなどのメリットもあります。
なお、駅から徒歩15分の賃貸物件についてはこちらの記事で詳しく解説していますので、併せてチェックしてみてください。
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また、一人暮らし用の物件は、アパートやマンションなどの賃貸物件だけでなく、学生寮や学生マンションもあります。学生寮によっては食事を提供が可能であったり、賃貸物件よりも家賃が抑えられたりする場合もあるので、これから通う学校に学生寮があるかどうか一度チェックしてみましょう。
③光熱費や通信費のプランを見直す
家賃の他にかかる固定費といえば、光熱費や通信費です。賃貸物件によって異なりますが、多くの場合電力会社は自分で好きな事業者を選ぶことができます。ただし、ガスの変更は難しいケースがほとんどのため、事前に大家さんへ確認を取りましょう。
また、水道光熱費の節約術についてはこちらの記事で詳しく説明しているので、固定費の節約を考えている方はぜひ読んでみてください。
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一人暮らしの水道光熱費はいくらかかる?手軽にできる節約術も解説
同じく、スマホやWi-Fiなどの通信費も、事業者やプランを見直せば節約可能です。なかには、電気・ガス・インターネットがすべてセットになった事業者やプランもあるため、比較検討をして削減できる固定費がないか見直しましょう。
専門学生の一人暮らしは節約と自己管理がカギ
専門学生の一人暮らしは、毎日の課題や実習に追われてお金や時間、健康の管理に苦労しがちです。生活費のためにアルバイトを増やすと、時間や体力が削られてしまい、勉強に集中できなくなるおそれがあります。学業に集中するためにも、家賃や通信費などの固定費を見直すことから始めましょう。
また、一人暮らしゆえに、気を抜くと堕落した生活を送りがちです。勉強と健康の双方を意識しつつ、自由で快適な一人暮らしを楽しんでみましょう。