フリーターでも一人暮らしは可能!必要になる金額や生活できる収入ラインとは

部屋の鍵を持っている男性

一人暮らしは、お金がかかったり安定した職業に就いていることが求められたりするイメージが強いですよね。そのため、「正社員じゃないと一人暮らしできない」と諦めている方も多いのではないでしょうか。

今回は、フリーターでも一人暮らしはできるのか、どんな条件が必要なのかを解説していきます。一人暮らしを諦めかけている人や、将来的に一人暮らしを考えている方はぜひ参考にしてください。

【結論】フリーターでも一人暮らしは可能!ただし初期費用分の貯金と一定の収入が必要

入居審査をクリアできればフリーターでも一人暮らしをすることは可能ですが、どんな方でもすぐに一人暮らしができるわけではありません。一人暮らしをするには、初期費用分の貯金と毎月入ってくる一定額の収入が必要です。

そこで気になるのが、賃貸物件における初期費用と家賃や生活費を払うための一定収入の相場ですよね。ここからは、フリーターの一人暮らしに必要な初期費用と一定の収入について詳しく解説していきます。

フリーターの一人暮らしに必要なもの①入居時にかかる初期費用

一人暮らしを考えたとき、家賃や光熱費・生活費が必要なことはすぐに頭に浮かぶかもしれませんが、見落としがちなのが入居時にかかる初期費用です。

賃貸物件の初期費用は、1ヶ月の家賃の5〜7ヶ月分といわれています。たとえば家賃5万円の賃貸物件に住む場合、初期費用として25〜35万円が必要となりますが、ここからはその具体的な内訳について詳しく解説していきます。

初期費用に含まれる要素

賃貸物件での一人暮らしには、主に以下のような費用がかかります。
・賃貸物件を契約する際の初期費用
・引越し業者の利用料金
・家具家電、生活用品の購入費用

■賃貸物件を契約する際の初期費用
賃貸物件の契約には、以下の初期費用がかかるのが一般的です。

①敷金:入居者が大家さんに預ける費用のことで、退去時に返却されるのが一般的。
②礼金:入居者が大家さんにお礼として渡す費用。
③仲介手数料:入居者が不動産会社に支払う費用。
④前家賃:あらかじめ支払う翌月分の家賃。
⑤日割り家賃:賃貸物件を月中に契約した場合に支払う、月末までの家賃。
⑥火災保険料:火災が起きたときに対応してくれる保険会社に支払う費用。
⑦保証会社利用料:家賃の滞納があったときに対応してくれる保証会社に支払う費用。
⑧鍵交換代:入居後鍵を変えるために必要な費用で、賃貸物件によって費用負担責任が異なる。
⑨上記以外に必要になるサポート料:室内の消毒などに使われる費用。

■引越し業者の利用料金
引越しをする際、引越し業者に依頼する人がほとんどです。引越し業者を利用するには、移動距離や荷物の量で金額は異なります。引越しの時期によっても金額は異なり、繁忙期である1〜3月は利用料金が高くなります。

■家具家電・生活用品の購入費用
引越しをしただけでは一人暮らしはできません。快適な生活を送るには、必要な家具家電・生活用品を揃える必要があります。とくに、最低限以下のものは事前に購入しておくのがおすすめです。

・寝具
・カーテン
・テーブル
・照明
・冷蔵庫

これらはあくまでも最低限の家具家電であり、トイレットペーパーやシャンプーなどの生活用品を購入するにも費用はかかります。
なお、一人暮らしにかかる初期費用については、「一人暮らしを始めるのにかかる初期費用はいくら?安く済ませる方法も紹介」の記事でより詳しく紹介していますので、こちらもチェックしてみてください。

初期費用の相場

一人暮らしを始める際に必要になる初期費用について、以下の表で5万円・6万円・7万円と3つのケースに分けてまとめましたので参考にしてみてください。

家賃5万円の場合 家賃6万円の場合 家賃7万円の場合
賃貸物件を契約する際の初期費用24〜38万円27〜44万円32〜50万円
引越し業者の利用料金3〜10万円3〜10万円3〜10万円
家具家電・生活用品の購入費用10〜15万円10〜15万円10〜15万円
合計 37〜63万円 40〜69万円 45〜75万円

家賃によっても異なりますが、一人暮らしにかかるトータルの初期費用は37〜75万円が相場です。これらの費用は、賃貸物件を契約したとき、あるいは一人暮らしを始める時点で支払う必要があります。
賃貸物件の契約時には、最低でも37万円以上の貯金がなければ一人暮らしをするのは難しいといえます。

初期費用を抑えるポイント

37〜75万円が相場の初期費用は、以下の4つの方法を使って抑えることができます。これらの内容を把握することで、およそ10〜35万円の初期費用を節約することが叶うので、それぞれの内容を詳しく見ていきましょう。

ゼロゼロ物件(敷金0円礼金0円)を選ぶ

ゼロゼロ物件とは、敷金・礼金ともにゼロ円の物件のことです。賃貸物件によって敷金・礼金は異なり、不要の賃貸物件も存在します。そのような賃貸物件を選ぶことで、5〜14万円ほど節約できるようになるのです。

しかし、注意したいのは敷金がゼロ円の物件です。先述のとおり、敷金とは入居者が大家さんに預ける費用のことで、退去時には原状回復費用を差し引いた金額が返却されます。原状回復費用とは、住んでいた部屋を住む前の状態に戻すのにかかる費用のことで、クリーニング代や修繕費用がそれにあたります。

敷金がゼロ円の場合、退去時に原状回復費用を全額用意しなければいけません。そのため、敷金がある物件に比べると退去費用が高くなりやすいことを知っておきましょう。

仲介手数料を抑えられる不動産会社を選ぶ

仲介手数料とは、不動産会社に物件を見つけた成功報酬として支払われる費用のことで、家賃相場の0.5〜1ヶ月分が一般的です。しかし、不動産会社によっては仲介手数料を抑えられる可能性もあります。

不動産会社が受け取ることができる仲介手数料は、原則大家さんから賃料の0.5カ月分(+消費税)、借主から0.5ヶ月分(+消費税)の金額が上限と定められています。ただし、借主の承諾がある場合、双方の合計が1ヶ月分以内(+消費税)であれば、負担の割合を変更することが可能です。

そのため、依頼した不動産会社が所有している物件に住む場合や、大家さんが仲介手数料を全額負担している場合には、仲介手数料を抑えることができます。ポータルサイトによっては仲介手数料無料の物件を検索できるため、初期費用を抑えたい人は一度チェックしてみてください。

フリーレント物件を選ぶ

フリーレント物件とは一定の期間家賃がかからない契約形態のことで、大家さんの空室対策のほか、入居者の初期費用を少なくするために作られたといわれています。
大家さん側としても、フリーレント制度を導入することで、家賃を値下げしなくても空室が早く埋まりやすくなるなど、物件の資産価値を下げずに済みます。フリーレントの期間は、半月〜3ヶ月など物件により異なりますが、仮に家賃が5万円の賃貸物件の場合、2.5〜15万円お得になるのです。

しかしフリーレント物件では、フリーレント期間が終わったあとすぐに退去されるのを防ぐために短期解約違約金が設定されています。すぐに退去をする予定の人には、反対に費用負担が大きくなることを覚えておきましょう。

一括で支払えない場合は分割払いが可能な不動産会社を利用する

初期費用は一般的に契約時に一括で支払うものですが、分割払いが可能な不動産会社もあります。
ただし、現金での分割払いに対応している店舗は少なく、またクレジットカードについても指定の会社のカードにしか対応できない場合もあるため、分割払いを希望する場合は契約前に支払い方法について確認しておきましょう。

また、分割の回数が多いと金利や手数料の負担が増え、一括で支払うより総額が高くなるケースもあるため、注意してください。

さらに、不動産会社によっては、初期費用の中でも項目によって分割払いに対応できるものとできないものがある場合もあります。敷金・礼金は分割払いができる一方、仲介手数料は分割払いができないといったこともあるため、どの範囲が分割払いに対応しているかについても前もって確認しておきましょう。

フリーターの一人暮らしに必要なもの②家賃を払うための一定の収入

貯金で初期費用がまかなえても、毎月の家賃を払えなければ生活はできません。一人暮らしをするには、毎月の家賃を払うための一定収入が必要です。

たとえば家賃5万円前後の賃貸物件で一人暮らしをする場合は、最低でも毎月15万円以上が必要といわれています。以下で詳しい内容を見ていきましょう。

一人暮らしで発生する生活費の種類

一人暮らしでは、主に以下の項目に費用がかかります。
・家賃
・食費
・日用品
・光熱費
・通信費
・税金
・交際費、娯楽費

家賃や税金は必ず払う必要のある固定費である一方、交際費・娯楽費は調整が可能な流動費です。交際費・娯楽費を節約すれば、その分貯金にまわすことも可能です。

一人暮らしの生活費の相場

上記における生活費の相場は以下のとおりです。

<交際費・娯楽費を抜いた最低限の生活費>

項目金額
家賃5万円
食費3万円
日用品1万円
光熱費1万円
通信費0.5万円
税金3万円
合計 13.5万円

<交際費・娯楽費を含んだ生活費>

項目金額
家賃5万円
食費3万円
日用品1万円
光熱費1万円
通信費0.5万円
税金3万円
交際費・娯楽費1.5万円
合計 15万円

交際費とは、プレゼントなどの自分以外に支出する費用や、飲み会やデートなどだれかと一緒に過ごすために支出する費用のことを指します。娯楽費は、自分の楽しみのために支出する費用のことで、映画や買い物がこれにあたります。

これらの費用は自分で調整できるため、ほかの費用を使いすぎたり貯金をしたりする月は、交際費・娯楽費を下げるなどのやりくりが必要です。

ただし、上記の金額は貯金が含まれていません。貯金がなくても生活はできますが、急な病気・ケガの治療費や仕事ができなくなった場合に備えて、一定額の貯金は毎月しておくことをおすすめします。

一人暮らしの生活費を抑えるポイント

できるだけ毎月の支出を減らして貯金につなげるために、ここからは一人暮らしの生活費を抑える方法を紹介していきます。

家計簿をつける

毎月の生活費を抑えるためには、まずどの項目にどれだけの支出をしているか、家計簿をつけて把握する必要があります。どんぶり勘定で支払いを続けていると家計が赤字になり、月末に苦しい思いをする可能性が高くなります。

毎月使える金額はおおよそ決まっているので、その上限額を超えない場合にも、それぞれの項目で予算を決めておきましょう。収入が15万円程度の場合は、上記で解説した生活費相場を参考にしてみてください。

それぞれの予算と実際の支出額を定期的に照らし合わせることで、どの項目に費用を使っているか知ることができます。たとえば食費がかさんでいる場合、自炊を増やしたり、食材の量を調節したりするといった対策を講じることができます。

また、毎月同じ項目が赤字になってしまう場合は、予算を変更することも考慮しましょう。その場合は、ほかの項目の予算を減らすなどして収入額を超えないように調整してください。

節約できる要素を押さえる

以下の項目なら、工夫次第で支出を抑えることは可能です。

■食費の場合
・自炊を増やす
・作り置きをする
・おかずの数を減らす
・食材を使い切る

■日用品の場合
・コンビニではなく、お得なドラッグストアやネットショップを活用する
・雑に使わない
・詰め替え用を使う

■光熱費
・ガス、電力会社のプランを見直す
・家電などのプラグをこまめに抜く
・お風呂の残り湯は洗濯に使う

■通信費
・Wi-Fi環境が備わっている賃貸物件を選ぶ
・格安キャリアのスマホを契約する
・キャンペーンを活用する

上記に挙げた方法は、人によっては難しいケースもあるので、自分に合ったものを少しずつ実践するのがおすすめです。なお、電気代の節約方法は、「一人暮らしの電気代、平均いくら? すぐにできる節約術も説明!」の記事で詳しく解説していますので、そちらもチェックしてみてください。

毎月一定額を貯金するように心がける

先述のとおり、一人暮らしを続けるには毎月一定額の貯金をすることが重要です。毎月の貯金額を決めておくことで、貯金額から逆算して生活費や交際費・娯楽費の予算を決めることができるようになるからです。

収入が15万円の場合、貯金額を1万円と決定することで残りの14万円でやりくりしなければいけません。先に貯金用の口座に入金をする「先取り貯金」をすると、貯金しやすくなります。

フリーターが一人暮らしの物件を探す際のポイント

フリーターが一人暮らし用の賃貸物件を探すには、6つのポイントがあります。

・家賃は手取りの1/3以下~1/4程度に抑える
・無理に都会の中心に住もうとしない
・賃貸物件に求める条件はこだわりすぎない
・都市ガスの物件を選ぶ
・Wi-Fi完備の物件を選ぶ
・「なんのために一人暮らしするのか」を見直す

それぞれの詳しい内容を見ていきましょう。

家賃は手取りの1/3以下~1/4程度に抑える

賃貸物件に住む場合、手取りの1/3以下~1/4程度の家賃のところに住んだほうがよいといわれています。収入が15万円の場合は3.75〜5万円以下の家賃を目安に、収入が20万円の場合は5〜6.6万円以下の家賃を目安に賃貸物件を決めましょう。

注意したいのが、この収入は額面ではなく手取り額です。額面とは会社から自分に対して支払われる金額の合計のことを指し、手取り額は額面から税金などが引かれて実際に受け取れる金額を指します。
家賃は、手取り収入の1/3以下~1/4程度だということを覚えておきましょう。

無理に都会の中心に住もうとしない

立地がよい都心は、職場などさまざまな場所からのアクセスがよく便利ではありますが、そのぶん家賃が高くなってしまいます。移動時間は増えてしまうかもしれませんが、家賃を抑えたいなら都心から離れた場所がおすすめです。

たとえば、首都圏の場合は東京ではなく神奈川や埼玉、千葉周辺も検討してみましょう。都心から離れれば離れるほど、家賃相場は安くなる傾向があります。

賃貸物件に求める条件はこだわりすぎない

賃貸物件は「バス・トイレ別」「南向き」「エアコン付き」など、さまざまなこだわり条件を絞って探すことができます。しかし、このような条件を絞りすぎると家賃相場はどんどん上がってしまう傾向にあります。

賃貸物件を探すときは、ここだけは譲れないというこだわり以外は捨てるように心がけると初期費用や月々の家賃を減らせるため、優先順位を付けるなど整理してみてください。

都市ガスの物件を選ぶ

一般的にガスには「都市ガス」と「プロパンガス」の2種類があり、賃貸物件によって使えるガスの種類は決められています。プロパンガスの料金は都市ガスの約2倍ほどの金額になるため、光熱費を抑えるためにも、可能であれば都市ガスの賃貸物件を選ぶようにしましょう。

都市ガスはプロパンガスよりリーズナブルで、地中の導管からガスが供給されるためボンベを置く必要がありません。また、都市ガスは自由化されているため、プランなどを見比べて光熱費を抑えられる会社を選ぶことも可能です。

Wi-Fi完備の物件を選ぶ

通信費の節約方法でも軽く触れたとおり、Wi-Fi完備の物件を選ぶことで、毎月の通信費を大きく抑えられます。一人暮らしになると、動画を見たりゲームをしたりする時間が徐々に増えていきます。使用時間が長くなると、そのぶん利用料金も上がるため、Wi-Fi完備の物件は大きな節約につながるのです。

さらに、インターネットの環境があれば生活必需品をネットショッピングで購入することも可能です。ネットショッピングは量販店よりもお得に買い物できることが多いため、結果的に節約にもつながります。

「なんのために一人暮らしするのか」を見直す

物件探しにとくに重要なのは、「なんのために一人暮らしするのか」を考えることです。
その目的がはっきりとわかればそれに見合った物件を探せるようになるため、通勤時間を減らしたい、自然が豊かなところで暮らしたいなど、自分が求めているものについて物件を探す前に整理してみましょう。

フリーターでの一人暮らしは、しっかり情報を仕入れて始めよう

フリーターでも、毎月15万円ほどの手取り収入があれば一人暮らしをすることが可能です。ただし、一人暮らしの初期費用として家賃の5〜7ヶ月ほどの貯金が必要となるので気をつけましょう。

また、フリーターの一人暮らしには、支出を抑えた生活をするための情報が必要です。効果的な節約方法や貯金方法など、必要な情報を仕入れて快適な一人暮らし生活を送りましょう。

ふどサーチ編集部